(読み)カンヌキ

デジタル大辞泉 「閂」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぬ‐き〔クワン‐〕【×閂/貫木】

《「かん(貫)のき(木)」の音変化という》門の扉が開かないようにする横木左右の扉の内側につけた金具に差し通して使う。
相撲の手の一。もろ差しになった相手両腕を上から抱え込んで絞り上げるもの。
[補説]作品名別項。→
[類語]錠前キースペアキーマスターキー南京錠合い鍵箱錠掛け金解錠施錠ロックシリンダー錠

かんぬき【閂】[絵画]

原題、〈フランスLe Verrouフラゴナール絵画カンバス油彩。縦74センチ、横94センチ。暗い部屋の中で男が女を抱き寄せ、扉の閂をかけようとする姿を描く。晩年の代表作の一。パリルーブル美術館所蔵。

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普及版 字通 「閂」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音] サン
[字訓] かんのき

[字形] 会意
門+一。門扉に横木を施した形。貫の木。古い字書にはみえない字である。宋の成大〔桂海虞衡志、雑志〕に「俗字、邊俗陋にして、牒訴(てふそ)に專ら土俗の書を用ふ。桂林の邑皆然り。今姑(しばら)く臨桂の數字を記す。~閂、門の關なり」とあり、これによると、字はもと桂林土俗の用いるところであった。

[訓義]
1. かんのき、かんぬき

[古辞書の訓]
字鏡集〕閂 ヒナサキ

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改訂新版 世界大百科事典 「閂」の意味・わかりやすい解説

閂 (かんぬき)

門や出入口などの扉を閉じて内側から固めるための横木。貫木とも書く。貫木(かんのき)または関木(かんのき)から転じた。多くは堅い木を使用し,扉の框(かまち)や桟に打ち付けた箱金物(閂鎹(かんぬきかすがい))に差し通して開かないようにする。寝殿造の妻戸などは回転扉であるが,閂は用いていない。初めは門に用いたと思われ,のちには建物の出入口の扉に用いるようになった。また,近世の町家において,〈みせ(店)〉正面の摺上げ戸(蔀戸(しとみど)ともいう)を閉じるときに柱間の中央に立てる竪木も閂と呼ぶ。楣(まぐさ)と敷居の間に差して立て,竪木の両側に溝を設けて柱との間に戸を落とし込むもので,昼間は取り外しておく。また和船の船首小縁(こべり)の上部にある角形の横木を貫木という。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「閂」の意味・わかりやすい解説


かんぬき
gate bar; locking bar

貫木とも書く。門扉などを閉じ固めるのに用いる横木。この横木を2ヵ所以上に固定した閂鎹 (かんぬきかすがい) で支え,この鎹物をつけている棧を閂持棧という。閂には堅質の木材や,鉄棒が用いられる。観音開きの門扉には一般にけやき,ひのき,松,杉などの閂が使われる。また近世の町屋において戸締りのために蔀梁 (しとみばり) から下の敷居まで取付けてある竪木をさすこともある。竪木には溝を設けて蔀梁上に格納してある戸をおろす便とする。昼間は取りはずしておく。

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百科事典マイペディア 「閂」の意味・わかりやすい解説

閂【かんぬき】

門や扉(とびら)を内側より閉じ固めるための横木。はじめは門に用いられたが,のち建物の出入口の扉にも用いるようになった。
→関連項目

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