くつくつ

精選版 日本国語大辞典 「くつくつ」の意味・読み・例文・類語

くつ‐くつ

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある。「くっくっ」とも)
① おかしくてたまらず、ひそかに笑う声、また、そのさまを表わす語。おさえきれないで、声をもらして笑うさまを表わす語。「くすくす」より、ややきわだって笑うさまにいう。くつりくつり。
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)下「こらへかねて、くつくつと笑ひ給へば」
② 笑わせようとくすぐるさまを表わす語。こちょこちょ。
※狂言記・子盗人(1700)「さらばちっとわらはしましょ。やあ、くつくつくつ、はあきげんがなをった」
③ たん、せき、鼻汁などが、鼻やのどにつかえて鳴る音を表わす語。また、うがいなどをして口の中でたてる水の音を表わす語。
※宇治拾遺(1221頃)一〇「のどを、くつくつと、くつめくやうに鳴らせば」
不平を言うさまを表わす語。
※古文真宝笑雲抄(1525)七「人の口論するをわくるにはまづ思ふさま非な処を云てくつくつといはせて」
⑤ 物の煮えたつ音を表わす語。
多聞院日記‐永祿一一年(1568)五月二一日「竹の筒に入て、赤石を焼てそのあつきを中へ入て、くつくつと云わせて薬をあたためて付は」
⑥ 器などに物を入れ、詰めるのに、ゆるくてすきまのあいているようなさまを表わす語。〔俚言集覧(1797頃)〕
口中でひそかにつぶやいたり泣いたりする声、またそのさまを表わす語。
※詩学大成抄(1558‐70頃)六「詩を吟じて面白句をつくらうとでくつくつと案じて」
⑧ 物の上を強くこするさまを表わす語。くっくと。
宗湛日記(茶道古典全集所収)‐天正一四年(1586)一二月二七日(張紙)「筅を本処に置、巾を取、左にて湯をすて、くつくつとふき

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デジタル大辞泉 「くつくつ」の意味・読み・例文・類語

くつ‐くつ

[副]
おかしくてたまらず、押しころすようにして笑う声を表す語。「くつくつ(と)笑う」
物の煮えたつ音を表す語。
火鉢小鍋が―煮える」〈三重吉山彦
ふざけてくすぐるさま。こちょこちょ。
「さらば、ちと笑はしましょ。やあ、―くつ」〈続狂言記・子盗人〉
たんなどがのどにつかえて鳴る音を表す語。
「のどを―と、くつめくやうにならせば」〈宇治拾遺・一〇〉
[類語]くすくすくすりにこにこにっこりにこりにこやかにたにたにたりにやにやにやりにんまり莞爾かんじくっくっとうふふえへらえへらえへへいひひあははにかっとからから薄笑い忍び笑い盗み笑い嘲笑ちょうしょう冷笑嗤笑ししょうあざ笑う薄笑うせせら笑う鼻で笑う

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普及版 字通 「くつくつ」の読み・字形・画数・意味

】くつくつ

動くさま。

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【屈】くつくつ

屈する。

字通「屈」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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