逃げる(読み)ニゲル

デジタル大辞泉 「逃げる」の意味・読み・例文・類語

に・げる【逃げる】

[動ガ下一][文]に・ぐ[ガ下二]
捕まらないように、追って来るものの力の及ばない所に身を置く。「犯人は盗難車で―・げたらしい」「一目散に―・げる」
自由のきかない所や危険から抜け出して、去る。「ライオンおりから―・げる」「命からがら―・げる」
面倒なこと、いやなことから積極的に遠ざかろうとする。直面するのを回避する。「やっかいな仕事から―・げる」「―・げないで真っ向から勝負する」
運動競技で、首位を行く者が、後続する者に追いつかれないで勝つ。「先行したままゴールまで―・げる」
からだが望ましい構えから後方へ引いた状態になる。ひける。「腰が―・げている」
室内・容器の中の気体や味などが、そのまま保たれないで外へ出てしまう。「熱が―・げる」「土鍋はさめにくい上に風味も―・げない」
[用法]にげる・のがれる――「命からがら逃げる(のがれる)」のように、好ましくない事物から遠ざかる意の場合は相通じて用いられる。◇「逃げる」には、相手につかまらないように、またつかまっている場から抜け出して去る意がある。「警官の姿を見てスリは逃げた」「手錠のまま逃げた犯人」◇「のがれる」は「逃げる」の文章語であり、危険な状態や不快な思いから離れる意がある。「都会騒音からのがれる」「危うく難をのがれる」◇「逃げる」「のがれる」はともに面倒なことにかかわらないで避けようとする意がある。助詞「を」をとる場合は、「責任をのがれる」「災いをのがれる」のように「のがれる」を使う。
[類語]逃れる免れる逃げ出す逃げ去る逃げ込む逃げ回る逃げ迷う逃げ惑う逃げ延びる落ち延びる逃げ切るずらかる後ろを見せる逃走遁走逃亡逃避亡命

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「逃げる」の意味・読み・例文・類語

に・げる【逃・迯】

  1. 〘 自動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]に・ぐ 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙
  2. つかまらないように走って去る。危険を避けてのがれる。また、自分にとって具合の悪い場所から抜け出て遠くに去る。のがれる。
    1. [初出の実例]「朕、幼年に在て、亡逃(ニケ)て自ら匿(かく)れたり」(出典日本書紀(720)顕宗元年二月(図書寮本訓))
  3. 面倒なことに近づかないようにする。関係することから身をかわす。避ける。
    1. [初出の実例]「なにの御用とも覚えねども、そそろき、にぐべき御人からならねば候に」(出典:とはずがたり(14C前)一)
  4. 本来そこにあってほしい場所から遠くに去ったり、失せたりする。「チャンスが逃げる」
    1. [初出の実例]「彼は気が挫(くじ)けて四肢の張りが逃げて行ってしまひさうに感じた」(出典:流星(1924)〈富ノ沢麟太郎〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「逃げる」の解説

逃げる

米国の作家エド・マクベインの短編集(2000)。原題《Running from Legs and Other Stories》。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android