コーン(英語表記)Kohn, Walter

デジタル大辞泉 「コーン」の意味・読み・例文・類語

コーン(cone)

円錐形錐面の意》
ソフトアイスクリームなどを盛る円錐形のウエハースアイスクリームコーン
スピーカーの円錐形の振動板。多く紙製。

コーン(corn)

トウモロコシ。「コーン味」
[類語]玉蜀黍唐黍

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精選版 日本国語大辞典 「コーン」の意味・読み・例文・類語

コーン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] corn ) 穀物。特に、玉蜀黍(とうもろこし)のこと。また、他の外来語と複合しても用いられる。「コーンフレークス」「コーンスープ」「コーンスターチ」 〔外来語辞典(1914)〕

コーン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cone 「円錐」の意 )
  2. ソフトアイスクリームなどを盛る、穀物の粉でつくった円錐状の入れ物。
  3. スピーカーの円錐形の部分。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーン」の意味・わかりやすい解説

コーン
Kohn, Walter

[生]1923.3.9. オーストリアウィーン
[没]2016.4.19. アメリカ合衆国,カリフォルニア,サンタバーバラ
オーストリア生まれのアメリカ合衆国の理論物理学者。1938年のドイツによるオーストリア併合(→アンシュルス)後,イギリスに亡命。のちにカナダに移住し,1946年トロント大学で修士号を取得。1948年ハーバード大学で博士号を取得し,1950年まで同大学で教鞭をとった。1950~60年カーネギー科学技術研究所(今日のカーネギーメロン大学)教授,1960~79年カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。1979年同大学サンタバーバラ校理論物理学部(今日のカブリ研究機構)の創設に携わり,1984~91年同校物理学部教授。1960年代,固体中の分子量子力学的に記述するには電子密度を知れば十分であることを示し,この密度を決定するための密度汎関数法を開発。この理論がその後の化学解析に革命的な進歩をもたらし,巨大分子の幾何学的構造の計算や化学反応経路の図式化などを容易にした。1988年ナショナル・メダル・オブ・サイエンスを受賞。量子化学の分野に計算機科学的手法を導入し,コンピュータ・プログラムを開発したジョン・A.ポープルとともに,1998年ノーベル化学賞(→ノーベル賞)を受賞。(→理論物理学

コーン
Cohn, Ferdinand Julius

[生]1828.1.24. ブレスラウ(現ポーランド,ウロツワフ)
[没]1898.6.25. ブレスラウ(現ポーランド,ウロツワフ)
ドイツの植物学者。細菌学の基礎をつくった一人。ユダヤ系商人の息子として生れる。ブレスラウ大学に入学するが,人種上の理由で学位が取れないため,ベルリン大学に移って,1847年学位を取得。ブレスラウ大学講師 (1850) ,教授 (57) 。植物の種子の生理やジャガイモの蛋白質などについて研究。 70年より『植物学雑誌』 Beiträge zur Biologie der Pflanzenの編集者となり,同誌上に数々の研究業績を発表する。当時はまだ自然発生説の信奉者がおり,彼らは殺菌のため加熱した乾草のしぼり汁の中に細菌が発生することを重要な論拠としていたが,コーンは枯草菌が胞子を形成することを発見 (75) ,さらに枯草菌胞子が加熱されても死なないことを明らかにして (77) ,自然発生にみえた現象が殺菌の不完全さによるものであったことを示した。 76年には,無名の医師であった R.コッホによる脾脱疽菌の研究の意義を認め,支援した。また,形態や生理に基づいて細菌をいくつかの種に分類することができるとの考え方を示したことも,コーンの重要な業績の一つである。

コーン
Khon

タイの仮面舞踊劇。宮廷で上演されていた影絵芝居ナン・ヤイから発達したもので,人形遣いが行う動作を模倣したとされる。スクリーン前での上演を特にコーン・ナー・チョといい,その演出形態は今日まで残されている。古来,すべて男性によって演じられてきたが,ラコーン・ナーイが宮廷で盛んに上演されるようになってからは,コーンも少なからず影響を受け,ラコーン・ナーイの歌詞を取入れたり,シーター姫を女性が演じるようになった。女性役を除いてすべて仮面をかぶったが,ラーマ6世統治 (20世紀初頭) の頃から神や王族の演者は仮面をつけなくなり,化粧をするようになった。現在では魔神,猿族 (→ハヌマーン ) ,動物役だけが仮面をつける。またラーム (ラーマ) 王子,ラック (ラクシュマナ) 王子は若く顔形が整っている男性が演じる。動作はゆるやかで様式化されており,歌舞伎の見得のような型もみられる。音楽は木琴のラナート・エクを中心としたピーパット編成。

コーン
Cone, James H.

[生]1938.8.5. フォーダイス
アメリカの代表的黒人解放の神学者。 10歳のときに黒人教会であるマセドニアン・アフリカン・メソジスト監督教会の会員となり,弱冠 16歳でその牧師となった。ギャレット神学大学で学び,ノースウェスタン大学で K.バルトの人間論に関する論文で博士号を取得 (1963) 。アーカンソー州のフィランダー・スミス大学,アドリアン大学などを経て,ニューヨーク市のユニオン神学校教授,1975,79年に来日。イエス・キリストの福音を抑圧からの解放という視点からとらえ,神を被抑圧者の神としてとらえる理解は,独自な黒人解放の神学として展開されている。主著は『解放の神学』 Black Theology and Black Power (69) ,『抑圧された者の神』 The God of the Oppressed (75) など。

コーン
Cohn, Jonas

[生]1869.12.2. ガルリッツ
[没]1947.1.12. バーミンガム
ドイツの哲学者,美学者。フライブルク大学教授。新カント派のなかの西南ドイツ学派に属し,H.リッケルトに近い立場から出発したが,のち新ヘーゲル派の立場に立ち,「批判的弁証法」を主張した。美学の分野では美的価値領域の境界設定を試みた。主著"AllgemeineÄsthetik" (1901) ,"Theorie der Dialektik" (23) ,"Der deutsche Idealismus" (23) ,"Wirklichkeit als Aufgabe" (55) 。

コーン
Cohn, Gustav

[生]1840.12.12. マリエンベルダー(現ポーランド,クビージニ)
[没]1918.9.20. ゲッティンゲン
ドイツの経済学者。新歴史学派の一人。ベルリン,イェナ両大学に学び,リガ工業大学教授 (1869~72) 。その後イギリスに渡り,イギリス鉄道史を研究。次いでチューリヒ大学教授 (75~84) を経て,1884年以降ゲッティンゲン大学教授。経済生活における倫理的要素と社会心理的要素を重視し,古典派の理論に歴史的,社会的視点を導入しようとした。主著『国民経済学体系』 System der Nationalökonomie (3巻,85~98) 。

コーン
Kohn, Hans

[生]1891.9.15. プラハ
[没]1971.3.17. フィラデルフィア
チェコスロバキア生れのアメリカの歴史学者,政治学者。第1次世界大戦後アメリカに渡り,スミス大学,プリンストン大学などで教壇に立った。ナショナリズムの研究家として知られ,『ナショナリズム』 Nationalismus (1922) ,『ナショナリズムの思想』 The Idea of Nationalism (51) ,『ナショナリズム-その意味と歴史』 Nationalism: It's Meaning and History (55) など多くの著述がある。

コーン
Cohn, Edwin Joseph

[生]1892.12.17. ニューヨーク
[没]1953.10.1. ボストン
アメリカの生化学者。シカゴ大学,コペンハーゲン大学に学び,ハーバード大学医学部で研究を続けた。血漿中のいろいろな蛋白質を分離する方法を創案した。これは「コーン血漿蛋白分画法」といわれる。この方法によって血漿成分を治療に利用することが可能となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーン」の意味・わかりやすい解説

コーン(Walter Kohn)
こーん
Walter Kohn
(1923―2016)

アメリカの理論物理学者。1923年オーストリアのウィーンでユダヤ人の中流家庭に生まれる。両親をナチスによるユダヤ人迫害により失う。イギリス、カナダで疎開生活を送り、トロント大学に入学。1944~1945年カナダ軍に加わり、1945年トロント大学を卒業。ハーバード大学に進学し物理学を専攻、1948年に博士号を取得後、カナダに帰化。1950年ピッツバーグのカーネギー工科大学(現、カーネギー・メロン大学)教授。1957年アメリカに帰化し、1960年カリフォルニア大学サン・ディエゴ校教授。1979年よりカリフォルニア大学サンタ・バーバラ校理論物理研究所長、1984年同大学教授となる。

 固相物理や多体問題の研究などを経て、1960年代に密度汎関数理論(みつどはんかんすうりろん)を開発した。それまでは分子の量子化学的な構造、性質を知るためには莫大な量の計算が必要であったが、分子中の電子の密度を関数とみなすことで、そのエネルギー状態をより実用的に計算できるようにした。この功績により、1998年のノーベル化学賞を受賞した。なお、量子化学における計算プログラムを開発したJ・ポープルとの同時受賞であった。

[馬場錬成]


コーン(Hans Kohn)
こーん
Hans Kohn
(1891―1971)

歴史家。チェコの首都プラハに生まれる。とくにナショナリズムの運動や理論の研究者として著名。20世紀前半のチェコスロバキアが多年にわたってドイツとの民族闘争を行っていたことが、大学時代の彼にナショナリズムに対する関心を抱かせた。第一次世界大戦に従軍し、シベリアで一時期捕虜生活を送った際にロシアの社会、文明、民族問題に接する。1925年にエルサレムへ行き中東、西アジアのナショナリズム運動を研究、34年にスミス・カレッジのヨーロッパ近代史の教授となり、62年ニューヨーク市立大学の教授を退任後も、ヨーロッパ、アメリカの各地で教鞭(きょうべん)をとりながら研究を続けた。彼は、近代思想の二つの柱ともいうべき自由主義とナショナリズムの観点から、多民族国家を比較し、貴重な研究を多数残している。著に『ナショナリズムの思想』(1944)をはじめ、『預言者と民衆――19世紀ナショナリズムの研究』(1946)、『現代ロシアの精神』(1955)、『ドイツの精神』(1961)、『ハプスブルク帝国、1804―1918年』(1961)、『絶対主義と民主主義、1814―1852年』(1965)などがある。

[田中 浩]

『長谷川松治訳『民族的使命――ヨーロッパ・ナショナリズム論考』(1953・みすず書房)』『稲野強他訳『ハプスブルク帝国史入門』(1982・恒文社)』


コーン(Jonas Cohn)
こーん
Jonas Cohn
(1869―1947)

ドイツの哲学者、心理学者。ゲルリッツで生まれ、1901年以降フライブルク大学教授を務めたが、1933年イギリスに亡命し、バーミンガムにて没した。バーデン(西南ドイツ)学派の代表者の一人として、世界が客観的、合理的体系ではなく、思考と行為の媒介を通じて形成されるとみる、批判的弁証法の立場を主張する。こうして世界の諸価値についての哲学、『価値学』Wertwissenschaft(1932)を提唱した。一方で実験心理学者として、色彩と感情との相関を分析し、これに基づいて『一般美学』Allgemeine Ästhetik(1901)なども著した。

[西村清和]

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改訂新版 世界大百科事典 「コーン」の意味・わかりやすい解説

コーン
Khon

インドの大叙事詩《ラーマーヤナ》のタイ版《ラーマキエン》を演じるタイの伝統芸術で,仮面舞踊黙劇。もとは屋外でおもに戦争場面を演じたが,国王の庇護の下に舞台芸術として発達した。夜叉軍と猿軍を演ずる者は各役に定まった仮面を,神々や王族を演ずる者は頂のとがった冠をかぶり,タイ式奏楽と弁士の口説や歌唱に符節を合わせ無言で所作し,喜怒哀楽の情もすべて身体の動きで表現する。衣装は豪華けんらん,踊りにはアクロバット的要素も多く,舞台背景には古典画の手法が用いられ,口説および歌詩にはラーイおよびカープ形式の韻文が用いられる。仮面や王冠の数は100以上に及ぶ。多くの人員と多年の訓練を要するので,国費によって伝統が継承され,ときおり部分的に上演される。
執筆者:


コーン
Jonas Cohn
生没年:1869-1947

ドイツの哲学者。フライブルク大学教授をつとめてのちイギリスで没した。新カント学派に属して厳しい心理主義批判を果たし,美学では,これは価値学であり心的現象の事実学ではないとして規範的美学を成立させた。認識論,価値論,文化論の著作があり,後年には世界全体の認識に要する批判的弁証法を説いた。主著に《一般美学》(1901),《認識の前提と目標》(1908),《弁証法の理論》(1923),《価値論》(1932-33)などがある。
執筆者:

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化学辞典 第2版 「コーン」の解説

コーン
コーン
Kohn, Walter

ウィーン生まれのアメリカの物理学者.ユダヤ系なので1939年ナチスを逃れイギリスに渡るが,戦争がはじまると敵性外国人としてドイツ人収容所に入れられ,さらにカナダに送られた.1942年収容所から出た後,トロント大学で物理学と数学を学び,ハーバード大学に移り,1948年散乱理論で学位を取得.1950年代にカーネギー工科大学(現カーネギーメロン大学)で固体のバンド理論の研究をはじめ,1960年カリフォルニア大学サンジエゴ校の教授となる.相互作用する電子系の電子密度に対する外部ポテンシャルが一意的に決まり,基底状態のエネルギーが電子密度に対して変分的に求められるというHohenberg-Kohnの定理を1964年に発表した.さらに翌年,電子密度を与える一電子波動関数を計算するKohn-Sham方程式を導き,密度はん関数法の基礎を築いた.この業績により,1998年J.A. Pople(ポープル)とともにノーベル化学賞を受賞.二人の受賞は,計算化学が化学において市民権を得たことを象徴するものとして一般に受けとられた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

367日誕生日大事典 「コーン」の解説

コーン

生年月日:1891年9月15日
アメリカの歴史学者,政治学者
1971年没

コーン

生年月日:1869年12月2日
ドイツの哲学者,美学者
1947年没

コーン

生年月日:1840年12月12日
ドイツの経済学者
1918年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコーンの言及

【カンボジア】より

…(1)ピン・ペアト編成(タイの器楽合奏ピー・パートに当たる)は宗教儀式や《ラーマーヤナ》などの古典芸能に用いられるアンサンブルである。今日では,名前の由来する弦楽器(ピンはインドの撥弦楽器ビーナー,ペアトは広く楽器を意味する)は用いず,ロネアトroneat(舟形の木琴,箱形の竹琴など)やコーンkong(大きさの異なる壺形のゴングを円形に組み合わせたもの)などの旋律打楽器を中心に,スラライsralay(ダブル・リードの縦笛)とサンポsampo(樽形の両面鼓),スコールskor(樽形の鋲打ち太鼓),チンching(小型の肉厚シンバル)などのリズム打楽器を配したもので編成される。(2)モホリ(タイの器楽合奏マホーリーに相当)はピン・ペアトに比し,ポピュラーなアンサンブルで,古典舞踊や演劇の伴奏のほかに,結婚式や宴会などで用いられる。…

【トウモロコシ(玉蜀黍)】より


[品種]
 トウモロコシは,その粒の形状や胚乳の質に基づいて以下の8変種の品種群に区分される。馬歯種var.indentata Sturt.(イラスト)はデントコーンdent cornとも呼ばれ,果粒の側面が硬質,中央先端部が軟質で,成熟すると頂部がくぼむ。草丈は4mほどになり,子実収量が高い。…

※「コーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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