朝市(読み)アサイチ

精選版 日本国語大辞典 「朝市」の意味・読み・例文・類語

あさ‐いち【朝市】

  1. 〘 名詞 〙 朝方に開く、野菜、魚類などを商う市。
    1. [初出の実例]「亦二朝市一。更無二其益一歟云々」(出典:古事談(1212‐15頃)一)
    2. 「静けさを山ともいはじあさ市の声もさながら立つあらしかな〈三条西実世〉」(出典:千首和歌太神宮法楽(1542)第九)

ちょう‐しテウ‥【朝市】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 朝ひらく市。あさいち。〔日葡辞書(1603‐04)〕 〔周礼‐地官・司市〕
  3. ② 朝廷、また政府や官庁のある中心と市場、まちなか。人の多く集まる所。市中。転じて、俗世間。市朝。
    1. [初出の実例]「遂乃、朝市栄華、念念厭之、巖藪煙霞」(出典:三教指帰(797頃)序)
    2. [その他の文献]〔白居易‐中隠詩〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「朝市」の意味・わかりやすい解説

朝市
あさいち

生産者と消費者とが一定の場所に集まって交換取引をするのが市であるが、市には酉(とり)の市、凧(たこ)市、朝顔市など特定の市があり、定期の日を決めた四日市、五日市などもある。朝市は毎日、朝のうちだけ開かれる市である。日常的な性格をもつところが、宗教性の濃い歳(とし)の市、盆市などとは異なる。農村や漁村から新鮮な生産物を生産者自らが、購買力のある近くの町場に持ち寄るところが特色。秋田県横手市、由利本荘(ゆりほんじょう)市、山形県鶴岡(つるおか)市温海(あつみ)、千葉県館山(たてやま)市、岐阜県高山市、石川県輪島市など朝市で知られる所は多い。高山や輪島は観光的にも著名で、市の魅力の一つは古風な習俗が残存しているところにもある。

[萩原秀三郎]

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