頂門の一針(読み)ちょうもんのいっしん

精選版 日本国語大辞典 「頂門の一針」の意味・読み・例文・類語

ちょうもん【頂門】 の 一針(いっしん・ひとはり)

(頭上一本の針をさす意から) 相手急所をおさえて戒めること。また、その戒め。適切な忠告。痛い所をつく教訓
※新聞雑誌‐一七号・明治四年(1871)一〇月「此言吾輩頂門(チャウモン)の一針(ハリ)なり」 〔蘇軾‐荀卿論・王遵巖評〕

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デジタル大辞泉 「頂門の一針」の意味・読み・例文・類語

頂門ちょうもん一針いっしん

《頭の上に1本の針を刺す意から》人の急所をついて強く戒めること。また、急所を押さえた教訓。
[類語]要項要目要綱論点勘所脈所要点主眼眼目軸足立脚点立脚地力点主力重き重視重点要所ポイント要領大要キーポイント急所つぼ正鵠

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故事成語を知る辞典 「頂門の一針」の解説

頂門の一針

相手の急所を押さえた、痛烈な戒め。痛いところをつく教訓。

[使用例] このゲエテ結論は、私にとって、私のような気の多い作家にとって、まことに頂門の一針であろう[太宰治*春の盗賊|1940]

[由来] 「鶴林玉露―一三」に見えることばから。一二世紀の中国の学者しゅは、あるとき、論敵だったちんりょうに向かって、「真の英雄は、細かいことまで気をつけて行動するもの。荒々しく豪快な人物は、実はたいしたことができない」と言いました。これは、陳亮にとっては「頂門の一針(頭の上のツボに刺した針)」というべきことばだろうと、「鶴林玉露」の著者たいけいは述べています。

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ことわざを知る辞典 「頂門の一針」の解説

頂門の一針

相手の急所をおさえて痛切な戒めを与えること。また、その戒め。痛いところをつく教訓。

[解説] 「頂門」は、頭の上。その部分に針をたてる治療法があるところからいったもの。蘇軾の「王遵巖評」にあることば。

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とっさの日本語便利帳 「頂門の一針」の解説

頂門の一針

批判や教訓が極めて鋭いこと。「頂門」は頭の頂き。針灸でそこに針を打つことを「頂門一針」といい、急所を押さえた大事な針とされる。そのような要点を押さえた決定的な一言または行動に用いる。

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