シエラネバダ山脈(読み)シエラネバダサンミャク

デジタル大辞泉 「シエラネバダ山脈」の意味・読み・例文・類語

シエラネバダ‐さんみゃく【シエラネバダ山脈】

《〈スペイン〉Sierra Nevadaは雪の山脈の意》
スペイン南部を地中海に並行して東西に走る山脈。万年雪がみられ、標高3482メートルの最高峰ムラセン山をはじめ、3000メートル以上の高峰が連なる。新生代アルプス造山運動によって形成。山頂周囲に氷河地形が残る。ネバダ山脈
米国カリフォルニア州東部を南北に走る山脈。ヨセミテキングズキャニオンセコイアなどの国立公園がある。最高峰はホイットニー山の4418メートル。谷氷河がある。

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精選版 日本国語大辞典 「シエラネバダ山脈」の意味・読み・例文・類語

シエラネバダ‐さんみゃく【シエラネバダ山脈】

  1. ( シエラネバダは[スペイン語] Sierra Nevada 「雪の山脈」の意 )
  2. [ 一 ] イベリア半島の南縁部を東西に走る山脈。最高峰ムラセン(三四八二メートル)。
  3. [ 二 ] アメリカ合衆国カリフォルニア州東部を南北に走る山脈。四〇〇〇メートル以上の高峰が多く、氷河や氷河湖が発達し、ラッセン‐ボルケニック、ヨセミテ、キングズキャニオン、セコイアの四つの国立公園がある。最高峰ホイットニー山(四四一八メートル)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シエラネバダ山脈」の意味・わかりやすい解説

シエラネバダ山脈
シエラネバダさんみゃく
Sierra Nevada Range

アメリカ合衆国,カリフォルニア州東部を南北に走る山脈。全長 650km,幅 65~130km。スペイン語で「雪に覆われた山脈」の意。最高峰はホイットニー山(4418m)。断層運動により形成され,おもに花崗岩からなる。東斜面は険しく,特に東端のオーウェン谷では,急な崖に挟まれた深い谷をなしている。西側は,深い谷を刻むサンホアキン川サクラメント川がゆるやかに流出し,サンホアキンバレーサクラメントバレーと呼ばれる沖積平野を形成している。中央部の山峰沿いには氷河作用を受けた名残りヨセミテ滝や湖,尖峰がある。太平洋からの卓越風は西斜面に多雨をもたらす。東部のネバダ州側は砂漠または草地である。1848年西斜面で金が発見されてゴールド・ラッシュを引き起こし,西部開拓史上に一時代を画したが,その後衰微した。ヨセミテ国立公園セコイア国立公園キングズキャニオン国立公園の三つの国立公園を中心に,山脈のほとんどは自然保護およびレクリエーション地域になっている。サンフランシスコリーノーを結ぶドナー峠(2160m)は最も重要な山越えルートである。

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改訂新版 世界大百科事典 「シエラネバダ山脈」の意味・わかりやすい解説

シエラ・ネバダ[山脈]
Sierra Nevada

スペイン南部アンダルシア地方,地中海沿岸に東西80~100km,南北40kmにわたって連なる山脈。地質はおもに結晶質岩石と古生層で,新期造山運動によって形成された褶曲山脈。最高峰はムーラセーン山Cerro de Mulhacén(3478m)で,これはイベリア半島の最高峰でもある。シエラ・ネバダは〈雪の山脈〉の意。万年雪に覆われ,3000mを超えるところにはカール,2000m前後にはモレーンなど氷河地形が形成されている。万年雪は,中世にすでに夏の氷菓(シャーベット)として利用され,グラナダなどの大都市で販売されていた記録がある。標高1000m前後まで山村が点在し,南斜面では,オリーブ,ブドウ,オレンジなどの地中海性作物が栽培されている。近年は,スキーを中心とした冬季の観光地として開発が進み,グラナダがその起点となっている。
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シエラ・ネバダ[山脈]
Sierra Nevada

アメリカ合衆国西部,カリフォルニア州東部にある山脈。名称はスペイン語で〈雪の山脈〉を意味する。北側に続くカスケード山脈とともに,北アメリカにおけるコルディレラ山系の西側の一部をなす。東側にはロッキー山脈との間に広大なグレート・ベースン大盆地),西側にはカリフォルニア中央盆地がある。最高峰ホイットニー山(4418m)をはじめ,高峰には小規模ながら山岳氷河がみられ,ヨセミテ国立公園などの各地に洪積期の氷河地形がみられる。南部にはセコイア,キングズ・キャニオン両国立公園があり,山脈西麓の各地にセコイアの巨大林がみられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シエラネバダ山脈」の意味・わかりやすい解説

シエラ・ネバダ山脈(アメリカ合衆国)
しえらねばださんみゃく
Sierra Nevada

アメリカ合衆国、カリフォルニア州東部に北西から南東の方向で走る山脈。長さ650キロメートル、幅60~130キロメートル。この名はスペイン語で「雪をのせた山脈」の意味。西に傾く大傾動地塊で、おもに変成岩と深成岩からなる。アラスカを除く合衆国最高の標高をもつホイットニー山(4418メートル)が南部にあり、4000メートルを超す高峰が多い。美しいU字谷などの氷河地形が発達し、谷氷河も現存する。北からラッセン・ボルケニック、ヨセミテ、キングズ・キャニオン、セコイアの4国立公園がある。山脈には降雪量が多く、融雪水は発電と灌漑(かんがい)に使われる。西側に流れる河川はカリフォルニア州のセントラル・バリーを潤す。東側の河川は内陸流域に流れるが、近年はロサンゼルス市に引かれている。

[鶴見英策]



シエラ・ネバダ山脈(スペイン)
しえらねばださんみゃく
Sierra Nevada

スペイン南部、地中海岸にほぼ並行して走る山脈。ベティカ山系の南側を構成する。東西約100キロメートル、南北約40キロメートル。スペイン最高峰のムラセン山(3482メートル)をはじめ、ベレータ山(3392メートル)、ラ・アルカサーバ山(3366メートル)など3000メートル級の山峰を有する。「雪をのせた山脈」の意で、万年雪を頂く。新生代におこったアルプス造山運動に伴って形成された山脈で、古生層、結晶質岩層よりなる。山頂から標高2000メートル付近にかけてモレーン(堆石(たいせき))などの氷河地形がみられる。谷が深く、地中海に向かって急傾斜で落ち込むため、海岸平野は発達していない。

[田辺 裕・滝沢由美子]

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世界大百科事典(旧版)内のシエラネバダ山脈の言及

【アメリカ合衆国】より

…最高峰のエルバート山(4399m)をはじめ4000mを超す山々が連なり,モンタナ,ワイオミング,コロラドの各州では高峰に小規模な山岳氷河がみられる。ロッキー山脈と太平洋岸のカスケード,シエラ・ネバダ両山脈の間には,北からコロンビア高原,グレート・ベースン(大盆地),コロラド高原などの高原・盆地群があり,一般に乾燥した放牧地である。コロンビア高原は主としてステップ気候であるが,グレート・ベースンからメキシコにかけては砂漠とステップが混在し,農業はおもに灌漑によっている。…

※「シエラネバダ山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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