出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
宮城県南西部、刈田郡(かったぐん)の町。1955年(昭和30)宮(みや)村と円田(えんだ)村が合併し町制施行。西部には蔵王連峰がそびえ、東部には白石(しろいし)川支流の松川沿いに耕地が分布する。国道4号、457号、東北自動車道が通じる。中世末期には伊達(だて)氏の支配が及び、16世紀末には蒲生(がもう)、上杉領となるが、1600年(慶長5)伊達氏仙台藩領となる。宮は奥州街道の宿場であった。果樹栽培を含む農業と観光が主産業で、七日原(なのかはら)付近は県内でも有数の酪農地帯を形成し、蔵王酪農センターがある。蔵王国定公園の御釜、不動滝や三階滝は景勝地として知られ、また、スキー場が2か所あり、樹氷が見られる。蔵王エコーラインが刈田岳(かっただけ)山頂に通じる。遠刈田温泉(とおがったおんせん)があり、温泉南方の新地(しんち)は古くからの木地師(きじし)集落で、こけしを産する。国指定重要文化財に江戸中期の大農家の我妻家住宅(あがつまけじゅうたく)がある。面積152.83平方キロメートル(一部境界未定)、人口1万1418(2020)。
[後藤雄二]
『『蔵王町史』全4巻(1987~1994・蔵王町)』
宮城県南西部,刈田(かつた)郡の町。人口1万2882(2010)。白石市の北に接し,蔵王山東麓を占める。阿武隈川の支流白石川に注ぐ松川が東流し,東部は白石盆地から続く円田盆地となる。刈田嶺神社の鳥居前町に起源をもつ宮は,近世に奥州街道の宿場町として発展,本陣が置かれ,参勤交代などでにぎわった。畑地が多く,リンゴ,桃,梨などの果物では県内有数の産地となっている。後烏帽子岳東麓の七日原では酪農や高冷地野菜の生産が行われる。松川の上流には蔵王登山の基地でもある遠刈田(とおがつた)温泉があり,その南にある新地では遠刈田こけしが作られている。刈田岳(1758m)をはじめ蔵王山一帯は蔵王国定公園に指定され,1962年有料道路蔵王エコーラインが開通してから観光客が増加した(85年無料開放)。享保年間(1716-36)に建てられた民家我妻家住宅(重要文化財)がある。
執筆者:千葉 立也
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…宮城・山形両県にまたがる火山群の総称。横川と澄川の上流を境として北蔵王と南蔵王の両火山群に分けられ,一般には北蔵王を蔵王山とよぶ。北蔵王は二重式火山で,最高峰の熊野岳(1841m)とその南方の刈田(かつた)岳(1758m)とをつなぐ〈馬の背〉とよばれる稜線が外輪山をなし,その東方の五色岳(1674m)は中央火口丘である。…
※「蔵王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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