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金属組織学 きんぞくそしきがくmetallography

翻訳|metallography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金属組織学
きんぞくそしきがく
metallography

金属の内部組織を,おもに相平衡論,固体動力学,固体物理学の立場から研究する学問分野。一般に材料の性質はその内部組織に大きく依存し,たとえ同じ合金であっても組織が異なればその物性はまったく異なる場合が多い。したがって,内部組織制御は材料学において非常に重要な課題とされている。金属の組織については,古くは R.フックの観察記録"Micrographia" (1665) があるが,一つの学問分野として成立したのは,ソルビーが金属顕微鏡を用いて鉄鋼の組織を解析した結果が認められた 1880年代以降である。当時,相律が発見され,顕微鏡や熱分析などの研究方法も進歩して,合金の相の問題が金属研究の主流となっていた。日本ではこれを金相学と呼んだ。 1930年代以後,X線・電子線・中性子線の回折の利用や電子顕微鏡などの発達により,研究は結晶構造の解析,相転移の機構,結晶塑性など,物理学的な面にまで範囲が拡大され,金属組織学の名称が多く使われるようになった。現在では,金属転位論,金属電子論などの発展による金属物性の研究が大きい比重を占めてきて,さらにコンピュータの進歩に伴い,理論的に相安定性また組織形成過程を予測する試みが計算材料科学の分野において精力的になされている。

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百科事典マイペディアの解説

金属組織学【きんぞくそしきがく】

金相学とも。金属・合金の結晶組織および構造と,金属の組成・加工状態・物性などとの関連を求める学問。光学顕微鏡電子顕微鏡で組織を,X線・電子線・中性子線回折で構造を追求。

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世界大百科事典内の金属組織学の言及

【金属組織】より

…マクロ組織という言葉は肉眼によって観察可能なものについて用いられる。
[金属組織学metallography]
 18世紀末までに,錬鉄,鋼,銑鉄の可鍛性,焼入れ性などの性質の違いは,これらの金属に含まれる炭素濃度の差によるものであることが明らかとなった。しかし,炭素濃度の同じ鋼の硬さが焼入れ,焼戻しなどの熱処理によって変化する原因は不明であった。…

※「金属組織学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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