デジタル大辞泉
「遅れる」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おく・れる【遅・後】
- 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]おく・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 - ① 他のものよりあとになる。ある基準よりおそくなる。
- (イ) 他よりあとになってへだたりができる。
- [初出の実例]「あしたづのひとりおくれて鳴く声は雲の上まできこえつがなん〈大江千里〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九九八)
- (ロ) 人に行かれてあとに残される。先をこされる。いっしょに行かないであとにとどまる。
- [初出の実例]「群鳥(むらどり)の 朝立ち去(い)なば 於久礼(オクレ)たる 我(あれ)や悲しき 旅に行く 君かも恋ひむ」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇〇八)
- (ハ) 親しい人に死なれて、自分の死ぬのがあとになる。死におくれる。先立たれる。
- [初出の実例]「命長くて思ふ人々にをくれなば、尼にもなりなむ、海の底にも入りなむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
- (ニ) ある基準の時間や時機よりおそくなる。定まった時刻に間に合わなくなる。
- [初出の実例]「春雨にもえし柳か梅の花ともに於久礼(オクレ)ぬ常の物かも」(出典:万葉集(8C後)一七・三九〇三)
- (ホ) 時勢や流行など物事の進行にとり残される。
- [初出の実例]「早(すみやか)に図(はか)るに非ずは、必ず後(ヲクレ)なむ」(出典:日本書紀(720)崇神一〇年九月(熱田本訓))
- (ヘ) あとから生えた毛髪などが他よりのび方がおそくなる。
- [初出の実例]「いと長き人もひたひ髪は少し短うぞあめるを、むげにをくれたるすぢのなきや、あまりなさけなからむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
- ② 才能、性質などが標準に及ばない。ふつうより劣る。また、官位の進み方が他よりおそくなる。
- [初出の実例]「今ひとりの男は、その同じ帝の母后の御兄末(あなすゑ)にて、つかさおくれたりけり」(出典:大和物語(947‐957頃)二条家本付載)
- ③ ( 多く助動詞「た」「たり」を伴って ) 恐れて気力がなくなる。こわがる。気おくれする。
- [初出の実例]「『ああ、先(まづ)待て待て』『何とおくれたか』」(出典:虎寛本狂言・文山立(室町末‐近世初))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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