ヤンバン(両班)(読み)ヤンバン(英語表記)yangban; ryangban

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

朝鮮,高麗特権支配階級朝鮮王朝 (李朝) 時代の上位身分。高麗の官僚組織は 10世紀末にほぼ成立した東班 (文班) と西班 (武班) の両班体制をとっていた。両班はこの体制の中核をなしており,儒学を業とし,科挙によって官吏に登用されて主要な官職を独占し,兵役賦役,地租以外の諸税は免除されるなど諸般の特権をもつ大土地所有者であった。しかし両班のなかでも文武差別,門閥差別,嫡子庶子の差別があった。この官僚組織が固定し,両班が世襲化するにつれて,両班と称するものが高級官僚で大土地を所有する者から地方の中小地主まで拡大した。朝鮮王朝になると,両班の数が激増するが,その多くは地方地主で,17世紀後半以後,農民層にも両班がふえ,19世紀になると両班と良民との数がほぼ等しくなる地域も少くなかった。そのため両班は社会意識では良民の上位にあっても,その経済状況は良民に及ばないものが多数現れた。高宗 31 (1894) 年の甲午の改革の際に,法制上この階級はなくなったが,実質的には 1945年までその権威は存続した。

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百科事典マイペディアの解説

朝鮮の高麗(こうらい)や李朝の特権身分たる官僚階級。高麗時代から官僚は文班(東班)と武班(西班)に分かれていたので,両班の称が起こった。特に李朝では儒教(朱子学)の浸透とともに,科挙制度と結びついて官職や官位を独占し,階層として固定化されるようになった。さまざまの特権をもって権力を振るい,父系血縁関係による同族意識が強く,系譜を証する族譜を作って地位を誇示した。1894年の甲午改革によって両班特権の廃止が宣言されたが,現代においても韓国では両班的な規範意識が残っている。
→関連項目パンソリ李朝(朝鮮)

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