シャブリエ

精選版 日本国語大辞典 「シャブリエ」の意味・読み・例文・類語

シャブリエ

  1. ( Alexis Emmanuel Chabrier アレクシス=エマニュエル━ ) フランス作曲家。情熱的、幻想的な作風。印象派音楽の先駆とされる。狂詩曲「スペイン」、オペラ「グワンドリーヌ」など。(一八四一‐九四

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百科事典マイペディア 「シャブリエ」の意味・わかりやすい解説

シャブリエ

フランスの作曲家。早くから楽才を示すが,父の希望に従い法律を学んで内務省に就職。その後も独学で作曲を学び,詩人ベルレーヌ画家マネらと交流。また,ダンディデュパルクフォーレらと知り合い,その感化を受けた。1879年に官吏をやめ作曲に専念管弦楽のための狂詩曲《スペイン》(1883年)で一躍名声を高めた。オペラ《グワンドリーヌ》(1886年)にはR.ワーグナーの影響が随所にみられるが,彼の天性資質は《絵画風の小曲集》(1881年),《気まぐれなブレ》(1891年)などのピアノ曲に示された。その生彩に富むリズムと斬新(ざんしん)な和声感覚は,のちのドビュッシーサティラベルミヨープーランクらに広く影響を与えている。

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改訂新版 世界大百科事典 「シャブリエ」の意味・わかりやすい解説

シャブリエ
Alexis Emmanuel Chabrier
生没年:1841-94

フランスの作曲家。内務省に勤務のかたわら作曲とピアノの勉強を続け,38歳で職業的音楽家となる。ダンディ,デュパルク,フォーレ,フランク,画家マネ,詩人ベルレーヌらと交遊し,世紀末芸術運動いぶきを吸収した。彼の音楽はワーグナーの影響を受けつつも,リズムの新鮮さと和声の大胆さによってラベルや六人組の時代を予告している。オペラ《グワンドリーヌ》(1886)のほかピアノ曲,狂詩曲,歌曲など多数の作品がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャブリエ」の意味・わかりやすい解説

シャブリエ
しゃぶりえ
Emmanuel Chabrier
(1841―1894)

フランスの作曲家。ピュイ・ド・ドーム県のアンベールに生まれる。法律を学び役人となったが、早くから作曲、ピアノに習熟、オペレッタ『星』(1877初演)などの成功を機に39歳から音楽に専心した。さらに1882年のスペイン旅行の印象に基づく管弦楽の狂詩曲『スペイン』(1883初演)で名声を確立した。ワーグナーの楽劇の影響を受けたオペラ『グワンドリーヌ』(1886初演)は彼の代表作とされる。また『絵画風の小曲集』(1881初演)、『気まぐれなブーレ』(1891)などのピアノ曲は、生気あるリズム、機知と繊細な感覚にあふれた表現、鮮明で大胆な和声をもつ。そのため彼は同時代の作曲家を超え、サティやラベルの音楽の先駆者とされることもある。パリに没。

[美山良夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャブリエ」の意味・わかりやすい解説

シャブリエ
Chavrier, (Alexis-) Emmanuel

[生]1841.1.18. アンベール
[没]1894.9.13. パリ
フランスの作曲家。パリで法律を学び,1880年まで官吏として勤めながら,作曲やピアノの勉強を続け,1860年から作曲活動を開始。この間,V.ダンディ,G.フォーレや画家 E.マネ,詩人 P.ベルレーヌらと交友,「世紀末」の芸術運動から大きな刺激を受けた。 77年の3幕のオペラ・ブーフ『星』で脚光を浴び,音楽に専心することを決意。 80年スペイン旅行の結果,狂詩曲『スペイン』を作曲,名声を確立した。一時,熱烈なワグネリアンとなっていた彼は,ラムルー管弦楽団の合唱副指揮者として『トリスタン』のパリ上演を助けた。代表作は3幕のオペラ『いやいやながらの王様』 (1887) 。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「シャブリエ」の解説

シャブリエ

フランス音楽のエスプリと言えばシャブリエの名前が挙がるほど、ドビュッシーやラヴェルに先駆けて、近代フランス音楽の興隆に大きく貢献した。
子供の頃から音楽の才能を示すものの、父親の意向で法律を学 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシャブリエの言及

【フランス音楽】より

… 〈まじめな音楽〉を育てたのは,19世紀後半,しだいにフランスを魅惑したワーグナーの影響でもある。異国趣味の色彩家ラロも諧謔と活力にあふれたシャブリエも,歌劇を志すとワーグナー派になった。ワーグナーの影響は音楽上の現象にとどまらず,象徴主義文学に助けられ,ドイツ理想主義の湿潤な北風となって,フランスの知的風土全体の上を吹きまくった。…

※「シャブリエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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