ショートショート(読み)しょーとしょーと(その他表記)short short story

デジタル大辞泉 「ショートショート」の意味・読み・例文・類語

ショート‐ショート(short-short)

気のきいた落ちのあるごく短い小説
[類語]コントサーガストーリーテールナラティブヌーベルノベルノベレットフィクションロマンロマンス

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精選版 日本国語大辞典 「ショートショート」の意味・読み・例文・類語

ショート‐ショート

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] short short story の略 ) ユーモアサスペンスを生かした落ちをつける、きわめて短い小説。空想科学小説(SF)や推理小説に属するものが多い。
    1. [初出の実例]「近ごろ流行のショート・ショートというものは、私には合わない」(出典:『黒い画集』を終わって(1960)〈松本清張〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショートショート」の意味・わかりやすい解説

ショート・ショート
しょーとしょーと
short short story

普通の短編小説よりもさらに短い超短編小説の意味。日本の文庫本で1ページから数ページで収まる長さのもの。1930年代、アメリカの雑誌を舞台に発達し、イラストを含めて大判雑誌の1ページに収まる長さが標準とされ、サキ、O・ヘンリーがこの形態の先駆者。単に量的に短いだけでなく、短い物語のなかに新鮮なアイデア、完全なプロット、意外な結末の短編小説の三原則が盛り込まれる。

 ショート・ショートは1940年代から50年代にかけて全盛期を迎え、とくにミステリーSFの分野で流行し、ロバート・シェクリー、フレドリック・ブラウン、ロアルド・ダールRoald Dahl(1916―90)らの名手を生んだ。日本にこの形式が定着するのは、これら海外諸作家の作品が紹介された50年代からで、星新一都筑道夫(つづきみちお)らミステリーやSFの作家たちが多数手がけるようになった。単なる「落ち」のある小咄(こばなし)、コントではなく、人生の一断面を小さな器(うつわ)に盛るところに真骨頂があり、ブラック・ユーモアと風刺性を持ち味とする。

厚木 淳]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ショートショート」の意味・わかりやすい解説

ショートショート
short-short

小説を長さで分けて,長編 (原稿用紙 300枚以上) ,中編 (同 100~300枚) ,短編 (同 20~60枚) と考えるのが普通である。これを海外では novel,novella,short storyと呼ぶ。したがって,ショートショートはこの短編より短く,きりりとシャープな小説を意味することになる。その中に,完全なプロット,新鮮なアイデア,意外な結末の3要素を備え,短編小説に必要なあらゆる技法を内包することを条件にする。日本では以前,川端康成の「掌の小説」という試みもあったが,1969年星新一の作品が直木賞候補となって以来,よく聞かれるようになった。最近のビジュアルな雑誌の中の気軽な読み物として重宝がられている。

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