出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
スペイン南部アンダルシア地方,地中海沿岸に東西80~100km,南北40kmにわたって連なる山脈。地質はおもに結晶質岩石と古生層で,新期造山運動によって形成された褶曲山脈。最高峰はムーラセーン山Cerro de Mulhacén(3478m)で,これはイベリア半島の最高峰でもある。シエラ・ネバダは〈雪の山脈〉の意。万年雪に覆われ,3000mを超えるところにはカール,2000m前後にはモレーンなど氷河地形が形成されている。万年雪は,中世にすでに夏の氷菓(シャーベット)として利用され,グラナダなどの大都市で販売されていた記録がある。標高1000m前後まで山村が点在し,南斜面では,オリーブ,ブドウ,オレンジなどの地中海性作物が栽培されている。近年は,スキーを中心とした冬季の観光地として開発が進み,グラナダがその起点となっている。
執筆者:栗原 尚子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アメリカ合衆国、カリフォルニア州東部に北西から南東の方向で走る山脈。長さ650キロメートル、幅60~130キロメートル。この名はスペイン語で「雪をのせた山脈」の意味。西に傾く大傾動地塊で、おもに変成岩と深成岩からなる。アラスカを除く合衆国最高の標高をもつホイットニー山(4418メートル)が南部にあり、4000メートルを超す高峰が多い。美しいU字谷などの氷河地形が発達し、谷氷河も現存する。北からラッセン・ボルケニック、ヨセミテ、キングズ・キャニオン、セコイアの4国立公園がある。山脈には降雪量が多く、融雪水は発電と灌漑(かんがい)に使われる。西側に流れる河川はカリフォルニア州のセントラル・バリーを潤す。東側の河川は内陸流域に流れるが、近年はロサンゼルス市に引かれている。
[鶴見英策]
スペイン南部、地中海岸にほぼ並行して走る山脈。ベティカ山系の南側を構成する。東西約100キロメートル、南北約40キロメートル。スペイン最高峰のムラセン山(3482メートル)をはじめ、ベレータ山(3392メートル)、ラ・アルカサーバ山(3366メートル)など3000メートル級の山峰を有する。「雪をのせた山脈」の意で、万年雪を頂く。新生代におこったアルプス造山運動に伴って形成された山脈で、古生層、結晶質岩層よりなる。山頂から標高2000メートル付近にかけてモレーン(堆石(たいせき))などの氷河地形がみられる。谷が深く、地中海に向かって急傾斜で落ち込むため、海岸平野は発達していない。
[田辺 裕・滝沢由美子]
…最高峰のエルバート山(4399m)をはじめ4000mを超す山々が連なり,モンタナ,ワイオミング,コロラドの各州では高峰に小規模な山岳氷河がみられる。ロッキー山脈と太平洋岸のカスケード,シエラ・ネバダ両山脈の間には,北からコロンビア高原,グレート・ベースン(大盆地),コロラド高原などの高原・盆地群があり,一般に乾燥した放牧地である。コロンビア高原は主としてステップ気候であるが,グレート・ベースンからメキシコにかけては砂漠とステップが混在し,農業はおもに灌漑によっている。…
※「シエラネバダ山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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