中国で一定の師の門に入って学問を修め,名簿に著録された門下生・書生を意味し,漢から六朝期にかけて社会的政治的勢力を形成する。1人の師に仕える門生の数は,数百数千人にのぼる場合があり,彼らは師に対して入門金,謝金を出したが,師からの生活保証はなく,また師の家に居住することもなかった。ただ門生は免役権をもち,これは国家が門生自身に与えた恩典ともいえ,社会的地位の高さを物語るものでもある。本来,門生とは学徒であり,師は儒学の大家であったが,学問を修めることが官界に入る手段であることから門生は官僚予備軍という性格を有す。後漢以後では,門生がつく師は権力をもつ官僚が多くなり,さらに士庶の区別が確定し立身出世が軍功によるしかなくなる南朝では,有力将軍の下に門生が集まり,武人的傾向を帯びるようになる。ただいずれの時期も門生と師の関係は,隷属関係というよりむしろ自由人どうしの主従的関係であった。
執筆者:冨谷 至
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