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がんの治療法 がんのちりょうほう

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家庭医学館の解説

がんのちりょうほう【がんの治療法】

◎がんはどこまで治るか
◎どんな治療法があるか

◎がんはどこまで治るか
●がん5年生存率
 がんの治療成績は、近年、めざましく向上していますが、その要因には、早期発見法が確立されたことにより、がんの種類、位置が正確に診断できるようになったことと、治療法の進歩があげられます。
 がんは、早期に発見し早期治療を行なえば治りやすいことは常識になっています。
 施設によってちがいはありますが、胃がん、大腸(だいちょう)がん、乳がん、子宮(しきゅう)がんなど早期治療による5年生存率は、いずれも90%を超えています。
 がんが治ったかどうかの目安になる生存率は、治療後5年以上たつと再発はほとんどみられず、生存率はほぼ横ばいになる傾向があるので、5年生存率が用いられています。
 おもながんの5年生存率は、表「おもながんの5年生存率」のようになっています。
●治りやすいがんと治りにくいがん
 同じ病期(がんの進行の程度と広がり)のがんでも、がんの種類や治療法のちがいなどによって、治りやすいがんと治りにくいがんがあります。たとえば、からだの表面近くにできる乳がん、子宮がん皮膚がんなどは発見しやすく、治療も比較的簡単ですが、深部にできる脳腫瘍(のうしゅよう)、膵(すい)がん、肝(かん)がん、胆嚢(たんのう)がんなどは、発見が遅れやすく、治療もむずかしいがんです。
 また、がん細胞を組織の型からの分類でみると、未分化(みぶんか)がんは進行が早かったり転移(てんい)しやすいなど悪性度が高く、治療成績も劣ります。ところが、化学療法は、未分化がんより悪性度は低いとされる扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんや腺(せん)がんに比べ、かえってよく効きます。
 このように、がんは、どの臓器に発生したかよりは、どの組織型に属するかによって治療法が選択されることが多いのです。同じ臓器のがんでも、どの組織型のがんかで、中心となる治療法には手術がよいか、化学療法がよいかがちがってきます。
 そのため、治療前に、がんの病期やがんの種類が画像診断病理組織検査によって正確に診断され、治療方針が決定されます。

◎どんな治療法があるか
●局所療法と全身療法
 がんの治療方法は、がんの広がりや転移の状態によってちがってきますが、大きく、局所療法と全身療法に分けられます。
①局所療法
 がんがからだの一部にとどまり、転移する可能性がない場合に行なわれます。がん病巣を手術などで切除する外科療法(げかりょうほう)(「がんの外科療法」)や、放射線を照射して縮小または消滅させる放射線療法(ほうしゃせんりょうほう)(「がんの放射線療法」)がおもなものです。
 とくに外科療法は、がん病巣を切除するもっとも強力な局所療法として、がん治療の中心となっています。
 このほか、温熱療法(おんねつりょうほう)(「がんの温熱療法(ハイパーサーミア)」)やレーザー療法(りょうほう)(「がんのレーザー療法」)も有力な局所療法です。最近では、動注療法(どうちゅうりょうほう)(「がんの動注療法」)やエタノール注入療法(ちゅうにゅうりょうほう)(コラムエタノール注入療法(PEIT)」)などの新しい治療法も行なわれています。
 また、内視鏡(ないしきょう)を使った治療(内視鏡療法(「がんの内視鏡療法」))も進み、胃や大腸にできたポリープを切除したり、レーザーマイクロ波を出してがん細胞を死滅させる方法が行なわれています。
②全身療法
 白血病などの血液のがんや、全身へ転移している可能性があるがんに対しては、抗がん剤を投与する化学療法(かがくりょうほう)(「がんの化学療法」)が、代表的な治療法です。
 免疫療法(めんえきりょうほう)(「がんの免疫療法」)もよく行なわれています。また、乳がん、卵巣(らんそう)がん、前立腺(ぜんりつせん)がんなど、ホルモンの影響を受けやすいがんには、ホルモン療法(「がんのホルモン療法」)が行なわれています。
 漢方療法(かんぽうりょうほう)(「がんの漢方療法」)も、がん細胞を縮小させ、患者さんの全身状態を改善する効果が見直されています。
集学的治療(しゅうがくてきちりょう)(併用療法(へいようりょうほう))
 がんの治療法はいろいろありますが、どの治療法にも限界があって、どんながんにも単独で効く完全な治療法はありません。がんは全身病的な性格をもつ疾患なので、局所療法だけでは、ごく早期のがんを除き、根治(こんじ)するには不十分です。
 そこで、外科療法に化学療法や放射線療法を加えるというように、複数の治療法を組み合わせそれぞれの限界を補い合うことによって大きな成果があがっています。このように異なった治療法を組み合わせることを、集学的治療といいます。この場合には、それぞれの専門家が知識をもちよってもっとも有効な方法について検討されます。
 たとえば、手術前にすでにリンパ節転移や血行性の転移を生じている可能性が高い乳がんや大腸がんの場合、それを術後に化学療法で根絶する術後補助化学療法(じゅつごほじょかがくりょうほう)や、進行していて根治手術が困難な上顎(じょうがく)がんを、化学療法で縮小してから手術する術前化学療法(じゅつぜんかがくりょうほう)などが成果をあげています。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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