百科事典マイペディア 「シュナイダー」の意味・わかりやすい解説
シュナイダー
シュナイダー
→関連項目アールベルク[峠]|ズダルスキー
シュナイダー
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ドイツの精神医学者。ヤスパースとともに,臨床精神病理学の分野における記述現象学的方向の代表者とされる。主要な業績はおおむね第2次大戦前になしとげていて,人格の異常を10型に分類した《精神病質人格》(1923),異常宗教体験を疾病との関連でまとめた《宗教精神病理学入門》(1928),精神症状論を簡明に記述した《医師のための精神医学講義》(1933)などが挙げられ,1950年の主著《臨床精神病理学》も前記《医師のための精神医学講義》を発展させた第3版以後の表題である。戦争のため教職につくのは遅れたが,46年ハイデルベルク大学精神科の主任教授に就任し,多くの研究者を育てた(ハイデルベルク学派)。55年に退職したが,この間51年から52年にかけ同大総長となった。66年にはクレペリン賞を受賞し,ドイツ精神医学界最高の栄誉に輝いた。
執筆者:宮本 忠雄
スキー指導法の創成者。オーストリアのシュトゥーベン出身。ノルウェー・スキー術とオーストリア・スキー術を結びつけたアールベルク・スキー術を考案した。1909年にザンクト・アントンにスキー学校を開設し,天才的なスキー指導で知られたが,38年ナチスのユダヤ人追放でアメリカに亡命,ノース・コンウェー(ニューハンプシャー州)を根拠地にアメリカのスキー発展に尽力,同地で病没した。30年に来日し,日本のスキー術に新たな進路を示した。主著に《スキートゥーリストDer Skitourist》(1913)があり,映画《スキーの驚異》(1920)に主演した。
執筆者:広畑 成志
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ドイツの経済学者。ウェストファーレン州ジーゲンに生まれる。ボン大学でJ・A・シュンペーターについて経済学を学んだ。1936年にデンマークのアールフス大学教授、1946年にキール大学教授となる。のちに同大学学長、同大学世界経済研究所所長も歴任した。1930年代に双方独占・複占などの寡占理論や一般均衡論的限界生産力説の研究を発表し、その後J・M・ケインズの『一般理論』の普及にも努めた。主著には『経済理論入門』Einführung in die Wirtschaftstheorie全4巻(1947~62)がある。
[大塚勇一郎]
ドイツのカトリック作家。バーデン・バーデン生まれ。歴史的素養と宗教的思索に基づく小説や評論を書いた。第二次世界大戦中は数多くのソネットや信仰告白的文書によってナチスに抵抗、戦後は西ドイツの再軍備に反対するなど、現実問題にも積極的に発言した。『カール5世とラス・カサス』(1938)など世俗権力と信仰の対立を描いた歴史小説や評論『権力と恩寵(おんちょう)』(1940)、『ウィーンの冬』(1958)ほか多くのエッセイがある。
[横塚祥隆 2017年11月17日]
…リリエンフェルト派といわれるもので,長い1本づえを用い,シュテムボーゲン(スキーのテールを開く制動による回転)を基本にしている。ノルウェー派とリリエンフェルト派の優劣をめぐる論争も起きたが,やがて両派は長所をとり入れ合い,オーストリアのアールベルクのスキー教師H.シュナイダーがアールベルク派といわれるアルプス・スキー術にまとめた。これがアルペン競技Alpineの基本技術で,アレーÉmile Allaisを中心とするフランス派なども現れて,アルペン競技はドイツ,スイスを含め発展していく。…
…現在では躁鬱(そううつ)状態や分裂病様状態も加えられる。脳に主病変があるものは器質精神病,中毒性疾患は中毒性精神病として区別されるが,症状精神病との間に概念的な混乱をきたすので,これらを包括して身体的基礎のある精神病としてまとめることがある(K.シュナイダー,1950)。【石黒 健夫】。…
…しかし,一般にみることのできる心因反応の成立にあたっては,同様の心的刺激がすべての人に同様の反応を生じるとは限らないところからして,心因となる体験を受けた側の素因あるいは人格の要因も無視できないものである。ドイツの精神科医K.シュナイダーは正常者に生じうる体験にもとづく了解できる反応(体験反応)よりも,反応のしかたが過度であるとか,過度に遷延するような場合を異常体験反応(心因反応と同義)と呼んで,その成立には人格が関与することを強調した。心因反応を生じやすい人格としては,人格発達の未成熟な小児,精神遅滞,暗示性の高い人,偏執的人格などがある。…
…その代表的なものとしては,ユング(内向型と外向型),イェンシュE.R.Jaensch(統合型と非統合型),ファーラーG.Pfahler(固執型と流動型),シュプランガー(理論的人間,経済的人間,審美的人間,社会的人間,政治的人間,宗教的人間の6種型),エーワルトG.Ewald(反応類型),クレッチマー(体質学的類型)などがあげられる。また精神病質人格に関しては,クレペリンが主として心理学的特性と社会学的関係から神経質,興奮者,軽佻者,ひねくれ者,虚言欺瞞者,反社会者,好争者,衝動者に分けており,K.シュナイダーは主として臨床経験にもとづいて性格異常(精神病質)を〈自分自身が悩むもの〉と〈社会が悩まされるもの〉に分け10類型(発揚者,抑鬱者,自信欠乏者,熱狂者,顕示者,気分変動者,爆発者,情性欠如者,意志欠如者,無力者)を列挙している。レルシュP.Lerschは層理論を応用して性格を内部感情的基底と精神生活の上層構造とに二分し,それぞれについて詳細な分析を試みている。…
…こうした活動も30年代に入るとナチスによって禁圧され,メンバーは四散し,壊滅的打撃をこうむる。学派が再建されるのは第2次大戦後で,ヤスパースを師と仰ぐK.シュナイダーや,とりわけバイヤーW.R.von Baeyer(1904‐ )が中心となって人間学的方向をひらき,〈新ハイデルベルク学派〉と呼ばれる。【宮本 忠雄】。…
…日本にも吉益脩夫の研究がある。K.シュナイダーは精神病質を〈人格の異常のために自身が悩むか社会が悩まされるもの〉と定義し,その類型化を行った。このシュナイダーによる精神医学の視点からの定義と分類は後に広く採用されるに至った。…
…〈死の欲動〉について,フロイトの弟子たちの間に賛否両論を巻き起こし,その評価は一定していない。K.シュナイダーは欲動を分類して,(1)あらゆる体験に伴う欲動性,(2)身体的欲動(食欲,性欲,睡眠欲など),(3)心的欲動(権勢,成功,美,富など)としている。欲動は境界概念であるので,欲求あるいは本能として記述されていることとの関連が深く,マクドゥーガルW.McDougallの本能論も欲動論との関連において取りあげるべきものが多い。…
※「シュナイダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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