鳥居本(読み)とりいもと

百科事典マイペディアの解説

鳥居本【とりいもと】

近江国坂田郡の地名。現滋賀県彦根市域。古代東山道の鳥籠(とこ)駅,中世東海道小野駅に近く,古来畿内と東国または北陸を結ぶ交通の要所であった。江戸時代には中山(なかせん)道宿駅が置かれ,琵琶湖岸を通る朝鮮人街道,浅井郡・伊香(いか)郡を経て北陸に通じる北国街道の分岐点となっていた。1843年頃の宿場の町並みは南北10町,家数293軒,人数1448人,本陣1軒・脇本陣2軒,年寄5人・庄屋役5人・横目役4人・馬差2人・人足肝煎2人などの役人がおり,宿建人馬は50人・50疋で,旅籠は35軒を数えた(《宿村大概帳》)。宿場名物の腹薬の赤玉神教丸は鳥居本の赤玉といわれて,鳥居本雨合羽とともに諸国に知られた。宿内にある上品寺は歌舞伎《隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)》で著名な法界坊了海の旧跡であり,また江戸吉原の遊女らにより梵鐘が寄進されたことでも知られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

とりいもと【鳥居本】

近江国(滋賀県)坂田郡中山道の江戸時代の宿駅。古代の鳥籠駅,中世の小野駅の近くにあたる。もと南方にある多賀大社(または日撫神社)の鳥居があったので,鳥居本の名がついたという(《木曾路名所図会》《近江輿地志略》)。中山道第63の宿駅がおかれ,朝鮮人街道ならびに北国街道の分岐点にあたっていた。1843年(天保14)当時の宿場の町並み10町,人口1448人,家数293軒を数え,本陣1軒,脇本陣2軒,旅籠35軒があった(《宿村大概帳》)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鳥居本
とりいもと

滋賀県中東部、彦根市(ひこねし)の一地区。旧鳥居本村。中山道(なかせんどう)、北陸街道、朝鮮人街道の分岐点に位置し、宿場町として栄えた。また、油紙製の合羽(かっぱ)や薬の赤玉神教丸(あかだましんきょうがん)製造でも知られた。国道8号が通じ、近江(おうみ)鉄道本線鳥居本駅がある。

[高橋誠一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

とりいもと とりゐもと【鳥居本】

滋賀県彦根市の地名。江戸時代、中山道の番場と高宮の間にあった宿駅。江戸初期に小野から移された。

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