デジタル大辞泉
「黄泉」の意味・読み・例文・類語
よみ‐じ〔‐ぢ〕【黄=泉/黄=泉路】
黄泉の国へ行く道。冥土への道。また、黄泉。「―へ立つ」「―の障り」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こう‐せんクヮウ‥【黄泉】
- 〘 名詞 〙 ( 中国で、「黄」は地の色にあてるところから )
- ① 地下の泉。
- [初出の実例]「排二碧落一、掀二黄泉一」(出典:頼山陽詩集(1832)一九・茶山老人竹杖歌)
- [その他の文献]〔孟子‐滕文公・下〕
- ② 地面の下にあり、死者が行くといわれる所。仏教でいう地獄(罪業のある者だけが行く)とは元来は別のものであるが、のちに、特に日本では、混同されるようになった。あの世。よみじ。冥土(めいど)。
- [初出の実例]「慎(ゆめ)黄泉の事を妄(みだり)に宣べ伝ふること勿れ」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
- [その他の文献]〔春秋左伝‐隠公元年〕
よみ‐じ‥ぢ【黄泉・黄泉路】
- 〘 名詞 〙
- ① 黄泉(よみ)へ行く道。冥土へ行く道。
- [初出の実例]「よみぢも安くもまかるまじく、よろづの所の関となる心地し侍るを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
- ② =よみ(黄泉)
- [初出の実例]「四手の田長の一声も、誰がよみぢをやしらすらん」(出典:光悦本謡曲・鍾馗(1470頃))
よみ【黄泉】
- 〘 名詞 〙 人の死後、その魂の行くという所。死者の住む国。あの世。よみの国。よみ路。よもつ国。よみつ国。こうせん。
- [初出の実例]「生けりとも 合ふべくあれや ししくしろ 黄泉(よみ)に待たむと」(出典:万葉集(8C後)九・一八〇九)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「黄泉」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の黄泉の言及
【地獄】より
…一般に,墓地の情景や死体の腐乱過程との連想から生みだされたものだが,超常的な観念や表象によって作りだされた場合もある。〈地獄〉の語はもとサンスクリットに由来し,のちに仏教とともに中国に輸入されると,泰山府君の冥界観と結びついて十王思想を生みだし,さらに日本に伝えられると,記紀神話に描かれる[黄泉国](よみのくに)や[根の国]の考え方と接触融合して独自の地獄思想を生みだした。地獄の観念に共通にみられる特色は因果応報や,受苦と審判の思想である。…
【冥府】より
…死後におもむく他界の一つ。冥界,黄泉(よみ)などともいい,英語のhellがこれに相当する。冥府観は,民族により,宗教によって多様であるが,本項では日本への影響の大きかった中国のものについて記述する。…
【黄泉国】より
…〈ヨミ〉は〈ヤミ(闇)〉や〈ヤマ(山)〉と類義の語。また〈黄泉〉は漢語で〈黄〉は土の色を表し〈地下にある泉〉の意で死者の国をいう。《古事記》によると,伊邪那岐(いざなき)命は死んだ伊邪那美(いざなみ)命を呼びもどそうとして黄泉国へと赴くが,〈視るな〉の禁を犯してイザナミを視ると肉体は腐乱し蛆(うじ)がたかっている。…
※「黄泉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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