鏡草(読み)カガミグサ

デジタル大辞泉 「鏡草」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐ぐさ【鏡草】

昔、宮中で、正月元日鏡餅かがみもちの上にのせた大根輪切り。また、大根別名
ビャクレンの別名。

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精選版 日本国語大辞典 「鏡草」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐ぐさ【鏡草】

〘名〙
ブドウ科のつる性草本。中国原産で、日本へは享保年間(一七一六‐三六)に渡来。葉と対生する巻きひげがある。葉は掌状で三ないし五個の羽状に分かれる小葉からなる。五、六月ごろ、多数の小さな黄緑色五弁花を円錐形につける。果実は小球形で、青または、紫色、熟すと白色になる。漢名、白。和名カガミグサ、またはビャクレン。かがみ。やまかがみ。〔和玉篇(15C後)〕
② 植物「ががいも(蘿藦)」の古名。
※後拾遺(1086)雑六・一二一四「人の草合しけるに、朝顔、かがみ草など合せけるに、かがみ草かちければ まけかたのはづかしげなる朝顔を鏡草にも見せてけるかな〈よみ人しらず〉」
③ 植物「うきくさ(浮草)③」の古名。《季・夏》
※蔵玉集(室町)「鏡草 浮草 波なくは河にさかましかがみ草氷のあとの水の花の名」
④ 古く、宮中で、元日に鏡餠の上に置いた大根の輪切りの称。また、大根そのもの。《季・新年》
※散木奇歌集(1128頃)春「われをのみ世にももちゐの鏡草さきさかえたる影ぞうかべる」
※蔵玉集(室町)「加賀御草 大根〈略〉さき草の中にもはやき鏡くさやがて御調にそなへつる哉」
⑤ 植物「あさがお(朝顔)」の異名
※蔵玉集(室町)「鏡草 槿明かたははつかしげなる朝顔の鏡草にもみえてける哉」
⑥ 植物「やまぶき(山吹)」の古名。《季・春》
※夫木(1310頃)二八「かたはみのそはに生ひたるかかみ草露さへ月に影みかきつつ〈藤原為家〉」
⑦ 植物「まめづた(豆蔦)」の古名。〔和漢三才図会(1712)〕
⑧ 植物「いよかずら(伊予葛)」の古名。〔書言字考節用集(1717)〕
⑨ 植物「かたばみ(酢漿草)」の古名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
⑩ 植物「ちどめぐさ(血止草)」の古名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
⑪ 植物「いちやくそう(一薬草)」の異名。《季・夏》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

かがみ‐そう ‥サウ【鏡草】

〘名〙 植物「いちやくそう(一薬草)」の古名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鏡草」の解説

鏡草 (カガミグサ・カガミソウ)

植物。イチヤクソウ科の常緑多年草,園芸植物,薬用植物イチヤクソウの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。ヒルガオ科一年草,園芸植物,薬用植物。アサガオの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。アブラナ科の越年草,園芸植物,薬用植物。ダイコンの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。ガガイモ科のつる性多年草,薬用植物。ガガイモの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。キク科の越年草,園芸植物,薬用植物。ベニバナの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。ウラボシ科の常緑多年草,園芸植物。マメズタの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。セリ科の常緑多年草,薬用植物。チドメグサの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。ブドウ科のつる植物,薬用植物。ビャクレンの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。カタバミ科の多年草,薬用植物。カタバミの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。バラ科の落葉低木,園芸植物。ヤマブキの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。マツ科マツ属の常緑高木の総称。マツの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。ガガイモ科の多年草。イヨカズラの別称

鏡草 (カガミグサ)

植物。弁慶草の別称または,浮草の古名

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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