ベヨネース列岩(読み)ベヨネースれつがん(英語表記)Bayonnaise Rocks

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベヨネース列岩」の意味・わかりやすい解説

ベヨネース列岩
ベヨネースれつがん
Bayonnaise rocks

東京都伊豆諸島南方にある岩礁群。ベヨネイズ列岩ともいう。面積 0.01km2。植物の生育しない岩礁で,渡り鳥の休息地。周辺は黒潮が流れ,カツオの好漁場。ベヨネース列岩の東側の海底には直径約 8kmの海底カルデラ火山(→海底火山カルデラ)があり,ベヨネース列岩はその外輪山の西縁にあたる。活火山で,1946年の噴火では高さ 100mの島を生じたがまもなく沈下した。この海底カルデラ火山の東側,ベヨネース列岩から約 10kmに海底複式火山の中央火口丘である明神礁がある。明神礁は 1952年に海底噴火し,調査中の海上保安庁水路部観測船『第5海洋丸』が遭難,31人が死亡した。1970年まで断続的に噴火,1971年以後も周辺の海水が白く濁るなど,火山活動の兆候を示している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベヨネース列岩」の意味・わかりやすい解説

ベヨネース列岩
べよねーすれつがん
Bayonnaise Rocks

伊豆諸島青ヶ島南方約60キロメートル(北緯31度55分、東経139度55分)にある、玄武岩質で最高約10メートルの3個の岩礁と数個の小礁。東京都八丈支庁管内。1846年(弘化3)フランス軍艦バイヨネーズが発見、命名した。1952~1953年(昭和27~28)に東北東約8キロメートルに出没した新火山島、明神礁(みょうじんしょう)(石英安山岩)を中央火口丘の一つとする、二重式海底火山のカルデラの西縁にあたる。ベヨネース岩礁とか、ハロース波浪の巣の意)ともよばれる。接岸は至難だが、1953年10月5日、アメリカの海洋観測船ベアード号の調査団長がゴムボートで岩石採取に成功し、日本へも寄贈された。

諏訪 彰]

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