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鴻池善右衛門(初代) こうのいけ ぜんえもん

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

鴻池善右衛門(初代) こうのいけ-ぜんえもん

1608-1693 江戸時代前期の豪商。
慶長13年生まれ。鴻池新右衛門の8男。大坂の人。慶安3年家業の酒造業と海運業をつぐ。明暦2年から両替商をはじめ,幕府から十人両替に指定された。俳諧(はいかい)をこのみ,井原西鶴とまじわった。鴻池善右衛門家の祖。元禄(げんろく)6年1月26日死去。86歳。名は正成。幼名は新九郎,九蔵。

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書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

朝日日本歴史人物事典の解説

鴻池善右衛門(初代)

没年:元禄6.1.26(1693.3.2)
生年:慶長13(1608)
江戸時代の大坂の豪商鴻池善右衛門家の家祖。山中新六(初代鴻池新右衛門)と妻花の8男として生まれ,幼名を新九郎もしくは九蔵と称し,元服して正成と名乗る。父新六は摂津国川辺郡鴻池村(兵庫県伊丹市)において慶長のはじめごろ,清酒造りを始め,その江戸送りに成功して財をなし,元和5(1619)年大坂内久宝寺町に出て酒造業を営んだが,正成はそれに従い大坂に出たものと思われる。 寛永2(1625)年新六が自醸の清酒の手船による海上輸送(それまでは陸送)に乗り出すと,正成はこれに主としてあたり,大坂衢壌島(九条島)を本拠として自家の酒の江戸積みだけではなく,江戸―大坂間の諸藩貨物や一般貨物の輸送や,岡山藩など西国諸藩の藩地から大坂への年貢米廻送を引き受けて,元禄期までには手船100艘を持つ海運業に発展させた。同時に,米,絹,干鰯,木綿,油,薬種,塗物,呉服などの商品取引を行い,年貢米輸送・売買で関係が生じた諸藩への貸付を行うなど金融業(両替業)にも手を染めた。慶安3(1650)年父新六の没後,正成は新六の大坂内久宝寺店を相続,それ以降今日まで続く鴻池善右衛門家の家祖となった。 大名貸を契機に金融業が有利であることを悟った善右衛門は明暦2(1656)年,両替屋を開業。開業に当たり末子の五郎兵衛を,大坂の両替屋の先駆者といわれる天王寺屋五兵衛に見習奉公させ,万事,天王寺屋の経営方法を範としたという。鴻池両替店はめざましく発展し,寛文10(1670)年には,幕府から十人両替(公用に従事する代わりに様々な特権を与えられた大坂の両替商で,最有力両替商中から選ばれた)に指定された。鴻池両替店は両替業務を行うとともに,諸藩,諸商人を相手に貸付・為替取組を行った。寛文期ごろからは,大坂所在の諸藩蔵屋敷との取引が増加し,蔵米販売代金を引き当てとした大名貸が比重を増した。延宝2(1674)年には,両替商が集住し,金融の中心地となっていた今橋2丁目に屋敷を求めて,内久宝寺町から本店を移し,酒造業や海運業から徐々に撤退して,両替商専業の体制を固めた。延宝期ごろからは岡山藩蔵屋敷を皮切りに,広島藩,熊本藩,松江藩,大洲藩などの蔵屋敷の蔵元や掛屋に任命され,蔵米管理や蔵米販売代金の管理・送金に当たり,大名財政に深く関与することとなり,次第に大名貸専業の両替商となった。寛文10年から毎年,決算簿として「算用帳」が記帳されるようになり,これは明治初年まで続けられたが,これは現存する日本最古の複式構造を持つ商家帳簿である。 6男2女があり,寛文3年,次男之宗(鴻池喜右衛門を名乗る)に家督を譲り,それ以後宗信と称したが,86歳まで生きて隠然たる実力を発揮した。娘婿は正成の人柄について「元来生得実性人に勝れ,人柄大にして大力なり,直にして慈愛あり,富貴にして息災長命,物毎少しも苦にせざる気質也」「朝暮そひみるに終に芝居を見ず,茶屋にて料理の事もなし,悪しき所は云ふに及ばず,すなをならぬ人々伴はず,万驕りをやめ,倹約をもととす」と記している。<参考文献>宮本又次『鴻池善右衛門』

(宮本又郎)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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