精選版 日本国語大辞典 「鰻」の意味・読み・例文・類語
うなぎ【鰻】
〘名〙
① ウナギ科の魚。美味で栄養価が高く、特に夏の土用の丑の日に食べる習慣がある。からだは円筒状に細長く、全長一メートルにもなる。背、尻、尾の各ひれは連続している。うろこは退化して皮下に埋没し、表皮は厚く粘液におおわれているので、すべってつかみにくい。体色はふつう暗褐色または黒褐色。産卵場はマリアナ諸島西方の北赤道海流域の中層である。卵は孵化(ふか)してまもなく、透明で扁平なヤナギの葉の形をしたレプトセファルス幼生となる。この幼生は海流に乗って約半年間漂い、岸に近づくと変態し、シラスウナギ、さらにハリウナギと呼ばれる幼魚となって河川をさかのぼる。日本各地の河川、湖沼、内湾などにすむ。北海道以南の日本各地、朝鮮半島、中国、台湾に分布するが、日本の太平洋側の北部と日本海側には少ない。静岡、愛知、三重などで養殖されている。まうなぎ。むなぎ。まむし。うな。《季・夏》 〔観智院本名義抄(1241)〕
② ウナギ属の総称。世界に一〇数種あり、ヨーロッパ、アメリカ産のものはバーミューダ諸島沖の中層が産卵場である。
むなぎ【鰻】
〘名〙 =うなぎ(鰻)
※万葉(8C後)一六・三八五三「石麻呂に吾れ物申す夏やせによしといふものそ武奈伎(ムナギ)取りめせ」
おなぎ【鰻】
〘名〙 「うなぎ(鰻)」の変化した語。〔かた言(1650)〕
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