レプリカ(その他表記)replica

翻訳|replica

デジタル大辞泉 「レプリカ」の意味・読み・例文・類語

レプリカ(replica)

美術品などの模写複製。「名画レプリカ
スポーツ競技などで、優勝杯を返還したあと、優勝記念として与えられる複製の杯。
[類語]模造偽造偽作贋作贋造代作変造複製作り物偽物紛い物食わせ物如何様いかさま擬古コピーイミテーションフェイク

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精選版 日本国語大辞典 「レプリカ」の意味・読み・例文・類語

レプリカ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] replica )
  2. 諸競技で、優勝を記念して与えられる複製の優勝杯のこと。
  3. 美術で、原作者によって作られる原作の模写・模作のこと。
  4. 一般に、模造品・複製品。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レプリカ」の意味・わかりやすい解説

レプリカ
れぷりか
replica

語源はイタリア語で繰り返しの意。美術用語から転じて模写画、複製、模造品の英語に転じたと考えられる。一般的に絵画、写真、文書のような平面的なものの複製はコピーcopyとよばれ、レプリカという場合は、彫刻、建造物、記念碑、機械、道具など立体的なものの複製をよぶ。製作者(原作者)が同じ物を複製製作した場合はレプリカとはいわず、オリジナル作品のバリエーションvariation(変形)または別バージョンversionとよばれ、オリジナル作品と同等の価値を生ずる。レプリカの製作動機は原作者とは別の他者が異なった用途に使う場合が多く、たとえば建造物を別の場所にまったく同じに建てるとか、機械の性能をさらに強化するためにつくるといった場合などで、コピーに比べ実験台、偽物、まやかし物といったあまり良くないイメージを伴う。さらに材質、寸法を変える必要が多々生じ、その縮小したものはレプリカといわずミニチュアminiatureとよばれる。またオリジナルが未完と判断された場合や、製作年代がかなり古く色彩などがはっきりわからなかったものがのちに科学の力などで判定できた場合などもレプリカではあるが、日本では復元とよばれるのが通常である。

[畑 暉男]

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改訂新版 世界大百科事典 「レプリカ」の意味・わかりやすい解説

レプリカ
réplica[イタリア]

〈繰返し〉の意。美術用語としては,原作者またはその工房によって制作された,オリジナル作品と同一の内容・形式をもつ複数の作品をいう。原作者が手を加えた度合に応じて,オリジナル作品と同等か,これに近い価値を有する。これに反し,原作者によらず,他者によって行われた同一作品の制作をコピー(模写,模作)と呼ぶ。このほか,いくつかのオリジナル作品の様式モティーフなどを混合させ同一作品に合成したパスティーシュpastiche(フランス語),オリジナル作品と見せかける偽作(贋作),オリジナル作品を別個の思想的脈絡の中で引用するパロディ,同一作者による,オリジナル作品のバリエーションを意味するバージョンversionと区別される。

 レプリカの制作動機は,大別して3種ある。(1)作品の成功によって需要が増した場合(ティツィアーノビーナスと音楽家》,シャルダンの《祝福》など),(2)異なった用途のため,材質・寸法を変える必要があった場合,(3)オリジナル作品が未完と判断された場合,である。
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化学辞典 第2版 「レプリカ」の解説

レプリカ
レプリカ
replica

電子顕微鏡観察において,電子線の透過しない厚い試料の表面を観察するのに,光学顕微鏡スンプ法とほぼ同様の原理により,試料表面の凹凸を電子線が通るような薄膜に転写する方法である.二つの基本的な方法,すなわち,1段レプリカと2段レプリカ法がある.1段レプリカ法では,観測すべき試料表面に金属酸化膜をつくったり,ホルンバール溶液やコロジオン溶液を流して溶媒を蒸発させて薄膜をつくり,薄膜を試料表面からはがしたのち,これを観察する.このレプリカ膜は,観測すべき試料表面の凹凸と反対の凹凸をもつもので,ネガティブレプリカという.2段レプリカ法では,試料表面の凹凸をポリ(メタクリル酸メチル)や酢酸セルロースなどの厚い膜の上に型どり,表面の1段レプリカをつくり,このレプリカ面をカーボンのような最終レプリカ材料の薄膜で被覆し,その最終レプリカ膜を1段レプリカ面からはく離して観察する.この場合,最終レプリカ面は試料表面の凹凸と同じ凹凸をもつので,ポジティブレプリカという.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レプリカ」の意味・わかりやすい解説

レプリカ
replica

絵画,彫刻では,特に原作者の手に成る一点または数点の正確な写しのこと。原作者自身が直接作らずに厳格な監督下で制作される場合もあるが,単なる模写や印刷技術による複製とは区別される。

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デジタル大辞泉プラス 「レプリカ」の解説

レプリカ

羽場博行の小説。副題「テーマパークの殺人」。1992年刊行。同年、第12回横溝正史ミステリ大賞受賞。

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世界大百科事典(旧版)内のレプリカの言及

【シャイナ】より

…しかし画家でもある彼の本領は,きわめて暗示的で追随を許さぬ特異な舞台装置に十全に発揮されるとの定評があり,諸外国でも展示された。死の収容所の悲惨を描く自作の戯曲《レプリカ》(抗議,複製の両義)(1971),《神曲》に基づく《ダンテ》(1974)はその代表作。【工藤 幸雄】。…

【セッコウ(石膏)】より

…化学式CaSO4・2H2O。天然に産する硫酸カルシウム二水和物の鉱物名。二水セッコウあるいは結晶セッコウともいう。単斜晶系。薄・厚の板状や,柱状の結晶として産する。双晶も珍しくない。塊状,粒状,繊維状としても産する。へき開は{010}に完全で,{100},{011}にもみられる。モース硬度2,比重2.32。ガラス光沢に近い。無色透明,白,灰,帯黄,帯緑,帯赤,帯褐色などを呈する。紫外線下で緑白色の蛍光またはリン光を発することがある。…

【工房】より

…遠隔地での壁画制作のような注文を受けた場合は,組織としての工房は親方とともに目的地に移動し,現地で新たな人員を加えたり,またその地に工房独自の様式や技術を広めたりした。親方の作品のレプリカ(複製)作りも,修業の一環であり,工房活動の重要な部分を占めている。工房によるレプリカ,および親方の構想に基づくが実現は工房の手になる作品は〈工房作studio work〉と呼ばれる。…

【セッコウ(石膏)】より

…【加藤 敏郎】【瀬戸山 克巳】
[造形素材としての利用]
 焼石膏の粉末に水分を加えると結晶する性質を利用して石膏像をつくる。塑像の原型から型取りし,鋳造あるいは彫刻の原型として用いる場合と,すでに鋳造された作品のレプリカreplica(写し)を制作するために用いる場合とがある。粘土塑像は,火入れしないかぎり保存が困難であるため,石膏取りをしていわゆる石膏原型をつくる。…

※「レプリカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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