飯野山(読み)いいのやま

日本大百科全書(ニッポニカ)「飯野山」の解説

飯野山
いいのやま

香川県中北部、坂出(さかいで)市と丸亀市の境をなす山。山容は円錐(えんすい)型で讃岐富士(さぬきふじ)ともいう。讃岐平野に突出する独立峰で、その姿を四方から眺めることができ、「箱庭」といわれる讃岐平野の一点景をなす。標高422メートル。ビュートといわれる侵食残丘で、基層をなす花崗(かこう)岩の上に輝石安山岩がのっている。歌にも多く詠まれ、西行(さいぎょう)は「讃岐にはこれをや富士といいの山朝げの煙たたぬ日もなし」と詠んだと伝える。山麓(さんろく)にはモモ、ブドウなどの果樹が多く栽培され、モモの開花期は美しい。山頂には薬師堂がある。瀬戸内海国立公園に属する。裾野(すその)は最近住宅地化が進みつつある。

[稲田道彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「飯野山」の解説

飯野山
いいのやま

香川県中部,坂出市丸亀市境界にある山。別称讃岐富士。標高 422m。標高 200m以下は花崗閃緑岩,その上は讃岐岩質安山岩の溶岩台地が開析されて円錐型の山となっている。中腹から上部はアカマツ混合林で,希少植物バイカイカリソウ (梅花碇草)がみられる。山頂は眺望がよく,ふもとの飯神社は讃岐を代表する神・イイヨリヒコ (飯依彦) をまつる。山麓では果樹や花卉が栽培され,また坂出市の番の州工業地区を控えた住宅団地などが増えている。瀬戸内海国立公園に属する。

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デジタル大辞泉「飯野山」の解説

いいの‐やま〔いひの‐〕【飯野山】

香川県中央北部にある山。坂出(さかいで)・丸亀市境に位置し、円錐形の山容から讃岐(さぬき)富士ともいう。標高422メートル。讃岐平野西部に突出した独立峰のため、四方から眺められる。山頂からの展望もよく、裾野はモモ・ミカンなどの果樹園が多い。瀬戸内海国立公園に属する。

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百科事典マイペディア「飯野山」の解説

飯野山【いいのやま】

香川県丸亀平野北部の山。標高422m。円錐形の孤立峰で,讃岐(さぬき)富士の名があり,山頂からの展望がよい。山頂部は安山岩に属する讃岐岩,下部は花コウ岩からなる。
→関連項目飯山[町]

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世界大百科事典 第2版「飯野山」の解説

いいのやま【飯野山】

香川県北西部,坂出,丸亀,飯山の2市1町の境界点にあたる山。標高422m。別名讃岐富士とよばれ,美しい富士山型をなすが,火山ではなく,溶岩台地の一部が浸食から取り残されたビュートの典型である。山頂部は安山岩がおおい,その下部は花コウ岩からなる。全山松におおわれた年中常緑の美景も,最近マツクイムシのため枯木が目立つようになった。山麓には早くから桃畑などの果樹園がよく発達していたが,最近は宅地化が進んでいる。

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世界大百科事典内の飯野山の言及

【香川[県]】より

…平野部は讃岐山脈から流出する河川によって複合扇状地状三角州が形成され,讃岐平野と総称されるが,おもなものに東から香東川による高松平野,土器川による丸亀平野,財田川による三豊(みとよ)平野がある。平野部で目立つ屋島飯野山のような開析溶岩台地は日本では香川県のみにみられる。屋島は安山岩が頂上に広く残り,下部は花コウ岩からなるメサ型溶岩台地で,五色台(高松市と坂出市の境)や小豆島の美しの原も同じものだが,こちらは面積が特に広い。…

※「飯野山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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