精選版 日本国語大辞典 「くつくつ」の意味・読み・例文・類語
くつ‐くつ
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある。「くっくっ」とも)
① おかしくてたまらず、ひそかに笑う声、また、そのさまを表わす語。おさえきれないで、声をもらして笑うさまを表わす語。「くすくす」より、ややきわだって笑うさまにいう。くつりくつり。
② 笑わせようとくすぐるさまを表わす語。こちょこちょ。
※狂言記・子盗人(1700)「さらばちっとわらはしましょ。やあ、くつくつくつ、はあきげんがなをった」
※宇治拾遺(1221頃)一〇「のどを、くつくつと、くつめくやうに鳴らせば」
④ 不平を言うさまを表わす語。
※古文真宝笑雲抄(1525)七「人の口論するをわくるにはまづ思ふさま非な処を云てくつくつといはせて」
⑤ 物の煮えたつ音を表わす語。
⑥ 器などに物を入れ、詰めるのに、ゆるくてすきまのあいているようなさまを表わす語。〔俚言集覧(1797頃)〕
⑦ 口中でひそかにつぶやいたり泣いたりする声、またそのさまを表わす語。
※詩学大成抄(1558‐70頃)六「詩を吟じて面白句をつくらうとでくつくつと案じて」
⑧ 物の上を強くこするさまを表わす語。くっくと。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報