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ジーメンス Siemens, Werner von

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ジーメンス
Siemens, Werner von

[生]1816.12.13. レンテ
[没]1892.12.6. ベルリン
ドイツの電気技術者,電信事業経営者。電気機械で世界を制覇したドイツ電機産業中最も有力な,いわゆるジーメンス・コンツェルンの基礎を形成した。4人兄弟の長兄。プロシア軍隊に入り 1838~48年造兵廠に勤務する間に,種々の軍事技術上の仕事に従事したが,指針電信機の改良と地下ケーブルの発明で自信を得て退役。 47年ジーメンス・ウント・ハルスケ商会を創立した。同年ベルリン-フランクフルトアムマイン間にドイツ最初の電信線を開通し,51年には次弟ウィリアム・シーメンズの協力によって,イギリスでの海底ケーブルの布設を行い,74年にはリオデジャネイロモンテビデオ間,75年にはイギリスとアメリカ合衆国直結にも成功した。 56年頃から強電部門の事業へも進出し,79年にはベルリンに最初の電気鉄道を敷設した。末弟のフリードリヒは 56年にガス燃焼式平炉を発明,製鉄事業に大きな影響を及ぼした。

ジーメンス
siemens

コンダクタンスまたはアドミタンスを示す,SIに基づく組立単位。記号はS。かつては単位モーが用いられたこともある。 1Sは電位差が 1Vのときに強さ 1Aの電流が流れる導線のコンダクタンスである。単位名はウェルナー・フォン・ジーメンスの名にちなむ。

ジーメンス
Siemens AG

ドイツの総合電機メーカーで,世界有数の電機工業コンツェルン。 1847年ウェルナー・ジーメンスとヨハン・ゲオルク・ハルスケによるジーメンス・ウント・ハルスケ電信機製造会社の創設に始まる。当初は電信機器の製造と電信ケーブルの敷設工事を主としたが,その後ロシア,イギリス,フランスなどの各国にも事業を拡大,またアイルランド-アメリカ間の海底電信ケーブルを布設して電信線,海底電線など弱電部門においてヨーロッパで独占的な地位を確立した。 1866年には発電機の製造に成功,強電部門も発展させた。 1897年株式会社に改組しジーメンス・ウント・ハルスケ株式会社となったが,株式はすべてジーメンス一族が所有した。 1900~01年のヨーロッパ恐慌時には多くの企業を傘下に収めた。 1903年自社の重電部門がシュッケルトと合併して,ジーメンス=シュッケルトウェルケとなり,弱電部門 (通信機) を主力とするジーメンス・ウント・ハルスケとともにジーメンス・コンツェルンの中核となった。第2次世界大戦後,在外資産とドイツ民主共和国 (東ドイツ) の資産を没収され打撃を受けたが,資産分割を免れ,その後のドイツ連邦共和国 (西ドイツ) 経済の発展と歩調を合わせて事業分野を拡大し,1950年代以降急速に発展した。 1966年両社を統合して現社名に変更するとともに主要子会社の業務を統合。ヨーロッパ,カナダなど多くの国に子会社をもっている。事業内容は発電・送電機器,産業用・輸送用機器の重電部門,電話,デジタル交換システム EWSD,通信システムの通信機器部門,データ処理機器,データ送信機器,鉄道信号システムのデータシステム部門,プラントエンジニアリング,配電・駆動回路,オートメーションなどプラント・設備部門,X線装置,電子医療機器などの医療機器部門,ICカードや ISDN用チップなどの部品部門がある。

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知恵蔵の解説

ジーメンス

SIのコンダクタンスの単位。固有の名称を持つ組立単位で、英国の電気技術者E.W.von・ジーメンスにちなむ。コンダクタンスは、電気抵抗の逆数の次元を持つ量で、オーム単位で表した電気抵抗の逆数が、ジーメンス単位で表したコンダクタンス。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

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デジタル大辞泉の解説

ジーメンス(〈ドイツ〉Siemens)

国際単位系(SI)の電流コンダクタンスの単位。1ジーメンスは1ボルトの電位差のある導線に1アンペアの電流が流れるときの導電率。名称はE=W=ジーメンスにちなむ。記号S

ジーメンス【Siemens】[人名]

(Ernst Werner von ~)[1816~1892]ドイツの電気技術者。電気機器メーカーのジーメンス社の創立者。自励式発電機・電気めっき法・電信装置・電気鉄道を発明。
(Karl Wilhelm ~)⇒シーメンズ
(Wilhelm von ~)[1855~1919]電気技術者。の子。白熱電光の理論を完成。

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百科事典マイペディアの解説

ジーメンス

ドイツの電気技術者,実業家。ウィリアム・シーメンズなど十数人のジーメンス兄弟の長兄。ハノーファー近郊に生まれ,技術将校として造兵廠勤務中,指針電信機,地下ケーブルを発明。
→関連項目AEG[会社]ジーメンス電気機関車

ジーメンス

電気のコンダクタンスのSI単位。記号S。W.v.ジーメンスにちなむ。1アンペアの電流が流れる導体の2点間の電圧が1ボルトであるときに,その2点間の電気のコンダクタンスをさす。
→関連項目電気伝導率

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世界大百科事典 第2版の解説

ジーメンス【siemens】

電気抵抗の逆数であるコンダクタンスの国際単位系の単位で,記号はS。1Vの電圧が印加された導体に流れる電流が1Aのとき,その導体のコンダクタンスは1S,すなわち1S=1A/Vである。電気抵抗の単位オーム(Ω)の逆数であるので,℧またはmhoと書かれたが,現在ではSに統一されている。ドイツの電気技術者E.W.vonジーメンスにちなんで名付けられた。【平山 宏之】

ジーメンス【Carl von Siemens】

1829‐1906
ドイツの電気技師。ジーメンス兄弟の10番目。兄ウェルナーとともに,電信技術の新しい市場ロシアに渡った。1853年にはモスクワ~ペテルブルグ間の電信線を開設し,55年までにロシアの電信網の基礎をつくり上げた。69年にはイギリスに渡り,74年には電線敷設用に造った船ファラデー号で,アメリカ~イギリス間の海底電信線の敷設を指揮した。1893‐1906年の間は,シーメンズ・ブラザーズ社の会長を務めた。【河村 豊】

ジーメンス【Ernst Werner von Siemens】

1816‐92
ドイツの電気工学者。ジーメンス社を創立した企業家。14人兄弟のうちで6番目(7人の男子の中では最年長)に生まれた。リューベックのギムナジウムで学んだあと,砲兵隊に入り,電気の知識を身につけた。1847年に精密機械工ハルスケJ.G.Halskeと共同でジーメンス・ウント・ハルスケ電信製造所(現在のジーメンス社)を設立した。ジーメンス・ウント・ハルスケ電信製造所はロシアに進出して電信を敷設し,成功をおさめた。

ジーメンス【Friedrich Siemens】

1826‐1904
ドイツの技術者。ジーメンス兄弟の9番目。1848年に兄ウェルナーの電信機を販売するためにイギリスに渡った。61年には,イギリス在住の兄ウィリアムとともに,蓄熱反射炉を発明した。その後この反射炉をガラス工業に転用・実用化し,64年にドイツに戻り,ドレスデンのガラス工場を引き継いだ。【河村 豊】

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大辞林 第三版の解説

ジーメンス【siemens】

〔ジーメンスの名にちなむ〕
電流のコンダクタンスの SI 単位。電気抵抗の単位オームの逆数をいう。記号 S  モー。

ジーメンス【Siemens】

〔Ernst Werner von S.〕 (1816~1892) ドイツの電気技術者。ドイツの巨大企業ジーメンス社の創設者。自励式発電原理など数多くの発明・発見がある。
〔Karl Wilhelm S.〕 (1823~1883) ドイツ生まれの冶金・電気技術者。の弟。イギリスに帰化。平炉製鋼法を発明。

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単位名がわかる辞典の解説

ジーメンス【siemens】

導電率(コンダクタンス)の国際単位。記号は「S」。1Sは1Aの電流を流した場合、両端の電位差が1Vになるような導電体の導電率(1S=1A/V)。抵抗の逆数である。◇名称は、ドイツの電気技術者ジーメンスにちなむ。

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世界大百科事典内のジーメンスの言及

【アドミタンス】より

…電流の流れやすさを示す量で,電流と電圧との比。単位はジーメンス,単位記号はS。かつてモー(℧)という単位が用いられた。…

【電気機関車】より

…広義には,ディーゼルエンジンなどで駆動される発電機からの電気エネルギーを利用するもの(ディーゼル電気機関車など)や蓄電池により電気エネルギーを得るもの(蓄電池式電気機関車)を含めることもある。
[歴史]
 1835年アメリカで,レールの上を電池と電磁機械で動く模型が作られたのが最初といわれており,その後もいくつかの試みはあったが,実用的な電気機関車としては,79年ドイツのE.W.vonジーメンスがベルリンの博覧会で走らせた約3馬力のものが最初である。これは電圧125V,直巻2極の円筒電動機による歯車駆動で,300mの区間を3両の列車に約20名の乗客を乗せて7km/hの速度で牽引した。…

【電車】より

…また広義に鉄道車両というときには,機械的または磁気的に案内された走行路を走る車両をいうので,ケーブルカーやロープウェー,モノレールの車両をはじめ,最近のいわゆる新交通システムや磁気浮上鉄道用の車両も電車といえる。
[電車の変遷]
 実用的な電車の登場は,1881年ドイツのベルリン郊外のリヒテルフェルデ市街鉄道において,約4kmの区間に,E.W.vonジーメンスによる木造の小型電車が運転されたのが最初である。アメリカでも87年にリッチモンドで試運転が行われ,翌年営業を開始,その後,ヨーロッパやアメリカの大都市およびその近郊で馬によらない路面電車および郊外電車を中心に発達していった。…

【電動機】より

…回転子位置検出器と同期電動機とサイリスター電力変換装置を組み合わせたものをサイリスターモーターまたは無整流子電動機という。
【歴史】
 1821年にM.ファラデーが原理的な電動機を製作し,36年にアメリカのダベンポートT.Davenport(1802‐51)が直流電動機を作って電池の電力で旋盤を回したが,直流電動機が広く実用されるようになったのは,67年にE.W.vonジーメンスが,電池の助けをかりずに発電する自励式直流発電機を考案してからである。82年にはN.テスラが二相誘導電動機を考案し,85年にはG.フェラリスが分相形単相誘導電動機を考案し,M.ドリボ・ドブロウォルスキーは91年に三相誘導電動機を,93年に二重かご形誘導電動機を考案した。…

※「ジーメンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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