藤原良経(読み)フジワラノヨシツネ

デジタル大辞泉 「藤原良経」の意味・読み・例文・類語

ふじわら‐の‐よしつね〔ふぢはら‐〕【藤原良経】

[1169~1206]鎌倉初期の公卿歌人書家九条兼実の子。摂政・従一位太政大臣となり、後京極殿と称される。歌を俊成に学び、定家の後援者でもあった。書では後京極流の祖。家集秋篠月清あきしのげっせい」。九条良経

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精選版 日本国語大辞典 「藤原良経」の意味・読み・例文・類語

ふじわら‐の‐よしつね【藤原良経】

  1. 鎌倉前期の公卿・歌人。忠通の孫で、九条兼実の子。従一位摂政太政大臣に至り、後京極摂政、中御門殿と称された。藤原俊成・定家を後援し、新古今調樹立の基礎を築く「花月百首」「六百番歌合」など多くの歌合を主催して、歌壇の育成に貢献した。「新古今和歌集」の仮名序を執筆し、巻頭歌の作者ともなった。家集に「秋篠月清集」がある。他に漢詩集「詩十体」があったが散逸。漢文日記「殿記」などの記録、「作庭記」「新十二月往来」「除目大成抄」などの編著があり、書道にもすぐれて後京極様といわれた。九条良経。嘉応元~建永元年(一一六九‐一二〇六

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百科事典マイペディア 「藤原良経」の意味・わかりやすい解説

藤原良経【ふじわらのよしつね】

鎌倉初期の歌人,書家。九条兼実の子,藤原忠通の孫で,摂政太政大臣に至る。慈円叔父和歌を藤原俊成に学び,《六百番歌合》を主催するなど,御子左家と強く結びついた歌壇活動を展開,《新古今和歌集撰集にもかかわった。《千載和歌集》以下の勅撰集に多数入集。気品のある歌風を示す。書にもすぐれており,忠通の法性寺流に対して後京極流と呼ばれる。家集に《秋篠月清集》がある。
→関連項目三十六歌仙絵巻源家長日記六百番歌合

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改訂新版 世界大百科事典 「藤原良経」の意味・わかりやすい解説

藤原良経 (ふじわらのよしつね)
生没年:1169-1206(嘉応1-建永1)

平安末~鎌倉初期の廷臣,歌人。摂籙せつろく)家九条兼実の子として生まれ,左大臣を経て従一位摂政太政大臣に昇る。和歌を藤原俊成に学び,建久期前半(1190-97)には,歌壇を主宰して定家ら新風歌人の庇護者となり,《花月百首》や《六百番歌合》を開催。建久7年(1196)の政変により一時籠居したが,のち政界に復帰し,後鳥羽院歌壇においても中心人物として《新古今集》編纂に貢献した。仮名序を執筆し,巻頭歌作者となっている。漢詩を摂取した,独特の清澄高艶の歌風に見るべきものがある。《新古今集》竟宴の翌年,急逝。家集に《秋篠月清(あきしのげつせい)集》があり,《千載集》以下の勅撰集に313首入集。また,書にもすぐれた才能を発揮し,〈後京極流〉の始祖となる。〈般若理趣経〉(仁和寺)や,数通の書状類のほか,〈佐竹本三十六歌仙切〉〈紫式部日記絵巻詞書〉〈豆色紙〉〈和漢朗詠集切〉などの筆跡を残した。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原良経」の解説

藤原良経 ふじわらの-よしつね

九条良経(くじょう-よしつね)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤原良経」の意味・わかりやすい解説

藤原良経
ふじわらのよしつね

九条良経

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤原良経」の意味・わかりやすい解説

藤原良経
ふじわらのよしつね

九条良経」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の藤原良経の言及

【秋篠月清集】より

藤原良経の自撰家集。4巻。…

【源氏物語】より

…《源氏物語》以降の物語が《栄華物語》のような歴史物語をも含めて,すべてその強大な影響力を受けていることは今さらいうまでもなく,特に鎌倉時代の擬古物語では,用語の末々まで模していることが多い。歌壇もまたその影響は免れず,平安末期には〈源氏に寄する恋〉という歌題ができて多くの歌が詠まれており,藤原俊成の〈源氏見ざる歌よみは遺恨の事なり〉とか藤原良経の〈紫式部が源氏,白氏が文集,身に添へぬ事はなし〉などの賛辞が続いた。こうした人々の中から〈物語沙汰する人〉,つまり研究者が現れた。…

【後京極流】より

…日本書道の流派の一つ。後京極殿とは鎌倉時代の摂政太政大臣で詩歌その他諸芸に通じ書道に名を得た藤原(九条)良経(1169‐1206)の呼称であり,彼を祖とする。しばしば絵巻の詞書を書くのに用いられた角の顕著なかたい書風。…

【除目大成抄】より

…10巻。後京極摂政とよばれた藤原(九条)良経(1169‐1206)が類聚。年々の大間書(おおまがき)(欠員の官を列記し,除目のときに任官者を記入する文書)を集めて,例えば年給,成功(じようごう),官司等の挙奏,巡任,兼国など任官の事由によって詳細に分類したもの。…

【六百番歌合】より

…1193年(建久4)秋より左大将藤原良経邸で披講された歌合で,完成は翌年か。《後京極殿百首歌合》《左大将家百首歌合》ともいう。…

※「藤原良経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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