サンダーランド(読み)サンダーランド[はく](その他表記)Sunderland, Robert Spencer, 2nd Earl of

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンダーランド」の意味・わかりやすい解説

サンダーランド(伯)
サンダーランド[はく]
Sunderland, Robert Spencer, 2nd Earl of

[生]1641.9.5. パリ
[没]1702.9.28. ノーサンプトンシャー,オールソープ
イギリス貴族,政治家。初代伯ヘンリー・スペンサーの子。母は,詩人 E.ウォラーの恋人で,作品『サカリッサ』のモデルであるドロシー。 1643年父の爵位を継ぐ。 71~73年マドリード,パリなどへの特命大使。 79年金で国務卿の地位を手に入れたが,81年王位継承排除法案を支持して解任された。ホイッグ党との関係を否認し,ヨーク公 (のちのジェームズ2世 ) への支持を誓って,83年復職。 85年カトリック教徒ジェームズ2世の即位後はカトリックに改宗し,審査法の撤廃問題や七主教裁判事件などで常に王を支持して有力側近者の地位を保ったが,名誉革命の際女装してオランダに亡命。この地で再び新教に改宗し,ウィリアム3世に手紙で自己弁護したのち帰国し,王に仕えてホイッグ党単独政府の任命などを進言。 97年宮内卿に任命されたが,議会と国民の非難と反感を受けて辞任。当代最大の無節操な政治家とされている。

サンダーランド
Sunderland

イギリスイングランド北東部,タイン・ウィア地域南東部の都市。周辺を含めてサンダーランド地区を構成する。ニューカッスルアポンタインの南東約 15km,北海に臨む港湾都市で,ウィア川河口に位置する。674年川の北岸に修道院が建設されたことに始まる町で,中世初期には塩と魚の取り引きを行なう港町であったが,17世紀ウィア川河谷の炭田の開発に伴ってその積出港として急速に発展。その後造船業発達し始め,18世紀半ばにはイギリス有数の造船業中心地となり,ガラス製品,陶器などの製造も行なわれた。造船,船舶修理を偏重した産業構造は,1930年代の大不況時に大量の失業を招いたため,その後工業の多角化がはかられ,サウスウィック工業団地,ヘンドン工業団地が建設された。20世紀後半には採炭や造船業は消滅し,自動車,サービス業などが重要な産業になっている。北海沿岸にはローカー,シーバーンの海浜保養地がある。地区面積 135km2。地区人口28万2700(2004推計)。都市人口 18万2974(2001)。

サンダーランド(伯)
サンダーランド[はく]
Sunderland, Charles Spencer, 3rd Earl of

[生]1674
[没]1722.4.9. ロンドン
イギリスの貴族,政治家。2代伯ロバート・スペンサーの子。 1695年下院議員となり,熱烈なホイッグ党員として台頭。 1700年マールバラ (公)の娘アンと結婚。 02年3代伯を継ぐ。 06年国務卿に任じられたが,トーリー党や国教会右派に嫌われ,10年辞職に追いやられた。アン女王の晩年からハノーバー家と連絡を取って同王朝の実現に尽し,12年アイルランド総督,15年国璽尚書。 17年 R.ウォルポールを失脚させ,代って大蔵長官として政治の実権を握ったが,南海泡沫事件で会社との関係を疑われ,21年辞任。少年時代から古書に関心をもち,膨大な古書収集家としても知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンダーランド」の意味・わかりやすい解説

サンダーランド
さんだーらんど
Sunderland

イギリス、イングランド北東部、タイン・アンド・ウェア大都市県にある都市。人口28万0807(2001)。ウェア川の河口に港を有し、北海に臨む工業・港湾都市。古くはウェアマスWearmouthとよばれた。上流に炭田を控え、14世紀に早くも造船業と石炭積出しで知られた。19世紀はその最盛期で、石炭積出し港および世界一の造船工業地として繁栄を謳歌(おうか)した。今日でも造船業は重要であるが、機械、ガラスなど業種の多様化が進んだ。港からは石炭にかわって工業製品を積み出し、原料を輸入する。

[久保田武]

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百科事典マイペディア 「サンダーランド」の意味・わかりやすい解説

サンダーランド

英国,イングランド北東部,ウィア川河口にあり,北海に臨む港湾都市,工業都市。古名はウィアマス。674年ウィア川北岸にベネディクト会の修道院が建てられ,中世以後都市として発達。ダーラム炭田の石炭積出港として知られ,造船を主体に製紙,化学,陶器などの工業が行われる。17万8000人(2001)。

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