足尾[町](読み)あしお

百科事典マイペディア 「足尾[町]」の意味・わかりやすい解説

足尾[町]【あしお】

栃木県西部,上都賀(かみつが)郡の旧町。足尾銅山を中心に発達した鉱山町。全町山地で,渡良瀬(わたらせ)川上流にわたらせ渓谷鉄道が通じる。銅山は1610年発見,江戸時代は銅山奉行が直轄,1661年―1687年最盛期を迎え,1684年には銅40万貫を産出。明治以後古河市兵衛が譲り受け,近代的な採鉱・製錬法の採用などにより全国産銅の4割を占める大銅山となった。しかし,生産増大に伴い鉱毒が流出,足尾鉱毒事件をひき起こした。1968年には月産銅量500t,製錬量は輸入鉱,国内鉱を含め月産3000tであったが,1973年閉山,360年にわたる歴史の幕を閉じた。鉱山跡は荒涼とした景観を呈し,製錬所は輸入鉱の製錬を行っているが,人口も激減した。西部の皇海山(すかいさん),庚申山(こうしんざん)は日光国立公園に属する。2006年3月今市市,塩谷郡藤原町,栗山村日光市へ編入。185.79km2。3521人(2003)。

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