九つ(読み)ここのつ

精選版 日本国語大辞典 「九つ」の意味・読み・例文・類語

ここの‐つ【九つ】

〘名〙
① 一の九倍の数。八の次の数。く。きゅう。また、ものが九あること。九の個数。九個。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「女御のきみの御まへには、ぢんのをしき、おなじきたかつきにすゑてここのつ」 〔名語記(1275)〕
② 第九番目。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「かんだちめ、みこたち、かたわきてくらべたまふ。〈略〉六、右かつ。ななつ、左かつ。八、右かつ。九、左かつ」
③ 年齢の呼び方で、九歳。
※土左(935頃)承平五年一月二二日「としここのつばかりなるをのわらは、としよりは幼くぞある」
④ 現在の午前一二時頃または午後一二時頃。また、その前後おおよそ各一時間。一説に、後二時間とも。江戸時代、子(ね)正刻正子)と午(うま)の正刻(正午)に時の鐘を九つ打ったところから、この呼称が生じた。前者を暁九つ、後者を昼九つといった。ここのつどき。ここのとき。
※車屋本謡曲・籠太鼓(1466頃)「ここのつの夜半にも成りたりや」
⑤ 十中の九。ほとんど確かなこと。
洒落本・大通秘密論(1778)菅原廓落「日かげの身となれば、またあふ事もならぬは九つ、死んだと聞たら、水の一ぱひも手向けて下さい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「九つ」の意味・読み・例文・類語

ここの‐つ【九つ】

数の名。八の次、とおの前の自然数。く。きゅう。9個。また、9歳。
昔の時刻の呼び名。九つ時の刻(午前零時)また、うまの刻(午後零時)のこと。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つとお

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android