出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長野県中南部、上伊那郡(かみいなぐん)の町。伊那盆地北部に位置する。1955年(昭和30)中箕輪町と東箕輪、箕輪の2村が合併して成立。町域の中央を天竜川が貫流し、両岸の平坦(へいたん)な段丘面と西部の木曽山脈東麓(とうろく)の扇状地からなる。段丘面と扇状地の境を西天竜用水路が走り、段丘面は水田地、扇状地は原野や畑作地である。JR飯田(いいだ)線、国道153号(三州街道)、中央自動車道が通じ、伊北(いほく)インターチェンジがある。木下、松島は三州街道の宿駅で、民家の様式に近世のおもかげを残す。諏訪(すわ)地方に近く、近年諏訪の工場が進出し、県内町村では有数の工業出荷額を維持する。箕輪町郷土博物館は、江戸中期の農家や、幕末の生活用具などを収蔵する。東方の萱野(かやの)高原からの伊那谷や南アルプスなどの眺望は壮大である。面積85.91平方キロメートル、人口2万4989(2020)。
[小林寛義]
長野県中央部,上伊那郡の町。人口2万6214(2010)。伊那盆地北部に位置し,中央部を南流する天竜川に沿ってJR飯田線,国道153号線,中央自動車道が並行して走る。中心集落の松島は近世,伊那往還の宿駅であった。東部は大部分が山地であるが,西部は天竜川の河岸段丘面で,昭和初期の西天竜疎水の建設によって水田化された。桑沢川,帯無川,深沢川が東流する用水路西側の緩傾斜地は果樹園や桑園に利用されている。近年は工業団地が造成され,電子・精密機器の工場が進出している。北部の辰野町との町界付近に中央自動車道伊北インターチェンジがある。その近くの無量寺の阿弥陀如来像は重要文化財である。
執筆者:萩原 毅
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