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リューベック Lübeck, Vincent

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リューベック
Lübeck, Vincent

[生]1654.9. リューネブルガーハイデ,パディングビュッテル
[没]1740.2.9. ハンブルク
ドイツの音楽家。オルガニストの家系に生れ,1673年シュターデの聖コスマ教会のオルガニストになり,多数の弟子を教えて名声を得た。 1702年以降はハンブルクの聖ニコライ教会のオルガニスト。作品はオルガン用のプレリュードとフーガ6,コラール前奏曲2など。

リューベック
Lübeck

正式名称はハンザ都市リューベック Hansestadt Lübeck。ドイツ北部,シュレースウィヒホルシュタイン州,リューベック湾に注ぐトラーウェ川沿岸の都市。トラーウェ川河口は水深が深く,リューベックまで小型の外洋船が遡航でき,またリューベックからエルベ川沿岸のラウエンブルクまでは 1000t級の船が航行できるエルベ=リューベック運河があって,エルベ水系の広い運河網と結ばれている。 13世紀末以後,対遠隔地商業の中心港として,ハンザ同盟の女王と呼ばれた。現在なおバルト海沿岸におけるドイツ最大の港である。 1143年,ホルシュタイン伯アドルフ2世によりハンザ同盟都市として建設され,大火災後,59年にザクセン公ハインリヒ獅子王により再建された。 1226年帝国都市となり,以後商港都市として発達。 15世紀以降北西ヨーロッパ諸国の台頭による通商路の変化のため衰微したが,20世紀初頭エルベ=リューベック運河の開通とともに新たな工業化を伴って再び活発化した。第2次世界大戦後は旧東ドイツからの約 10万人の亡命者により人口急増。その後,造船,機械,金属,医療機器,食品加工などの工業が盛んになった。また現在労働人口の約3分の1は港湾関係の仕事に従事している。爆撃によりかなりの部分を焼失したが,13~14世紀の聖マリエン聖堂,1173年創建というロマネスク様式の大聖堂,市庁舎 (13~15世紀) ,ホルステン門 (1478) などの歴史的建築物が残り,中世的な雰囲気を保つ旧市街は,1987年世界遺産の文化遺産に登録された。 T.マンの生地で,小説『ブッデンブローク家の人々』の舞台。人口 20万9818(2010)。

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百科事典マイペディアの解説

リューベック

ドイツ北部の古都。シュレスウィヒ・ホルシュタイン州のバルト海岸最大の港湾都市。トラーベ川河口に近く,運河でエルベ川と連絡する。造船,機械,食品などの工業が行われる。
→関連項目自由都市

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世界大百科事典 第2版の解説

リューベック【Lübeck】

ドイツ北部,シュレスウィヒ・ホルシュタイン州の都市。人口21万7000(1995)。バルト海に注ぐトラーベTrave川河口より約20km上流沿岸に位置する港湾都市で,エルベ川とは運河で結ばれる。河口に外港トラーベミュンデTravemündeをもつ。造船業など重工業の一中心地。中世にはハンザ同盟の盟主として繁栄し,旧ドイツ帝国内ではケルンと並ぶ大都市であった。ケルンなどローマ時代以来の歴史を有する西方都市とは異なり,中世における東部植民の進展に応じて建設された比較的歴史の浅い都市である。

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大辞林 第三版の解説

リューベック【Lübeck】

ドイツ北東部、バルト海に注ぐトラーベ川下流にある河港都市。一二世紀に建設され、ハンザ同盟の盟主として繁栄。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リューベック
りゅーべっく
Lbeck

ドイツ北部、シュレスウィヒ・ホルシュタイン州の港湾・商工業都市。人口21万3400(2000)。バルト海に注ぐトラーフェ川の河口近くに位置する。中世以来、ドイツのバルト海への窓口であったが、第二次世界大戦後は旧東ドイツが分離したためその機能は弱まった。しかし貿易は今日も市の経済的基盤であり、木材、農産物、鉄鉱石、銅鉱石を輸入し、石炭、鉄鉱石、塩などを輸出する。その関連業種である貿易商社が多く立地する。工業は19世紀におこり、鉄や銅の精錬、機械、食品などの製造が行われる。中世にハンザ同盟の盟主として「ハンザの女王」とよばれた歴史を反映し、教会の七つの塔がそそり立つ旧市街を中心に歴史的建造物が多く残る。マルクト(市場)広場周辺には聖マリア教会(13~14世紀)、市庁舎(13世紀)、15世紀の城門ホルステン門、妻入の民家などが多く、れんが造の北ドイツ・ゴシック様式の典型がみられる。歴史や地理の協会、博物館、資料館など、文化施設も多い。その古い町並みは1987年「ハンザ同盟都市リューベック」として世界遺産の文化遺産に登録されている(世界文化遺産)。[齋藤光格]

歴史

市の起源は、スラブ人の集落リウビケLiubiceにさかのぼる。この地に1143年ホルシュタイン伯アドルフ2世が都市集落を設けたが、1156年大火で焼失し、1158/59年ザクセン公ハインリヒ獅子(しし)公がこの地を譲り受け、改めて都市を建設した。当初の市民はフランドル、ライン川下流、ウェストファーレンから誘致された商工業者であった。ハインリヒが賦与した都市法は、リューベック都市法としてのち多くの都市で採用された。ハインリヒの失脚後、リューベックは1188年皇帝より自治特許状を受け、1226年には帝国直属都市となった。翌27年、リューベック市はシュレスウィヒ・ホルシュタインを支配するデンマーク王をボルンヘーフェトの戦いで撃破し、北欧における有力な政治的指導都市となる。
 バルト海と北海を連結する地点に位置するところから、バルト海貿易の集中点となり、そこで結成されたハンザ同盟の盟主となった。1358年以来ハンザ会議の開催地となる。1368年ふたたびデンマークと戦い、コペンハーゲンを占領し、シュトラルズントの平和(1370)を結んだときが、リューベックの全盛期である。1397年にはシュテクニッツ運河によってハンブルクと直結された。15世紀後半になると、オランダ、イギリスがズント(エアスン海峡)直航でバルト海に入ってきて、リューベックの経済的優位に決定的な打撃を与えた。宗教改革時には、新教派の市長ウッレンウェーファーが実権を握ったが、デンマークとの戦いに敗れて失脚し、同時にリューベックの政治的覇権も失われた。以後、自由都市の地位を維持したが、1937年ナチスに自由を奪われた。現在は一地方都市となっている。[瀬原義生]

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世界大百科事典内のリューベックの言及

【商業】より

…一方,北ヨーロッパにおいては,13,14世紀にハンザ同盟に所属する都市の商人の活動が活発化し,バルト海からフランドル,イングランドへ穀物,木材,毛皮,蠟,ニシンなどを運び,逆に東方へ毛織物,塩,ブドウ酒を輸送した。リューベックがその中心であった。ドイツの東方植民の進展とともにバルト海沿岸からの穀物輸出が増大した。…

【都市法】より

…こうして特許状または市民の自由意思にもとづく照会により,母都市と娘都市とのつながりができ,いわゆる都市法家族Stadtrechtsfamilienが形成された。もっとも重要な母都市はリューベックとマクデブルクである。リューベックの法はドイツの諸都市やバルト海地域のハンザ居留地を経てノブゴロドにまで達し,マクデブルクの法は東ザクセンおよびブランデンブルクだけでなく,ボヘミア,シュレジエン,ポーランドやさらに遠くの地方まで広まっていった。…

【ハンザ同盟】より

…13世紀から17世紀へかけて北ヨーロッパに成立していた都市連合体で,リューベック,ハンブルク,ケルンなどドイツ都市を圧倒的多数とする。日本では古くから〈ハンザ同盟〉という名で知られているが,〈同盟〉という呼称は適当ではない。…

【ブレーメン】より

…大聖堂をはじめとして由緒ある建物も多い。同じ北ドイツのハンブルク,リューベックなどと同様,建造物は主として煉瓦造りで,北ドイツで最も景観の美しい都市の一つに数えられる。フランク王国時代の787年に司教座が置かれ,北方伝道の拠点となったことがブレーメンの起源であり,ハンブルクにすでに置かれていた大司教座もやがてブレーメンに移された。…

※「リューベック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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