精選版 日本国語大辞典 「一道」の意味・読み・例文・類語
いち‐どう ‥ダウ【一道】
〘名〙
② 一つの分野。特定の方面。
(イ) 学問・芸術・武術・技術などの一つの分野。
※古今著聞集(1254)四「一道に長ぜる人は、昔も今もかやうのふしぎ多く侍り」
※浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)三「柳生流一道の印可は残らず伝へてをります」
(ロ) 特に好色の世界。色の道。
※評判記・難波物語(1655)「右はまづ、一道(ダウ)の知音のきりゃう也」
③ 水、光、煙、音などの細く長い一筋。一条。
※文華秀麗集(818)下・江上船〈嵯峨天皇〉「一道長江通千里、漫漫流水漾行船」
※珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉池「震動起りて一道の光閃き渡り」 〔劉禹錫‐酬楊八副使詩〕
※浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)上「二文三文の露を打は、是がおとこの一道(タウ)と」 〔孟子‐公孫丑下〕
⑤ 五畿七道の一つ。
※延喜式(927)一九「引二一道国郡司一、進屯二屏下一」
⑥ 仏語。一つの言い方。一つの表現。
ひと‐みち【一道】
〘名〙
① わき道のないただ一本の道。転じて、死者の国への道。
※古事記(712)中「汝は一道(ひとみち)に向ひたまへ」
② (形動) ただ一つのことに心を集中すること。いちずに邁進すること。また、そのさま。ひたみち。
③ (副詞的に) 道中全部。その道をゆく間じゅう。
※今昔(1120頃か)一九「一道下り乗り為る程に」
ひとつ‐みち【一道】
〘名〙
① 同じひとつの道。また、一緒に一つの道を行くこと。
※高野本平家(13C前)九「かならずひとつ道へとおぼしめすとも」
② ただ一本の道。
※浮世草子・新可笑記(1688)「有夕暮に野沢のひとつ道ゆくに」
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