ちゃんぽん(読み)チャンポン

デジタル大辞泉 「ちゃんぽん」の意味・読み・例文・類語

ちゃん‐ぽん

[名・形動]《「攙和」の中国音からか》
2種類以上のものをまぜこぜにすること。また、そのさま。「日本酒ウイスキーちゃんぽんに飲む」「話がちゃんぽんになる」
肉・野菜などをいため、小麦粉唐灰汁とうあくを加えて作った中華風の麺と一緒にスープで煮た長崎の名物料理。
[類語](1混合混じる混ざる混交雑多まぜこぜ交錯折衷

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精選版 日本国語大辞典 「ちゃんぽん」の意味・読み・例文・類語

ちゃん‐ぽん

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 鉦(かね)と鼓(つづみ)、または、三味線と鼓などを合奏すること。また、それをする者。その音のするさま。
    1. [初出の実例]「ちゃんほんへかして大家はあきれはて」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一(1761)八月五日)
  3. ( 形動 ) はっきり異なる二種以上のものをまぜこぜにすること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「首を縊って身投げだ。死目ちゃんぽんに張った仏だ」(出典:歌舞伎・鬼若根元台(1825)本所源平橋の場)
    2. 「ホワイト・ホース・ウィスキー、日本酒などちゃんぽんに飲み」(出典:夢声戦争日記〈徳川夢声〉昭和一七年(1942)三月二二日)
  4. ( 形動 ) 交互にすること。かわるがわるになるさま。
    1. [初出の実例]「何時でも下馬一枚を、棒組とちゃんぽんで」(出典:人情本・契情肝粒志(1825‐27)二)
  5. ( 形動 ) 双方が相等しいこと。相殺(そうさい)すること。また、そのさま。〔大日本国語辞典(1915‐19)〕
  6. 肉・野菜などいろいろの材料をいっしょに入れて煮込んだ中華そば。長崎ちゃんぽんが名高い。
    1. [初出の実例]「かういふ町の中へ、長崎の人間の多いのを目当てに、チャンポン屋なども出来る」(出典:素足の娘(1940)〈佐多稲子〉七)

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日本の郷土料理がわかる辞典 「ちゃんぽん」の解説

ちゃんぽん


小麦粉で作る、「ちゃんぽん麺」「ちゃんぽん玉」と呼ばれる独特の極太の麺を用いた具だくさんの汁麺。肉・魚介類・野菜など、おおむね10種類ほど、時にはそれ以上の具材をラードで炒め、そこへスープを注ぎ、麺を別にゆでずに直接入れて煮る。長崎の郷土料理だが一般に普及している。◇1899(明治32)年に創業した中華料理店「四海樓」の陳平順(ちんへいじゅん)が創案したとされる。一般的にこの語は料理をいうが、生麺を販売する際に表示する品名としても用いられる。「生めん類の表示に関する公正競争規約施行規則」によれば、中華麺は「チャンポン」と表示することができ、実際太い中華麺をそのように表示することもある。ただし長崎では鹹水(かんすい)ではなく「唐あく」という炭酸ナトリウム主体とする添加物を用いて独特の食感を持たせた麺を用いることが多く、また上規則によれば、長崎県内で製造され、唐あく水を用いたものでなければ「長崎チャンポン」と表示することはできない。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ちゃんぽん」の解説

ちゃんぽん

小麦粉で作る、「ちゃんぽん麺」「ちゃんぽん玉」と呼ばれる独特の極太の麺を用いた具だくさんの汁麺。肉・魚介類・野菜など、おおむね10種類ほど、時にはそれ以上の具材をラードで炒め、そこへスープを注ぎ、麺を別にゆでずに直接入れて煮る。長崎の郷土料理だが一般に普及している。◇1899(明治32)年に創業した中華料理店「四海樓」の陳平順(ちんへいじゅん)が創案したとされる。一般的にこの語は料理をいうが、生麺を販売する際に表示する品名としても用いられる。「生めん類の表示に関する公正競争規約施行規則」によれば、中華麺は「チャンポン」と表示することができ、実際太い中華麺をそのように表示することもある。ただし長崎では鹹水(かんすい)ではなく「唐あく」という炭酸ナトリウムを主体とする添加物を用いて独特の食感を持たせた麺を用いることが多く、また上規則によれば、長崎県内で製造され、唐あく水を用いたものでなければ「長崎チャンポン」と表示することはできない。

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改訂新版 世界大百科事典 「ちゃんぽん」の意味・わかりやすい解説

ちゃんぽん

長崎の名物料理。ブタ肉,イカ,小エビかまぼこ,ちくわ,たけのこ,シイタケ,キクラゲなどをラードでいためて調味したスープを加え,ゆでた中華めんともやしを入れてさっと煮上げたもの。スープを半量ほどにへらして同じ材料を煮,水溶きした片栗粉とろみをつけて平皿に盛っためんの上にかけたのが〈皿うどん〉である。明治の中ごろ長崎にいた中国人の考案になるという。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ちゃんぽん」の意味・わかりやすい解説

ちゃんぽん

長崎の名物料理。汁の多い麺(めん)料理の一種である。明治30年代に長崎に住む中国人により考案されたものといわれている。麺は長崎特有のちゃんぽん玉という中華麺が用いられる。具はイカ、エビ、かまぼこ、豚肉、もやし、ニンジン、キクラゲ、ネギ、タケノコ、キャベツなどを適宜用いる。適当な大きさに切った具をラードで炒(いた)め、豚骨(とんこつ)でとったスープと堅めにゆでたちゃんぽん玉を入れ、塩、こしょう、砂糖などで調味する。同じく長崎名物の皿うどんに似ているが、皿うどんはスープを少なくしてかたくり粉でとろみをつけ、炒めた中華麺にかける。

[河野友美]


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百科事典マイペディア 「ちゃんぽん」の意味・わかりやすい解説

ちゃんぽん

長崎の名物料理。中華そば風の製法で,うどんのように太めに作った麺(めん)でつくる。中華風スープの中にゆでた麺を入れ,ラードでいためた豚肉,かまぼこ,もやしなどの具を上にのせる。

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世界大百科事典(旧版)内のちゃんぽんの言及

【中国料理】より

…中国伝来の茶と野菜類など枚挙にいとまがない。中国料理の日本化した長崎の卓袱(しつぽく)料理,中国の精進料理に由来する普茶(ふちや)料理ちゃんぽん(福建省出身の華僑陳平順により1899年長崎にて売り出される),とんこつと呼ばれる豚骨付きバラ肉の角煮,正月の雑煮,中国ではすたれた屠蘇(とそ),七草粥,五月の節句の(ちまき)なども中国伝来である。 長崎は日本における華僑発祥の地で,江戸時代すでに清国との交流が深い長崎に貿易商人としての華僑が渡来していた。…

※「ちゃんぽん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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