B型肝炎(読み)ビーガタカンエン

共同通信ニュース用語解説 「B型肝炎」の解説

B型肝炎

主に血液や体液を通じて感染するウイルス性の肝臓病。1948年から88年に実施された集団予防接種の注射器使い回しで感染したとして、患者や遺族が国に損害賠償を求める集団訴訟が相次いだ。最高裁が2006年、国の過失責任を認め、国は11年に原告側と基本合意を結んで謝罪。12年に救済目的の特別措置法が施行された。患者は裁判手続きを経て、症状に応じ50万~3600万円の給付金を国から受け取る。潜在的な患者を含め、感染者は40万人以上とみられる。

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百科事典マイペディア 「B型肝炎」の意味・わかりやすい解説

B型肝炎【ビーがたかんえん】

B型肝炎ウイルスによる肝炎。血液を介して感染するため,かつては血清肝炎と呼ばれた。潜伏期は1〜6ヵ月。感染経路は輸血,出産時の母子間感染や夫婦間感染。症状はA型肝炎と同様。一過性感染の場合,急性肝炎の症状が現れて,2〜3ヵ月で治癒するが,ごくまれに劇症肝炎が起こる。持続感染の場合,多く無症候性キャリアとして数十年経過し,のち慢性肝炎となる。治療法も同様であるが,ワクチンが開発された。
→関連項目異種間臓器移植オーストラリア抗原肝炎ワクチン肝癌血清肝炎C型肝炎精子銀行

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家庭医学館 「B型肝炎」の解説

びーがたかんえん【B型肝炎 Hepatitis B】

[どんな病気か]
 おもに血液を介してB型肝炎ウイルスに感染しておこります。ほかの肝炎ウイルスは肝臓の細胞を直接破壊しますが、B型肝炎ウイルスは肝臓に感染し、その結果おこる免疫反応(めんえきはんのう)で肝臓の細胞が破壊されます。A型肝炎と異なり、激しい症状をもたらす劇症肝炎(げきしょうかんえん)に移行したり、急性期を過ぎてから慢性化するのがこの肝炎の特徴です。
 また、感染しても症状が出ないままウイルスが体内に長期間い続ける人がいて、キャリアと呼ばれます。キャリアのなかには数十年後に徐々に慢性肝炎の症状が出てくる例もあり、やっかいな性質をもっています。
 子どものB型肝炎ウイルスは、そのほとんどが、血液中にHBs抗原(こうげん)をもつ、B型肝炎の母親からの母子感染(ぼしかんせん)です。現在では、ガンマ‐グロブリン製剤やワクチンを、出生後すぐに新生児に投与することで、母子感染が防げるようになりました。
[予防]
 B型肝炎ウイルスの母子感染の予防は国家的事業と認められ、1995年からは、HBs抗原陽性の母親から生まれたすべての子どもが、保険診療で感染予防措置を受けられるようになりました(コラムB型肝炎の母子感染の予防法」)。

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妊娠・子育て用語辞典 「B型肝炎」の解説

びーがたかんえん【B型肝炎】

B型肝炎ウイルスが原因で起こる病気で、微熱、食欲不振、全身倦怠感などの症状があります。多くは1か月ほどで治りますが、ときに体内にウイルスがいついてしまうことがあり、これを「持続感染(キャリア)」といいます。母体がキャリアの場合、分娩時に赤ちゃんに感染することがあるため、生後すぐの赤ちゃんに、免疫グロブリンやワクチンを接種します。妊娠中のB型肝炎ウイルス検査も、こうした事態に備えるためです。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「B型肝炎」の意味・わかりやすい解説

B型肝炎
ビーがたかんえん

「B型慢性肝炎」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のB型肝炎の言及

【肝炎】より


【ウイルス性肝炎(急性肝炎,急性ウイルス性肝炎)】
 肝炎の原因となる主要な肝炎ウイルスはA型,B型,C型肝炎ウイルスである。C型はながらくウイルスが分離確認されなかったため,A型,B型肝炎ウイルスを除外した肝炎ウイルスという意味で非A非B型肝炎ウイルスと呼ばれていたが,90年代にウイルスが確認された。その後D~G型も発見されているが,非A非B型の90%はC型である。…

【肝機能検査】より

…この肝炎(A型肝炎)は慢性化することはなく,黄疸が出るころには通常ウイルスは糞中にみつからないけれども,血清中のHA抗体価が上昇してくるので診断できる。HBウイルスは血液を介して感染する(B型肝炎)。乳児期や免疫抑制剤の使用時,また病気などのため免疫不全の状態にあるときに感染した場合には,免疫反応が十分でないためにウイルスはすぐには体から排除されず,感染が持続する。…

※「B型肝炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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