戸部(読み)コブ

デジタル大辞泉 「戸部」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぶ【戸部】

古代中国六部りくぶの一。戸口ここう田賦でんぷ財政などをつかさどった。
民部省唐名。こほう。

こ‐ほう【戸部】

こぶ(戸部)2

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精選版 日本国語大辞典 「戸部」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぶ【戸部】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国の官署の名。隋以前の民部を唐代に改称したもので、尚書省に属し、財政をつかさどる。清末に廃止。〔新唐書‐百官志〕
  3. 民部省(みんぶしょう)の唐名。こほう。
    1. [初出の実例]「余貞観十三年、為内史、今年正月遷兵部侍郎、二月遷任戸部」(出典菅家文草(900頃)一・拝戸部侍郎、聊書所懐、呈田外史)

こ‐ほう【戸部】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ほう」は「部」の漢音 ) =こぶ(戸部)〔伊京集(室町)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戸部」の意味・わかりやすい解説

戸部
こぶ
Hu-bu; Hu-pu

中国の主要行政官庁であった六部の一つ。国家財政を管轄六朝時代度支尚書および左民尚書の後身で隋代に民部と呼ばれ,唐の太宗のとき,戸部と改称。長官尚書,次官侍郎,判官郎中,員外郎以下の組織が整う。戸部 (田地民籍) ,度支 (財政) ,金部 (財貨交易) ,倉部 (倉穀管理) の4部局を管し,太府寺,のちには塩鉄,転運使などと財務に責任をもった。五代,宋で三司使となり,元で中書省に属し,明以降天子に直属。光緒 32 (1906) 年官制改革により度支部となった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「戸部」の解説

戸部(こぶ)

隋唐以来の中央行政官庁である六部(りくぶ)の一つ。財政を統轄し,戸籍産業救恤(きゅうじゅつ)などを兼ね,その業務は,現在の日本の財務省経済産業省の一部に相当する。唐代では尚書省に属し,元代では中書省に,明清では皇帝直属であったが実質上は内閣もとに置かれた。1906年の制度改革により度支部(たくしぶ)に改められた。

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普及版 字通 「戸部」の読み・字形・画数・意味

【戸部】こぶ

財務。

字通「戸」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「戸部」の意味・わかりやすい解説

戸部
こぶ

三省六部

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旺文社世界史事典 三訂版 「戸部」の解説

戸部
こぶ

隋・唐以後,清代まで続いた戸口・財政を司る役所。六部 (りくぶ) の1つ。

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世界大百科事典(旧版)内の戸部の言及

【六部】より

…中国,唐代から清末まで中央行政を分掌した吏,戸,礼,兵,刑,工の6官庁の総称。吏部は文官の人事,戸部は財政,礼部は祭祀と教育,兵部は軍事と武官の人事,刑部は司法,工部は土木に関する政務をそれぞれ担当した。魏・晋以後,中央行政機関となってきた尚書省は,5曹ないし6曹の分曹をもち,それらの曹名にも変遷があったが,唐代にいたって吏,戸,礼,兵,刑,工の六部とした。…

※「戸部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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