デジタル大辞泉
「進む」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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すす・む【進】
- [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
- ① 前方へ動いて行く。前進する。
- [初出の実例]「ますらをの すすみ先立ち 踏める足跡(あと)を 見つつしのはむ」(出典:仏足石歌(753頃))
- 「是を矢立の初として行道なをすすまず」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立)
- ② 自然と時がたつ。また、時とともに人生を送る。
- [初出の実例]「年、我より少し進(すすみ)たるをば兄の如くにし」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
- ③ 階級、段階があがる。また、次の段階に移る。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
- [初出の実例]「つかさ、くらゐはややすすみてさへこそ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
- 「優勝戦にまで進んだようである」(出典:三とせの春は過ぎやすし(1973)〈杉浦明平〉二)
- ④ 物事がよい方に移る。上達する。進歩する。すぐれる。
- [初出の実例]「才学といふもの、世にいと重くする物なればにやあらむ、いたうすすみぬる人の、命とさいはひとならびぬるは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
- 「アメリカの暗号が一番進んでいた」(出典:春の城(1952)〈阿川弘之〉二)
- ⑤ 仕事や計画がはかどる。
- [初出の実例]「こっちの仕事は一向進みません」(出典:古い玩具(1924)〈岸田国士〉第二場)
- ⑥ 物事の程度がはなはだしくなる。つのる。また、病気などが進行する。
- [初出の実例]「なかずみがゑひこそすすみて侍けめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
- 「もう左肺がありませんし、それに右も、もう余程進んでをります」(出典:春は馬車に乗って(1926)〈横光利一〉)
- ⑦ 早くしたいと心がはやる。また、積極的にそうしようとする。→進んで。
- [初出の実例]「家思ふとこころ進(すすむ)な風守り好くしていませ荒しその路」(出典:万葉集(8C後)三・三八一)
- 「心もすすまぬ道心をおこしければ」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)一)
- ⑧ 盛んになる。勢いがつく。特に、食欲が出る。
- [初出の実例]「思かたの風さへすすみて、あやふきまで走りのぼりぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
- 「此計にてはいか程も飯(めし)がすすむゆえ」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)一)
- ⑨ (涙が)次々とあふれて出てくる。
- [初出の実例]「涙さへいづちとさきにすすむらん我だにゆくへ知らぬところに」(出典:浜松中納言物語(11C中)四)
- ⑩ 仕官する。出仕する。
- [初出の実例]「召しにすすみて侍りし」(出典:弁内侍日記(1278頃)寛元五年一一月一八日)
- ⑪ 時計が、正しい時刻よりも早まる。
- [初出の実例]「この時計は十分位進んで居たなと余は思った」(出典:東京灰燼記(1923)〈大曲駒村〉二)
- [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒すすめる(進)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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