コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

キリスト教文学 キリストきょうぶんがく

3件 の用語解説(キリスト教文学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キリスト教文学
キリストきょうぶんがく

キリスト教は西洋文学に広く深く浸透しており,各種各様のキリスト教文学が見出されるが,まずあげるべきはキリスト教の原典である旧約・新約聖書である。両者は信仰と結びついて広大な文学的影響を与えてきた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

キリストきょうぶんがく【キリスト教文学】

イエス・キリストの死後,はやくも1世紀の半ばから,使徒たちの布教活動にともない,ローマおよび帝国の西半へもキリストの信仰は浸潤していったが,その伝道者はギリシア語を常用する者が多かったので,西方教会でもギリシア語の勢力が強かった。キリスト教文学が最初の1~2世紀間もっぱらギリシア語によっていたのは,このような事情にもよるものである。しかしラテン語使用の端を開いた雄弁家テルトゥリアヌスより以前に,ラテン語訳聖書《ウルガタ》の原型,いわゆる《イタラ》は始められていたらしい。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キリスト教文学
きりすときょうぶんがく

唯一神による天地創造、人間の神への反逆としての原罪、救世主イエスによる救済、最後の審判への準備としての罪の懺悔(ざんげ)と贖罪(しょくざい)など、信仰の主題を基底に構築される文学。この意味から、神話、歴史、物語、詩、伝記、格言、寓話(ぐうわ)などに満ち満ちている旧約、新約の両聖書、その外典、偽典がまずあげられる。
 2~3世紀には、地中海文化の中心アレクサンドリアのオリゲネスをはじめとするギリシア語の作品、テルトゥリアヌスらによる護教的なラテン語の作品がある。4世紀、生の苦悩と回心を扱うアウグスティヌスの自伝『告白録』はキリスト教文学初期のもっとも重要な作品。同時代のアンブロシウスは賛美歌創始者として知られるが、重要な作品は西欧中世世界の確立まで待たねばならなかった。7世紀末のイギリスのキャドモン、8世紀末のオルレアンのテオドルフは、ともに美しく敬虔(けいけん)な詩を書く。9世紀ドイツの『ヘーリアント』(救世主)は『新約聖書』の意訳として評価される。中世後期になるにしたがって文芸が盛んになり、聖人伝説の代表作として、ヤコブス・デ・ウォラギネの『黄金伝説』(13世紀)、アッシジのフランチェスコの伝記『小さな花』など。またクレチアン・ド・トロアを中心とするアーサー王伝説群は、5世紀末のケルト王アーサーに従う円卓の騎士たちが、最後の晩餐(ばんさん)に用いられた聖杯を探求する主題で、騎士の行動はキリスト教精神に裏づけられた。この説話群は、15世紀イギリスのトマス・マロリーにより『アーサー王の死』として集大成された。神秘主義的作品としてはドイツのエックハルト、スペインのクルス(サン・ファン)、イギリスのノリッジのジュリアンの作品が優れ、後世への影響は著しい。演劇では、教会の儀式的な対話的交唱から、死、友情、知識などを擬人化した道徳劇(モラリティーズ)、聖ニコラスらが主人公の奇跡劇(ミラクルズ)、天地創造から最後の審判に至る重要場面を職人組合が演じる聖書劇(ミステリーズ)などと多様化して民衆に宗教的慰撫(いぶ)と娯楽を与えた。ドイツのオーバーアマーガウで1634年以来10年ごとに村人によって行われる受難劇はこの系譜に連なる。
 中世からルネサンス期の間、最高の作品は、フィレンツェ出身のダンテの『神曲』で、構想のスケールは時代に卓越している。またトマス・ア・ケンピスの信仰告白の書『キリストに倣いて』は聖書に次ぐ影響力を長く保持した。
 ヨーロッパ中世文学は、キリスト教の敬虔主義を母胎としたが、ヒューマニズム、宗教改革を経て16世紀以降急速に世俗化の傾向をたどる。この時期傑出した作品としてミルトンの叙事詩『失楽園』があげられる。『創世記』に取材し、人間の自由意志を中心テーマとする作品で、イギリス・キリスト教文学の金字塔と目される。その周辺にはダン、ハーバートら聖職者による形而上詩(けいじじょうし)が群がり、ダンやアンドルーズらによる説教と相まって、新しい宗教文学が開拓された。フランスではパスカルが『パンセ』によって神との対決のなかに絶対的真理を求める人間の苦悩を浮き彫りにし、その影響は現代に至るまで著しい。自己の魂の救いを求めるのに、カトリックでは、教会を中心に集団的慣習のなかに身を置く。それに対してプロテスタントでは、個の自覚において自己を厳しく律していく、という相違点があり、後者の文学的典型として誘惑に負けず孤独な旅をするバニヤンの『天路歴程』の主人公クリスチャンの姿がある。理性の時代といわれる18世紀から、急速に産業革命が進む19世紀にかけては、ワーズワースの詩にみられるような汎神論(はんしんろん)的傾向が強まる。また、唯物論、種の起原に関する新たな問題提起によって、懐疑主義、無神論が台頭し、アーノルドの芸術を宗教の代替とする論まで出るに至った。しかし、この精神的不毛の状況のなかにあって、究極的実在を希求し、神とわれ、われとあなたという根源的関係を、不条理の現実のなかにいかに模索していくか、善・悪・罪・救済とはなにかと根源まで追求していくのが支配的主題となった。ロシアのドストエフスキー、ドイツのリルケ、ベル、フランスのモーリヤック、ベルナノス、カミュ、イギリスのT・S・エリオット、チェスタートン、G・グリーン、ウォー、アメリカのディキンソン、メルビル、近代ギリシアのカザンザキスらの作家、詩人により、これらの主題が多様に追求された。
 わが国では1873年(明治6)の信仰解禁以後日が浅く、キリスト教信徒は少ないが、内村鑑三(かんぞう)、賀川豊彦(かがわとよひこ)を経て、第二次世界大戦後は、遠藤周作、曽野綾子(そのあやこ)、三浦綾子、田中澄江(すみえ)、椎名麟三(しいなりんぞう)、島尾敏雄(としお)、小川国夫、鷲巣繁男(わしずしげお)らの作家たちの活躍が注目される。[船戸英夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

キリスト教文学の関連キーワードキリスト聖母イエス・キリスト基督救い主耶蘇末日聖徒イエスキリスト教会中東とキリスト教イエス・キリスト《イエス・キリストの受難》

今日のキーワード

平野美宇

卓球選手。2000年4月14日、静岡県生まれ、山梨県育ち。3歳で卓球を開始。07年に小学1年生で全日本選手権大会バンビの部優勝、09年に小学2年生で同大会ジュニアの部初出場を果たし、注目を集めた。13...

続きを読む

コトバンク for iPhone

キリスト教文学の関連情報