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ハンセン病(レプラ) はんせんびょうれぷらHansen Disease, Leprosy

家庭医学館の解説

はんせんびょうれぷら【ハンセン病(レプラ) Hansen Disease, Leprosy】

[どんな病気か]
 ハンセン病は、らい菌の感染によっておこる慢性感染症です。らい菌は、皮膚、粘膜(ねんまく)、末梢神経(まっしょうしんけい)、目を好んでおかしますが、その毒力は弱く、感染しても発症することはまれです。また、後述する多剤併用療法によって現在、世界中で患者数は減少しつつあります。
 日本のハンセン病患者数も年々減少し、2007年5月末現在、全国のハンセン病療養所の入所者数は約2890名になりました。
 新患者の発生数は年10名以下です。これに対し、在日外国人の新患者数が毎年10名前後発生しており、注目されています。
 これまでハンセン病患者は、強制隔離(かくり)を骨子(こっし)とした「らい予防法」により管理されてきましたが、96年4月1日に同予防法は廃止され、「らい」という病名も「ハンセン病」と読みかえることになりました。
 今後の課題は、ハンセン病への偏見や差別の撲滅(ぼくめつ)、ハンセン病の教育、在日外国人のハンセン病患者への対応、らい予防法廃止後の対策です。
[原因]
 らい菌は桿菌(かんきん)の1つで、結核菌(けっかくきん)と同じ抗酸菌(こうさんきん)の仲間です。チール・ニールセン染色法で赤く染まりますが、培養しても増殖しません。
 感染経路はおもに皮膚や粘膜(ねんまく)の傷で、菌自体の感染力は弱いものの、家族内に病人がいると菌との接触が濃厚になり、感染しやすくなります。
[症状]
 らい菌は、おもに末梢神経と皮膚に病巣をつくります。そのため、知覚まひ(温・冷・痛・触覚まひ)、末梢神経肥厚(ひこう)、神経痛などの神経症状がおこります。また、指が曲がったり、顔面神経の運動まひもおこります。
 菌におかされた組織から、つぎのように分類されます。
■らい腫型(しゅがた)(L型)
 らい菌に対する抵抗力が弱く、病巣組織内でらい菌が多数増殖しているものです。黄褐色から赤褐色の多少湿った発疹(ほっしん)や隆起した結節(けっせつ)が全身に左右対称性に現われます。好発部位は顔で、頭髪、まゆ毛、まつ毛の脱毛もおこります。重症では、顔の変形がおこります。
■類結核型(るいけっかくがた)(T型)
 病巣内での菌の増殖が末梢神経組織内だけに限られるものです。赤褐色の乾いた紅斑(こうはん)が生じますが、紅斑の中心は、多くはふつうの皮膚の色をしています。
■その他の病型
 L型とT型の中間の境界群(B群)と、頻度は低いのですが、未分化群(I群)があります。
[治療]
 一般の感染症として、外来治療が主体となり、入院・隔離されることはありません。薬物治療が中心で、ジアフェニルスルホン、リファンピシン、クロファジミンの併用療法が行なわれます。3剤は、オフロキサシンとともに保険適用薬剤です。
 これまで療養所に入所していた患者さんは、国の保護を受け、入所したままで治療が続けられます。病状が進んだ人にみられるさまざまの変形などは薬剤では治らず、整形外科、形成外科的治療が必要です。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

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