除籍(読み)ジョセキ

デジタル大辞泉 「除籍」の意味・読み・例文・類語

じょ‐せき〔ヂヨ‐〕【除籍】

[名](スル)
学籍・戸籍や名簿などから名前を除くこと。
平安時代殿上人てんじょうびとが罪科や勅勘によって昇殿を停止されること。日給のふだを除いて、名を外した。じょしゃく。

じょ‐しゃく〔ヂヨ‐〕【除籍】

じょせき(除籍)

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精選版 日本国語大辞典 「除籍」の意味・読み・例文・類語

じょ‐せきヂョ‥【除籍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 台帳から記録を削除すること。名簿などから、その人の氏名や記録をとりのぞくこと。じょしゃく。
    1. [初出の実例]「制、頽壊成川之地、屡事除籍、新出為田之状、未言上」(出典:日本後紀‐延暦二三年(804)四月辛未)
    2. 「刺客およそ十七人、脱藩除籍の願書を藩邸に投げ込んで」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
    3. [その他の文献]〔清会興事例‐戸部・戸口・改正戸籍〕
  3. 平安時代以降、殿上人が罪や勅勘によって昇殿を停止されること。「籍」とは日給の簡(ふだ)で、清涼殿におき、殿上人の名を録するのに用いた。昇殿を停止されると、その簡を除いて、名を削った。じょしゃく。
    1. [初出の実例]「昨滝口周防介惟宗行賢、藤原親光有闘乱事。仍被追放除籍云々」(出典:権記‐長保二年(1000)五月二七日)
    2. [その他の文献]〔宋史‐文苑伝・黄夷簡〕

じょ‐しゃくヂョ‥【除籍】

  1. 〘 名詞 〙じょせき(除籍)
    1. [初出の実例]「除籍(ヂョシャク)」(出典:名目鈔(1457頃)諸公事言説)

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図書館情報学用語辞典 第5版 「除籍」の解説

除籍

図書館で,所在不明であったり,破損汚損があったり,あるいは不要となった資料原簿から削除すること.その図書館の物品管理規程に従った処理が行われる.除籍された資料に対しては,廃棄,寄贈売却などの処理がとられる.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

大学事典 「除籍」の解説

除籍
じょせき
expulsion

当該学生に関する記録の追加がなされなくなることが除籍である。卒業・修了退学・転学などによっても当然,除籍となるが,通常,意識的にこの用語が使われるのは,たとえば在学中に死亡・失踪などに至った特殊なケースのほか,近年,急増している授業料未納による事例である。このことは学費高騰のほか,学生の一人暮らしの生活水準上昇による生活費の増大,あるいは長期不況や災害による学費負担者の困窮,さらには給付制の奨学金制度の大幅縮小など,学生を取り巻く経済状況の悪化の反映といえる。学費の滞納はすぐに除籍となるわけではなく,督促保証人への請求を経た上で,一般的には次期の納期限まで待っても納付されない場合に適用される。なお除籍後,一定年数以内に滞納学費を全納すると復籍が許可されることもあるが,大学により事情は異なるようである。
著者: 橋本勝

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

普及版 字通 「除籍」の読み・字形・画数・意味

【除籍】じよせき

籍を外す。

字通「除」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の除籍の言及

【日給の簡】より

…殿上を仙といい,簡を籍というのに由来する。日給の簡に名を記されると〈簡につく〉〈仙籍をゆるされる〉といい,逆に罪を犯すと氏名を簡から削り昇殿を止めるが,これを〈除籍する〉という。簡は午前に殿上の間に出し,夕刻には袋に入れて納めた。…

※「除籍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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