進む(読み)ススム

デジタル大辞泉 「進む」の意味・読み・例文・類語

すす・む【進む】

[動マ五(四)]
1 前方に向かって動く。動いて先へ行く。前進する。「一歩―・んで礼をする」「出口に向かって―・む」⇔退く。
2 物事がはかどる。進行する。「仕事が―・む」「研究が―・む」「開発が―・む」
3 盛んになる。勢いがつく。「暑さ続きで食が―・まない」
4 物事の程度・状態が、その度合いを増す。
㋐上達する。進歩・進展する。「世の中が―・む」「先進国の―・んだ技術を学ぶ」
㋑階級・段階が上がる。昇級・昇進する。「管理職まで―・む」「中学に―・む」「決勝戦に―・む」
㋒病状などが悪くなる。悪化する。ひどくなる。「近視が―・む」「インフレが―・む」「自然破壊が―・む」
5 めざす方向に行く。ある分野で身を立てる。志す。「法曹界に―・む」
6 乗り気になる。積極的になる。「気が―・まない」「―・んでつらい仕事を引き受ける」
7 他よりも先を行く。先行する。「―・んだ考えの持ち主」「この時計は日に一分―・む」⇔遅れる。
8 はやり立つ。高ぶる。
「家思ふと心―・むな風かざまもりよくしていませ荒しその道」〈万・三八一〉
9 あふれ流れる。
「涙の―・むをさらぬ体ていにもてなし」〈保元・中〉
[可能]すすめる
[動マ下二]「すす(進)める」の文語形。
[類語](1)向かう・前進する・直進する・突進する・驀進ばくしんする・邁進まいしんする・進行する・進出する・歩を進める・進める/(2)はかどる・運ぶ・進捗しんちょくする・進行する・進展する・はかが行く・軌道に乗る・波に乗る・流れに棹差す・エンジンが掛かる/(4㋐)進歩する・進化する・発展する・発達する・向上する/(4㋑)上がる・昇進する・昇格する・昇級する・進級する・進学する・栄進する・昇任する・栄達する・昇段する・栄転する・出世する・立身する・立身出世する・累進する・特進する・格上げ・利達・成り上がり・成り上がる・身を立てる/(4㋒)高こうずる・進行する・昂進こうしんする・激化する・悪化する・退歩する・退化する・後戻り・冷える

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精選版 日本国語大辞典 「進む」の意味・読み・例文・類語

すす・む【進】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. ① 前方へ動いて行く。前進する。
      1. [初出の実例]「ますらをの すすみ先立ち 踏める足跡(あと)を 見つつしのはむ」(出典:仏足石歌(753頃))
      2. 「是を矢立の初として行道なをすすまず」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立)
    2. ② 自然と時がたつ。また、時とともに人生を送る。
      1. [初出の実例]「年、我より少し進(すすみ)たるをば兄の如くにし」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
    3. ③ 階級、段階があがる。また、次の段階に移る。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
      1. [初出の実例]「つかさ、くらゐはややすすみてさへこそ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
      2. 「優勝戦にまで進んだようである」(出典:三とせの春は過ぎやすし(1973)〈杉浦明平〉二)
    4. ④ 物事がよい方に移る。上達する。進歩する。すぐれる。
      1. [初出の実例]「才学といふもの、世にいと重くする物なればにやあらむ、いたうすすみぬる人の、命とさいはひとならびぬるは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
      2. 「アメリカの暗号が一番進んでいた」(出典:春の城(1952)〈阿川弘之〉二)
    5. ⑤ 仕事や計画がはかどる。
      1. [初出の実例]「こっちの仕事は一向進みません」(出典:古い玩具(1924)〈岸田国士〉第二場)
    6. ⑥ 物事の程度がはなはだしくなる。つのる。また、病気などが進行する。
      1. [初出の実例]「なかずみがゑひこそすすみて侍けめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
      2. 「もう左肺がありませんし、それに右も、もう余程進んでをります」(出典:春は馬車に乗って(1926)〈横光利一〉)
    7. ⑦ 早くしたいと心がはやる。また、積極的にそうしようとする。→進んで。
      1. [初出の実例]「家思ふとこころ進(すすむ)な風守り好くしていませ荒しその路」(出典:万葉集(8C後)三・三八一)
      2. 「心もすすまぬ道心をおこしければ」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)一)
    8. ⑧ 盛んになる。勢いがつく。特に、食欲が出る。
      1. [初出の実例]「思かたの風さへすすみて、あやふきまで走りのぼりぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
      2. 「此計にてはいか程も飯(めし)がすすむゆえ」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)一)
    9. ⑨ (涙が)次々とあふれて出てくる。
      1. [初出の実例]「涙さへいづちとさきにすすむらん我だにゆくへ知らぬところに」(出典:浜松中納言物語(11C中)四)
    10. ⑩ 仕官する。出仕する。
      1. [初出の実例]「召しにすすみて侍りし」(出典:弁内侍日記(1278頃)寛元五年一一月一八日)
    11. ⑪ 時計が、正しい時刻よりも早まる。
      1. [初出の実例]「この時計は十分位進んで居たなと余は思った」(出典:東京灰燼記(1923)〈大曲駒村〉二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒すすめる(進)

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