赤名峠(読み)あかなとうげ

日本歴史地名大系 「赤名峠」の解説

赤名峠
あかなとうげ

赤来町と広島双三ふたみ布野ふの村の境にある峠で、標高六三〇メートル。古来出雲国備後国を結ぶ交通の要衝で、「出雲国風土記」飯石郡条には「三次郡の堺なる三坂に通ふは、八十一里なり。みち、常にあり」とあり、三坂みさかは赤名峠とされる。上り下り九十九曲の難所とされていた。斎藤茂吉の「鴨山考」によると、柿本人麻呂の終焉の地を邑智おおち邑智湯抱の鴨山ゆがかいのかもやまと推定、人麻呂の赤名峠通過説を強く主張している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤名峠」の意味・わかりやすい解説

赤名峠
あかなとうげ

中国山地中央部、島根・広島県境にある分水界をなす峠。標高630メートル。古くから出雲(いずも)と備後(びんご)を結ぶ要地関所休み所が置かれた。1964年(昭和39)の国道54号赤名トンネル(延長597メートル)の開通で広島・松江両市間の距離を大幅に短縮した。

[野本晃史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤名峠」の意味・わかりやすい解説

赤名峠
あかなとうげ

島根県中東部,飯南町と広島県北部,三次市布野の境にある峠。標高 580m。中国山地分水嶺をなし,松江,出雲方面と広島市を結ぶ国道 54号線 (→出雲街道 ) に沿う。 1964年に赤名トンネルが頂上付近に完成し,雪害が緩和されるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の赤名峠の言及

【布野[村]】より

…中国山地南側斜面にあり,中央部を江の川支流の布野川が南流する。中心集落の上布野は近世,山陰と山陽を結ぶ雲石路の広島藩最北端の宿駅として栄え,備後と出雲の国境にあたる赤名峠には広島藩の国境番所が設けられていた。現在は米作,和牛飼育,シイタケ栽培が盛んで,木材の生産も行われる。…

※「赤名峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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