プリン(読み)ぷりん(その他表記)purine

翻訳|purine

デジタル大辞泉 「プリン」の意味・読み・例文・類語

プリン(purine)

複素環式化合物の一。環内に窒素原子を含む。無色の針状結晶。天然には存在しないが、その誘導体は広く動植物に分布。化学式C5H4N4

プリン

《「プディング」の音変化》プディング。特にカスタードプディングのこと。

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精選版 日本国語大辞典 「プリン」の意味・読み・例文・類語

ぷりん

  1. 〘 副詞 〙 中身がしまっていて、弾力性に富んでいるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「ぷりんとしたかわいいお尻を」(出典:巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫〉晴れた日に)

プリン

  1. 〘 名詞 〙 ( 「プディング」の変化した語 ) プディング。特に、カスタードプディングのこと。〔家庭料理法(1903)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリン」の意味・わかりやすい解説

プリン(複素環式化合物)
ぷりん
purine

複素環式化合物の一つ。プリン自体は天然に存在しないが、その誘導体は広く動植物界に分布し、生化学上重要な物質である。1899年にドイツのEmil・H・フィッシャーが2,6,8-トリクロルプリンを還元する方法で初めて合成したが、現在では4,5-ジアミノピリミジンを一酸化炭素の存在のもとにギ酸とともに加熱して得ている。分子量120、融点216~217℃で、無色の結晶。水および熱エチルアルコールには溶けるが、エーテルクロロホルムには溶けにくい。弱い塩基で、一当量の酸と塩をつくるほか、弱い酸としての作用もあり、ナトリウム塩など金属塩を生成する。しかし、熱アルカリおよび希酸に対しては安定である。核酸の塩基部分など、生体に関係の深いものはプリン塩基purine baseとよばれる。そのほか、コーヒーやカカオの種子、チャの葉などにも含まれている。

[笠井献一]

プリン塩基

プリン環(核)をもった塩基性化合物で、プリン環は六員環のピリミジンに五員環のイミダゾールが結合した形を呈する。天然にはDNAやRNAをはじめ、ヌクレオチドヌクレオシドの構成成分としてアデニングアニンヒポキサンチンなどがあり、これらのメチル誘導体も知られている。アデノシン三リン酸やグアノシン三リン酸のほか、NADやFADなど代謝の重要因子ないし補酵素の構成成分として存在する。キサンチンや尿酸、あるいはアルカロイドの一種であるカフェインなどもプリン塩基に属する。生体内では遊離の塩基として単独に合成されず、プリン環前駆体の状態でペントースと結合している。結合位置は9位の窒素である。生体内での分解は、キサンチンを経て尿酸、尿素ないしアンモニアに至る。

 なお、天然にないプリンは代謝拮抗(きっこう)薬として用いられ、6-メルカプトプリンや6-メルカプトプリンリボシド(チオイノシン)などは抗悪性腫瘍(しゅよう)薬として繁用されている。

[笠井献一]



プリン(食品)
ぷりん

プディング

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改訂新版 世界大百科事典 「プリン」の意味・わかりやすい解説

プリン
purine

ピリミジン環とイミダゾール環との縮合環からなる複素環化合物。天然にはプリンそのものは存在しないが,誘導体として動植物に含まれ,生化学上重要な物質である。無色針状結晶で融点216~217℃(部分的に昇華)。水に溶けるがエーテルに不溶。7H型と9H型の間に互変異性がある。

共鳴安定化が大きく強い酸化剤によっても分解せず,また酸,塩基の両方と塩をつくる。E.フィッシャーは1882年から1907年にかけて,この骨格をもつ一連の化合物を研究し,母体化合物をプリンと命名し,プリン化学の基礎をつくった。プリン骨格をもつ物質の多くは塩基性で,プリン塩基と呼ばれる。
執筆者:


プリン(食物)

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化学辞典 第2版 「プリン」の解説

プリン
プリン
purine

1H-imidazo[4,5-d]pyrimidine.C5H4N4(120.11).プリンそのものは天然に存在しないが,各種の誘導体が天然に存在している.植物においては,カフェイン(茶,コーヒー),テオブロミン(カカオ),テオフィリン(茶),キサンチン(種子,葉,果実)など.動物においては,キサンチン(尿,血液,肝臓),アデニン,グアニン(核酸),尿酸(尿)などがある.4,5-ジアミノピリミジンを二酸化炭素の存在下でギ酸とともに加熱するか,尿酸を三塩化リンで処理し,トリクロロ誘導体にして,ヨウ化水素で還元すると得られる.無色の針状晶.融点216~217 ℃.水,熱エタノールに易溶,熱酢酸エチル,アセトンに微溶,エーテル,クロロホルムに不溶.アデニン,グアニンは核酸中の塩基として重要であり,尿酸,キサンチンは生体のプリン代謝に関係が深い.プリン誘導体はこのように生化学上重要なものが多い.[CAS 120-73-0]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プリン」の意味・わかりやすい解説

プリン
Prynne, William

[生]1600. サマセット,スウェインズウィック
[没]1669.10.24. ロンドン
イギリス清教徒の政論家。チャールズ1世と王妃ヘンリエッタ・マリアを中傷したり,W.ロードの宗教政策に激烈な批判を加えたりして捕えられ,1634,37年の2度耳そぎの刑を科せられた。 40年長期議会により釈放。長老教会主義には反対したが,政治的には長老派に属し,48年下院議員になったが,王の処刑に反対し,「プライドの追放」によって追われ,投獄された。 49年釈放されたが,軍維持費用のための税を拒否して 50~53年再び獄中にあった。 59年ランプ議会に議席を占め,翌年仮議会の議員として王政復古を支持。政論パンフレットの著述が多く,歴史記録の編纂でも知られる。

プリン
purine

無色針状晶 (エチルアルコールまたはトルエンから再結晶) 。そのままでは天然に存在しないが,各種誘導体となって動植物界に存在する。たとえばヒトの尿中には尿酸として,鳥類の排泄物中にはグアニンとして存在し,カフェインやテオフィリンとして茶やコーヒー中に,テオブロミンとしてカカオ豆に含まれている。これらの化合物やヌクレオチド,ヌクレオシドなど生体に関係深いプリン誘導体はプリン塩基と呼ばれ,カフェイン,テオフィリン,テオブロミンのようなプリン核をもつアルカロイドはプリンアルカロイドと呼ばれる。

プリン

「プディング」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「プリン」の意味・わかりやすい解説

プリン(化学)【プリン】

ピリミジン環とイミダゾール環の縮合環からなる複素環化合物C5H4N4。無色の結晶。融点216〜217℃。水,熱エタノールに易溶。プリン核をもつ化合物のうちで塩基性を示すものをプリン塩基といい,これには核酸の塩基成分であるアデニン,グアニンのほかアルカロイドの構成成分であるカフェイン,テオブロミンなど,生化学的に重要なものが多い。(図)
→関連項目ヌクレオシド6-メルカプトプリン

プリン(料理)【プリン】

プディングの通称。材料を型に入れて蒸し固めた菓子および料理。おもにアントルメとしてデザートコースに供する。一般的には牛乳と鶏卵を主材料としたカスタードプリンをさす。ほかにフルーツ,ライス,チョコレートなどのプリンもあり,カステラ風のヨークシャープディングはローストビーフの付合せとする。
→関連項目

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デジタル大辞泉プラス 「プリン」の解説

プリン〔キャラクター:ゲーム〕

ゲームソフト、アニメ「ポケットモンスター」シリーズに登場するキャラクター。ふうせんポケモン、「ノーマル」タイプ、高さ0.5m、重さ5.5kg。特性は「メロメロボディ」、かくれ特性は「フレンドガード」。進化前は「ププリン」、後に「プクリン」に進化する。

プリン〔キャラクター:サンリオ〕

サンリオのキャラクターシリーズ「ポムポムプリン」のメインキャラクター。ベレー帽を被った犬の男の子。犬種はゴールデンレトリーバー。

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栄養・生化学辞典 「プリン」の解説

プリン

 (1) プッディングのこと.コムギ粉,コメ,パンと牛乳,卵,果物などを混合して蒸したもの.デザートなどに使う.(2) →プリン塩基

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「プリン」の解説

プリン

カスタードプディング。◇「プディング(pudding)」から。

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世界大百科事典(旧版)内のプリンの言及

【プディング】より

…イギリスでつくり始められた菓子および料理。日本では温めた牛乳と砂糖を卵と合わせて蒸焼きにするカスタードプディングがプリンとなまって親しまれている。菓子では,レーズン,オレンジやレモンの皮の砂糖漬,ケンネ脂(牛の腎臓を包んでいる脂肪),パン粉,卵,赤砂糖,小麦粉,スパイス,ブランデーなどを合わせ,型に詰めて蒸し上げるプラムプディング,型の周囲に食パンを貼り,ラズベリー,ブルーベリー,カラントなどのベリー類と砂糖を軽く煮て詰め,重石をして冷蔵庫で冷やしたサマープディングなどがある。…

※「プリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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