デジタル大辞泉
「コック」の意味・読み・例文・類語
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コック
- 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] kok ) 西洋料理、中華料理などの料理をすることを職業とする人。料理人。料理番。
- [初出の実例]「異人のコックといッたらわかりやすめへが」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
コック
- 〘 名詞 〙 ( [英語] cock ) 水道、ガス、その他の気体、液体の流量を調節する栓。
- [初出の実例]「壁についたコックをひねって機関長はつめたい水を出して飲んだ」(出典:水の上の会話(1965)〈阿川弘之〉)
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コック
Hieronymus Cock
生没年:1510-70
フランドルの出版業者,版画家。1545年画家仲間の聖ルカ組合登録。46-48年イタリアを旅行し,帰国後アントワープにユマニスムの国際主義を反映する版画店〈四方の風Aux Quatre Vents〉を開いた。ラファエロやマニエリストたちのイタリア絵画を版画化し,フランドルや北欧諸国に紹介する一方,H.ボスの素描,絵画を版画化し,フランドル的伝統の再評価を試みた。ブリューゲルの素描をP.van derヘイデン,F.ヒュイスらに複製させるなど,版画による表現様式を国際的に普及させた。〈四方の風〉はプランタンの店ができるまで,主要な版画店としての役割を担った。
執筆者:小池 寿子
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コック
こっく
cock
管路の途中に取り付けて、流体の流れを止めたり、流量、圧力などを調節するための装置。弁の一種。円錐(えんすい)形あるいは円筒形に穴のあけてある部品を管路の途中に結合し、その穴に円錐形あるいは円筒形のプラグを差し込んで、流体の流れを止めたり流量を調節したりする。プラグには穴があいているので、プラグを回転することで管内の流体の流れが止められ、プラグの回転角を選ぶことにより流量の調節ができる。出入口が2方向のものを二方コック、3方向のものを三方コックなどという。気体の流れを調節するのにも用いられ、これをエアコックという。水蒸気、油などの配管途中に使われるものは砲金、黄銅などでつくられる。化学実験などに用いられる小型のものはガラス製が多い。
[中山秀太郎]
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コック
Kock, Charles-Paul de
[生]1793.5.21. パシー
[没]1871.4.27. パリ
フランスの作家。亡命オランダ人の銀行家の子に生れたが,父は大革命で処刑された。自身も銀行員となったが,処女作『わが妻の子』L'Enfant de ma femme (1813) の出版がもとで解雇され,以後作家生活に入る。市井の小市民,下町娘たちが登場する小説は国内のみならず,外国でも「パリもの」としてもてはやされた。多作家で全集 (1902~05) は 299巻に及ぶ。代表作『ジョルジェット』 Georgette (1820) ,『無頼漢ギュスターブ』 Gustave le mauvais sujet (21) ,『隣人レーモン』 Mon voisin Raymond (23) ,『デュポン氏』 Monsieur Dupont (24) のほか,メロドラマ,ボードビルなど多数。
コック
cock
流体の流通と遮断を行う簡単な弁。一方向に穴のあいた円錐面の栓 (プラグ) を弁箱の円錐面にすり合せて組立て,プラグを回してコックを開閉する。4分の1回転で全開するので開閉に時間を要しない。流路は直線的である。ただし,三方コックは全開の回転角度が異なり,流路も曲る。鋳鉄または青銅製で,主として直径の小さい管路や吐出し用などに用いる。ガラス,陶製などのものもある。
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コック
管路や容器に取り付けて,流体の流通と遮断を行う簡単なバルブ。流体の通る穴をあけた円錐状のプラグを回転して,急速に流路を開閉する。接続端の数により二方・三方・四方コックがある。ガス栓や化学実験用などに使われる。
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世界大百科事典(旧版)内のコックの言及
【バルブ】より
…(4)ボール弁 流路をくり抜いたボール状の弁体を弁箱の中に入れ,そのボールを直径軸のまわりに90度旋回して流路の開閉を行うもの(図d)。ボールの代りに円錐状のプラグを使うものはコックcockと呼ばれ,ガス栓や化学実験用などに広く使われている。ボール弁,コックは構造が単純な割りに気密性が高く,また90度の回転で開閉が迅速に行える特徴がある。…
【銅版画】より
…彼とラファエロを仲介したバビエラBavieraは版元の先駆と考えられるが,1527年の〈ローマ劫掠〉後はサラマンカAntonio Salamanca(1500ころ‐62),次いで,フランス人ラフレリAntoine Lafréry(1512‐77)がそれを継ぐ。 北方では[H.コック]の店〈四方の風Aux Quatre Vents〉が1548年からアントワープにこのような版元制度を導入した。彼はイタリアの画家の素描を版画化してイタリア・ルネサンスとマニエリスムを普及させ,またH.ボスの素描を複製して,P.ブリューゲルを中心とするフランドル風刺精神の復活にも貢献した。…
※「コック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」