デジタル大辞泉
「与」の意味・読み・例文・類語
むた【▽与/▽共】
名詞または代名詞に格助詞「の」「が」が付いた形に接続して、…とともに、…のままに、の意の副詞句をつくる。
「波の―か寄りかく寄る」〈万・一三一〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
あた・える あたへる【与】
〘他ア下一(ハ下一)〙 あた・ふ 〘他ハ下二〙
① 自分の所有物を他人に渡して、その人の物とする。現在では、上の者から下の者へ授ける場合にいう。やる。さずける。
※斯道文庫本願経四分律平安初期点(810頃)「
比丘尼の為に食を過
(アタヘ)て、自ら食を取りて食をせむことを除け」
② 影響、効果などを相手に及ぼす。こうむらせる。
※四分律行事鈔平安初期点(850頃)「僧い其か罪を証正して、伏することあるを得むときに、方に与(アタフ)須し」
※
平家(13C前)一「幼き者に左右
(さう)なく
恥辱をあたへられけるこそ
遺恨の次第なれ」
※南蛮寺物語(1638頃)「
門徒に人まへにふちかねをあたへるよし、仏法は一銭半銭は未来へ引入れのためなり」
④ 仕事、課題などを課する。「問題を与える」
※憲法講話(1967)〈
宮沢俊義〉七「選挙くらい大きな
役目を与えられている制度は少ない」
※断橋(1911)〈
岩野泡鳴〉一「きのふ、実は
承諾を与へたのぢゃが、
あいつ、おほ喜び、さ」
⑥ 時間、設備、条件などを利用できるような状態にする。利用することを許す。「
弁明の
機会を与える」
⑦ (「与えられた…」の形で)
数学・
論理学で、定義づけられた、
既知の、所与の、の意で用いられる。「与えられた
三角形(円)」
あたえ あたへ【与】
〘名〙 (動詞「あたえる(与)」の
連用形の
名詞化) 与えられること。また、そのもの。さずかりもの。めぐみ。たまもの。
※曾我物語(南北朝頃)五「天のあたへを取らざるは、反(かへ)って其咎(とが)を得ると見えたり」
あた・ゆ【与】
〘他ヤ下二〙 (ハ行下二段動詞「あたふ(与)」から転じて、室町時代頃から用いられた。多くの場合、終止形は「あたゆる」) =
あたえる(与)※四河入海(17C前)四「国邑を割てあたゆる人であるぞ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報