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ハールーン・アッラシード Hārūn al‐Rashīd

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世界大百科事典 第2版の解説

ハールーン・アッラシード【Hārūn al‐Rashīd】

766‐809
アッバース朝第5代カリフ。在位786‐809年。生年は763年の説もある。この王朝の全盛期を代表する君主で,797,803,806年の3回にわたってビザンティン帝国に親征,屈辱的講和条件を与えたが,対内的には相次ぐ反乱の鎮圧に苦慮した。内政では,最初の17年間はバルマク家一門を重用したが,その権勢があまりにも強大になりすぎたために,803年にこれを断絶させ,自ら政治に臨んだ。《千夜一夜物語》の登場人物としても有名。

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世界大百科事典内のハールーン・アッラシードの言及

【アラビア半島】より

… 半島全体の重要性は失われたとはいえ,二聖都メッカとメディナはイスラムの信仰および学問の中心地として特別の地位を占め,歴代のアッバース朝カリフは食料の確保,衛生の維持などに細心の注意を払った。ハールーン・アッラシードは23年間のカリフ在位中,9回メッカ巡礼を行い,そのたびごとに莫大な金品を市民に贈ったことで有名である。だが,ヒジャーズ地方を除いてアッバース朝の統治の実はあがらず,やがて9世紀の半ばごろイエメンのサーダにザイド派のラッシー朝が自立し,その後サヌアに移り,断続を繰り返しながら1962年のクーデタまで続いた。…

【医療】より

…ただし,すでに名声のあるもの若干名は試験を免除された。病院bīmāristānはウマイヤ朝のカリフ,ワリード1世(在位705‐715)に始まるとの説があるが,癩患者を隔離し,看護人をつけた程度であり,本格的なものはアッバース朝のハールーン・アッラシード(在位786‐809)がジュンディーシャープールの病院にならってバグダードに建設させたのが初めで,地方都市にも相ついで設けられた。11世紀末以後十字軍士が見たイスラム諸都市の病院は世界一流のものであった。…

【紙】より

…しかしかなり以前からバグダードにも製紙工場ができていた。アッバース朝カリフ,ハールーン・アッラシードは8世紀末にサマルカンドから中国人紙漉工を呼びよせて紙を造らせたというが,サマルカンドの紙に匹敵するものはできなかったらしい。やがてまたシリアのダマスクスに製紙工場が設けられたが,ここは数世紀にわたりヨーロッパに紙を輸出し,ヨーロッパでは〈ダマスクス紙〉は有名であった。…

【バイト・アルヒクマ】より

…その主たる目的はギリシア語による哲学・自然科学の書物の収集と,それのアラビア語への翻訳であった。ササン朝時代のジュンディーシャープールの学院の伝統を受け継いだもので,カリフ,ハールーン・アッラシード時代の〈知恵の宝庫Khizāna al‐Ḥikma〉という図書館が直接の前身となっている。翻訳官の大部分はネストリウス派のキリスト教徒であった。…

【本】より

…ギリシア文化の継承者であったが,ネストリウス派に属していたため,ビザンティン皇帝ゼノンやユスティニアヌス1世に迫害されたシリアの学者たちはペルシアにのがれ,最後のペルシア王朝でギリシア語の書物をペルシア語に翻訳する仕事に従い,やがてアラビア人の主権が確立すると,さらにこれをアラビア語に翻訳した。すでに中国の製紙法が伝来していた8世紀から9世紀にかけて,アッバース朝の第5代のカリフとなり,学芸を熱愛したハールーン・アッラシードの治世にはバグダードに100以上の書店が数えられ,そのなかには書写本工場をもつ出版所も少なからず含まれていた。ハールーン・アッラシードの子で,アッバース朝第7代のカリフとなったマームーンは,もともとイラン文化の心酔者であったが,父王の志をついで芸文の興隆に意を注ぎ,多数の翻訳官や写字生を宮廷に集め,とくにギリシア文献の出版を奨励し,アッバース朝文運の全盛期を将来した。…

【ラッカ】より

…アッバース朝第2代カリフ,マンスールが772年に円形の都城アル・ラフィカAl Rafiqaを建設。カリフ,ハールーン・アッラシードの〈夏の宮〉の所在地として,またビザンティン帝国への前哨基地として知られたが,13世紀のモンゴル侵寇によって廃墟と化す。おもな遺構は,城壁,バグダード城門,ダマスクスのウマイヤ・モスクをモデルとしたマンスールのモスク(12世紀に再建)のファサードとミナレット,ハールーン・アッラシードの〈平和宮〉のイーワーンなど。…

※「ハールーン・アッラシード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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