デジタル大辞泉 「チェック」の意味・読み・例文・類語
チェック(check)
1 小切手。「トラベラーズ
2 格子縞の模様。チェッカー。「タータン
3 書類などを照合すること。また、照合済みの印をつけること。また、その印。「該当箇所を
4 調べて、不都合なものが入り込むのを阻止すること。「人の出入りを
5 点検、調査、確認などをすること。「あの店は要
6 チェスで、王手をかけること。また、その宣言。
7 飲食店などの勘定。「テーブル
8 ⇒チッキ
[類語](2)
翻訳|check
市松模様,格子縞,そのほか線が直角に交差した格子柄模様の総称。一般に先染めした経糸(たていと)と緯糸(よこいと)で織り出して作るが,プリントで表したものもある。種類は各種あるが,その名称は織物の由来からつけられたものが多い。おもなものにスコットランドのタータンやタータンをもたない新興土地所有者たちによってそれぞれの地方でつくられたディストリクト・チェックdistrict check,そのほか窓枠のように仕切られたウィンドー・ペーンwindow pane,ピン・チェックpin check(微塵(みじん)格子),ギンガム,ブロック・チェックblock check(市松格子)などがある。イギリスではとくにタータンのセット(格子柄)はプラッドplaidと呼び,ディストリクト・チェックなどのチェックと区別している。アメリカでは一般に柄の大きな格子をプラッド,小さな格子をチェックと呼んでいる。
スコットランドの領主制の確立とともに発展したクラン・タータンと異なり,これは1715年および45年のジャコバイト蜂起の失敗により,領主からの没収地やイングランドへ移住したクランたちが残していった土地に入った新興土地所有者たちによってデザインされた。彼らはイングランドやボーダー地区の貴族やジェントリーたちで,広大な土地を買い求め,領主の家系を示すクラン・タータンに代わるものとして,雇い人のために柄を創案した。ディストリクト・チェックはほとんどチェビオット種の羊毛を中心に使用し,綾織で製織後,縮絨を施す。多くの種類とそのバリエーションがあるが,おもなものに,シェパード・チェック,グレン・フェシー,グレン・アーカート,コイガッハ,ロバット,プリンス・オブ・ウェールズなどがある。
(1)シェパード・チェックshepherd check 18世紀後半,新興土地所有者がハイランドに牧羊を導入し,そのためにボーダー地区の羊飼いたちを雇用した。彼らが身にまとっていた4ヤード丈の伝統的な布は,黒糸6本・白糸6本の綾織によるチェック(いわゆる千鳥格子)で,そのためにこの名が由来した。なお,糸の太さや本数によって猟犬のきばが並んでいるように見えるハウンド・トゥース・チェックhound tooth checkや星が並ぶようなスター・チェックstar checkの名称もつけられている。(2)グレン・フェシーglen feshie シェパード・チェックに赤のオーバー・チェックを配したもので,19世紀前半にグレン・フェシー(フェシー急流の峡谷の意)の領地で考案された。(3)グレン・アーカートglen urquhat 一般に,グレン・チェックglen checkの名で知られる。白と黒で,シェパード・チェックとスタンダード柄が2インチずつ交互に繰り返されるものである。1840年代に,シーフィールド伯夫人が自分の領地グレン・アーカートのために考案したとされるが,実際は峡谷の村に住む婦人がデザインした。(4)コイガッハcoigach シェパード・チェックを基本とし,煉瓦色と黒のチェックが交互に配されたもの。1874年ころアメリカのあるガン・クラブでユニフォームとしてこの柄が採用されてから,ガン・クラブ・チェックとも呼ばれる。(5)ロバットlovat 比較的新しく作られたもので,1840年代にロバット卿がロッホ・モラール付近のつりがね草,桜草,シダ,樺の木肌などの色のハーモニーを採り入れてつくらせたものである。ライト・ブルー38,ブライト・イェロー16,クローム・イェロー22,ダーク・イェロー・ブラウン12,白12の割合による混織でロバット・ミクスチャーlovat mixtureまたはロバット・グリーンlovat greenとも呼ばれる。無地ではあるが,ディストリクト・チェックに入れられている。ロバット・ミクスチャーはロバット卿の臣下,雇人,家族のためのものであったが,やがてこの色調はスコットランドの織物の代表的な色となっている。(6)プリンス・オブ・ウェールズPrince of Wales 煉瓦色と白によるグレン・チェックを基礎とし,なかにスモール・グレン・チェックが使われ,灰青色のオーバー・チェックを配したもの。名の由来は,エドワード7世が皇太子(プリンス・オブ・ウェールズ)時代にディーサイドのアバゲルディ・ハウスでの狩猟用としてデザインしたことによる。
執筆者:山崎 宗城
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
格子模様。大柄で3色以上の色糸を使った多彩な格子模様をプラッドplaidとよび、これに対して黒と白、茶と白などを原則として2色ないし3色の比較的小柄な格子模様をチェックcheckといい、両者を区別することもある。元来織りの製作工程から生まれた模様であろうが、プリントで表されたものをも含めてチェックという。その種類は数百種もあろうが、はやりすたりのない古典的なチェックには次のようなものがある。(1)ウィンドー・ペインwindow pane 窓枠に似た縦長の格子。大柄のものでは格子1個の大きさが10センチメートルぐらいのものもあるが、普通よく使われているものは3~4センチメートル前後のものである。おもに女性向きの柄である。(2)ガン・クラブ・チェックgun club check 1874年、アメリカのガン・クラブが採用したチェック。小さな濃いチェックの上に淡色のチェックを十文字に重ねた柄。茶色の濃淡によるもの、白に黒と赤の色糸を使ったものが多く使われている。元来スポーツウエアに用いる柄である。(3)グレン・チェックglen check グレン・アーカート・チェックglen urquart checkの略称。スコットランドのエルウィック川を挟むグレン・アーカート近郊で織られた格子柄。細かいチェックとやや大きいチェックを縦・横に組み合わせて束ねたような柄。元来、青と白が本格的な配色であるが、今日では黒と白のものがよく使われている。(4)シェパード・チェックshepherd's check スコットランドの羊飼いが愛用していた格子柄。せいぜい1センチメートル角ぐらいの小さく規則正しいチェック。白と黒が一般的であるが、このほか青と白、茶と白の配色もある。(5)ハウンド・トゥース・チェックhound tooth check 猟犬の歯のようにみえる格子柄。日本では千鳥格子、フランスではピエ・ド・プールpied de pouleまたはピエ・ド・コックpied de coqという。チェックの大きさは4~5センチメートルぐらいのもの。黒に白の配色が多い。(6)バスケット・チェックbasket check 縦・横の筋(すじ)を交互に浮かしたり沈めたりしたチェック。日本では網代(あじろ)格子という。(7)ピン・チェックpin check ピンヘッド・チェック、ニート・チェックともいう。微塵(みじん)格子のこと。(8)ブロック・チェックblock check 縦・横同じ幅の格子。日本では市松(いちまつ)とか元禄(げんろく)とよんでいる。(9)タータン・チェックtartan check 正確にいえばタータン・プラッドtartan plaid。スコットランドの高地人highlanderが肩掛けplaidに使っていた多彩な色糸を使った格子柄。今日では子供服や女性服、あるいはコートの裏地などに用いられる。
[村元雄]
アメリカの化学者。シカゴに生まれる。グリネル大学で化学を学び、1970年に卒業、カリフォルニア大学に進み、1975年博士号を取得した。マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士研究員となり、1978年にコロラド大学に移り、準教授を経て、1983年教授に昇格した。ハイネケン賞など数々の賞に輝き、1987年には国立科学アカデミーの会員になっている。
チェックはコロラド大学でRNA(リボ核酸)の研究を開始した。原生動物のテトラヒメナTetrahymenaの細胞を用いて、リボゾームRNA(rRNA)の切断加工(スプライシング)の実験を行い、RNA中にある遺伝情報をもたないイントロンとよばれる部分を切り離す酵素の発見に取り組んだ。実験の結果、イントロンを切り離す過程では、従来考えられていた酵素タンパク質は必要とせず、RNA自身が触媒の機能をもつことがわかり、1981年にこのRNAによる酵素活性をリボザイムribozymeと命名した。RNAの触媒機能は、1983年に行ったS・アルトマンの実験によって確実なものとなった。この業績によって、1989年にチェックとアルトマンはノーベル化学賞を受賞した。
[編集部]
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…正式名称=チェコ共和国Česká Republika∥Czech Republic面積=7万8864km2人口(1995)=1033万人首都=プラハPraha(日本との時差=-8時間)主要言語=チェコ語(公用語)通貨=チェコ・コルナCzech Koruna旧チェコスロバキアを構成した中央ヨーロッパに位置する一共和国。1993年1月にスロバキアと分離・独立した。西部のボヘミア(チェコ語ではチェヒČechy),東部のモラビア(チェコ語ではモラバMorava)の二つの地方からなる。…
…このように為替手形が割引可能な証券となったことによって,近代的な手形が成立したことになる。【清水 広一郎】
[イスラム世界]
イスラム世界はウマイヤ朝時代に,西はイベリア半島から東は中央アジア,イランまで広大な領域に拡大し,アッバース朝時代には行政上,商業上の必要からスフタジャsuftaja(為替手形),ルクアruq‘a(約束手形),チェックcekkまたはサックṣakk(小切手)など各種信用証券が発達した。貨幣と貨幣とを交換する単純な両替と異なり,現実に受け取った貨幣またはその対価物と交換に証券を与え,これを媒介として支払をするのが手形決済である。…
※「チェック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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