結構(読み)ケッコウ

デジタル大辞泉 「結構」の意味・読み・例文・類語

けっ‐こう【結構】

[名](スル)
1 全体の構造や組み立てを考えること。また、その構造や組み立て。構成。「布置結構」
「法則を設けて物語を―するは」〈逍遥・小説神髄〉
2 もくろみ。計画。
「基房亡ほろぼすべき―にて候ふなり」〈平家・三〉
3 したく。用意。
「お斎ときを下されうずると有る程に、畏ったと云ひて参れば、中々―を取り調へて」〈虎明狂・宗論〉
4 ⇒トラス
[形動][文][ナリ]
1 すぐれていて欠点がないさま。「結構な眺め」「結構なお点前てまえ」「結構な御身分」
2 それでよいさま。満足なさま。「お値段はいくらでも結構です」「サインで結構です」
3 それ以上必要としないさま。「もう結構です」
4 気だてがよいさま。
「一つ汲んで下されと、下々にも―に詞ことば遣ひて」〈浮・禁短気・二〉
[副]完全ではないが、それなりに十分であるさま。「子供でも結構役に立つ」「結構おもしろい」
[アクセント]はケッコー、はケッコー。
[類語](1)良い・よろしい・好ましい・素晴らしい・申し分ない・立派・見事みごと・上乗・何より・素敵すてき・最高・絶妙・卓抜・秀逸・目覚ましい・輝かしい・妙たえなる・えも言われぬ・上手・巧み・うまい・巧妙・老巧・達者・器用・賢い・上出来・上上・物の見事・結構尽くめ・申し分が無い・言う事無し・天晴れ・ナイス・ワンダフル・目の覚めるよう・目に染みる・冴える・水際立つ・めぼしい・目立つ・引き立つ・顕著・著しい・際立つ・光る・目を引く・人目を引く・人目につく・目に立つ・ひときわ・主おも立つ・とりわけ・値千金・掛け替えのない・群を抜く・卓出・卓越・卓絶・逸出・抜群・抜きん出る・飛び抜ける・ずば抜ける・頭抜ける・並外れる・人並み外れる・度外れ・断トツ・非凡・出色・傑出・一日いちじつの長・素人離れ・玄人跣はだし・超人的/(2)満足・満悦・充足・飽満・自足・自得・会心・自己満足・本望・満ち足りる・心行く・堪能・満喫・安住・安んずる・甘んずる・十分・十全・嬉しい・楽しい・面白い・喜ばしい・喜び・愉快・痛快・喜悦・有頂天・納得・慊焉けんえん・三平二じ満・思わしい・上機嫌・ご機嫌・御おんの字・足りる・足る・舞い上がる・満たす・気を良くする・溜飲りゅういんを下げる・言うことなし・気に入いる・意に適う・うきうき・うはうは・わくわく・いそいそ・ぞくぞく/なかなか・かなり・存外・案外・思いの外ほか・割に・割合・割り方・比較的・割と・割りかし・相当・大幅・随分・大分だいぶ・だいぶん・大層・頗すこぶる・いやに・やけに・えらい・馬鹿ばかに・余程・余っ程・とても・とっても・うんと・極めて・極み・甚だ・この上ない・極ごく・極極ごくごく・至極・無上・至上・むやみ・むやみやたら・誠に・実に・至って・やけっぱち・やけくそ・捨て鉢・無性に・めったやたら・闇雲・ひときわ・盲滅法・飛び切り・限り無い・底抜け・とりわけ・ことさら・ことに・取り立てて・非常・全く以て・甚いたく・途方もない・途轍とてつもない・すごく・著しい・べらぼう・大幅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「結構」の意味・読み・例文・類語

けっ‐こう【結構】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ] ( ━する ) 組み立ててつくり上げること。
      1. ① 物をつくり出すこと。多くの場合、善美を尽くしてつくること。また、そうして出来上がった物やその構造。こしらえ。意匠。
        1. (イ) 家屋などの構築物についていう。
          1. [初出の実例]「戌時中納言移二徙北家一。只結二構西廊一営渡云々」(出典:小右記‐長元四年(1031)二月一一日)
          2. [その他の文献]〔王延寿‐魯霊光殿賦〕
        2. (ロ) 抽象的なものごとや論理の構成など、(イ)以外のいろいろなものについていう。
          1. [初出の実例]「近代社司等、好立二神領一、奪二妨公田一、供二最少之上分一、籠二広博之四至一、結構之至、尤非二穏便一」(出典:兵範記‐保元元年(1156)九月一八日)
      2. ② 心の中で、ある考えを作りかまえること。計画。意図。企て。
        1. [初出の実例]「八日於二東北院一可レ被レ修二十種供養一之由所二被レ示給一也。是兼曰結構也」(出典:水左記‐承暦四年(1080)二月四日)
      3. ③ 物事の準備をととのえること。用意。支度。
        1. [初出の実例]「一両之結構普駈二諸宗一」(出典:東大寺続要録(1281‐1300頃)仏法篇)
      4. ④ 実現すること。執行すること。
        1. [初出の実例]「抑此度結構者、自二去々年一、天下騒動、而諸寺諸山、遇二追捕追討一、各不レ静」(出典:醍醐寺雑事記‐慶延記・一〇・元暦元年(1184)七月二〇日)
      5. ⑤ ぜいたくをすること。
        1. [初出の実例]「其身の程をしらざると云は、身まづしくして美麗をこのみ、衣食まで借銭をしてなりとも結構(ケッカウ)し」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)下)
    2. [ 二 ] 植物「みょうが(茖荷)」の異名。
      1. [初出の実例]「結構とは冥加の事、とうなんとは野老(ところ)なり」(出典:浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)三)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( [ 一 ]の意から転じて ) よく出来上がっているさま。申し分のないさま。よいさま。
    1. ① すぐれているさま。立派なさま。好ましいさま。
      1. [初出の実例]「けっこうな物を着たがるは婬欲の心なり」(出典:六物図抄(1508))
    2. ② ねんごろなさま。手厚いさま。
      1. [初出の実例]「此の詩は群臣の臣下どもよい賓客をあつめてけっこうにもてなし酒のさかなをととのえて酒をのみ歌舞してたのしんだことを作たぞ」(出典:玉塵抄(1563)六)
    3. ③ 心がけがよいさま。気立のよいさま。好人物のさま。お人好し。
      1. [初出の実例]「扨も扨も、結構なをぢご様じゃ。けふも色々の物を皆貸させられた」(出典:虎寛本狂言・止動方角(室町末‐近世初))
    4. ④ 十分なさま。満足なさま。それでよいとみなされるさま。
      1. [初出の実例]「お前も風を引かんかえ。結構結構(ケッコウケッコウ)」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)
    5. ⑤ それ以上必要としないさま。丁寧に断る場合に用いる。「『お茶はいかがですか』『結構です』」
  3. [ 3 ] 〘 副詞 〙 十分満足であるというほどではないが、一応よいといえるさまをいう。程度が低いと見こんでいた予想からは、案外程度が高いことを表わす。かなり。
    1. [初出の実例]「けっこう質を置んすとかわひがり」(出典:雑俳・柳筥(1783‐86)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「結構」の読み・字形・画数・意味

【結構】けつこう

ものの構造。構成のしかた。漢・王延寿〔魯の霊光殿の賦〕是(ここ)に於て其の棟宇を詳察し、其の結をる。~三四表、維九隅あり。

字通「結」の項目を見る。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

[名](スル)1 別の衣服に着替えること。特に夏冬の季節に応じて改めること。平安時代には、陰暦4月1日、10月1日に行われた。江戸幕府では、このほかに5月5日・9月9日などにも着替える定めがあった。現...

衣替えの用語解説を読む