まっする

精選版 日本国語大辞典 「まっする」の意味・読み・例文・類語

まっ・する

〘他サ下二・サ変〙 (「まらする」の変化した語)
① =まらする(二)①
狂言記・吟聟(1660)「はてさてよふこそおりゃったれ。おすへてまっせう」
② =まらする(二)②
※虎清本狂言・蟹山伏(室町末‐近世初)「いや、みみが、もちぎれまっする、もちぎれまっする」
[補注](1)室町時代末ごろに「まらする」が「ます」に転ずる際の中間語形という。しかし、抄物などで「まらする」「まいする」は数多く見られ、また「ます」も散見される一方で、「まっする」は方言資料では見いだされるものの、文献上の用例はきわめて少ない。
(2)「まらする(一)」に当たる、自立動詞としての「まっする」の確例は見当たらない。また、連用形に「まっし(て)」の形も考えられるが、この例も見当たらない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「まっする」の意味・読み・例文・類語

まっ・する

[動サ下二・動サ変]《「まらする」の音変化》補助動詞として、動詞の連用形に付いて用いられる。
謙譲の意を表す。…してあげる。
「おお、知りやらずは、をすへて―・せう」〈狂言記・鹿狩
丁寧の意を表す。…ます。
「いや耳が、も、ちぎれ―・する」〈虎清狂・蟹山伏

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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