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久保栄 くぼさかえ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

久保栄
くぼさかえ

[生]1901.1.2. 札幌
[没]1958.3.15. 東京
劇作家,演出家。東京大学独文科卒業。 1926年,翻訳が機縁となって築地小劇場文芸部に入る。小山内薫に師事し,土方与志の助手をつとめた。新築地劇団左翼劇場を経て,34年新協劇団を結成,40年の弾圧による解散までプロレタリア演劇の流れを守った。

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デジタル大辞泉の解説

くぼ‐さかえ【久保栄】

[1900~1958]劇作家・演出家。北海道の生まれ。築地小劇場文芸部を経て、新築地劇団新協劇団東京芸術劇場の結成に参加、劇作・演出・評論に活躍。戯曲「五稜郭(ごりょうかく)血書」「火山灰地」、小説「のぼり窯」など。

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百科事典マイペディアの解説

久保栄【くぼさかえ】

劇作家,演出家。札幌生れ。東大独文科卒。築地小劇場に入り小山内薫に師事した。プロレタリア演劇運動に加わり新協劇団の結成に参加,劇団民芸を指導。戯曲《五稜郭血書》《火山灰地》,小説《のぼり窯》や,全集12巻がある。
→関連項目滝沢修ナップ(NAPF)村上一郎

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

久保栄 くぼ-さかえ

1900-1958 昭和時代の劇作家,演出家。
明治33年12月28日生まれ。築地小劇場文芸部,日本プロレタリア演劇同盟をへて,昭和9年村山知義(ともよし)らと新協劇団を結成。13年「火山灰地」を創作・演出し,リアリズム戯曲の最高傑作と評価される。昭和33年3月15日入院中に自殺。57歳。北海道出身。東京帝大卒。作品はほかに「五稜郭(ごりょうかく)血書」など。
【格言など】つくる喜びと生きる呪いをこめて 今日も明日も焼く炭焼窯(「火山灰地」)

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世界大百科事典 第2版の解説

くぼさかえ【久保栄】

1900‐58(明治33‐昭和33)
劇作家,演出家,小説家。北海道生れ。幼時に叔父の養子となり,もっぱら東京で暮らす。一高を経て1926年東大独文科卒。その間,小山内薫に師事,築地小劇場に入って自然主義表現主義戯曲を翻訳した。30年,日本プロレタリア演劇同盟に参加し,機関誌編集や創作,演出にあたった。この時期の作に《国姓爺新説》《中国湖南省》《五稜郭血書》《吉野の盗賊》がある。34年に結成された新協劇団旗揚げ公演《夜明け前》(島崎藤村原作)演出でリアリズム演劇を確立し,その社会主義リアリズム理論は名作《火山灰地》に具現し,評論集《新劇の書》(1939)を生んだが,40年新劇事件で検挙され公的活動を遠ざかった。

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大辞林 第三版の解説

くぼさかえ【久保栄】

1900~1958) 劇作家・演出家。札幌生まれ。東大卒。築地小劇場で小山内薫おさないかおるに師事、のち新築地劇団・新協劇団などに参加。社会主義演劇理論の指導者。代表作「火山灰地」「林檎園日記」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

久保栄
くぼさかえ
(1900―1958)

劇作家、演出家。明治33年12月28日札幌に生まれる。父は野幌煉瓦(のっぽろれんが)工場を経営、のち札幌商工会議所会頭。3歳で父の弟の養子となり上京。のち養家が没落し生家へ復籍。1917年(大正6)第一高等学校入学。このころから『ホトトギス』『水甕(みずがめ)』に投稿。18年、島崎藤村(とうそん)選透谷(とうこく)賞に当選、『中央文学』に処女小説『三人の木樵(やまご)の話』が載る。東京帝国大学独文科在学中に築地(つきじ)小劇場で彼の翻訳による『ホーゼ』が上演され、26年卒業後同劇場文芸部に入る。表現主義戯曲の翻訳などにあたり、築地分裂後は土方与志(ひじかたよし)らと新築地劇団を結成するがまもなく退団。『劇場街』『劇場文化』を創刊。30年(昭和5)、戯曲『新説国姓爺合戦(こくせんやかっせん)』(のち『国姓爺新説』と改題)を発表し劇作家として出航、またプロットに加盟、『プロレタリア演劇』の創刊にあたる。34年のプロット解散を経て40年の新劇人事件で検挙されるまでの間、ドイツのプロレタリア演劇の紹介や戯曲の翻訳、創作、演出と多面的に活躍する。緻密(ちみつ)な理論に基づく戯曲『中国湖南省』(1932)、『五稜郭血書(ごりょうかくけっしょ)』『吉野の盗賊』(ともに1933)、大作『火山灰地』(1937~38)や、翻訳『織工(おりこ)』『群盗』『ファウスト』を発表、演出した。新協劇団でのそれらの上演は、『夜明け前』や『父帰る』の演出などとともに絶賛された。第二次世界大戦後、滝沢修(おさむ)らと東京芸術劇場を結成(1945)するが、戦争責任を描いた戦後第一作の『林檎(りんご)園日記』(1947)上演後に解体。以後、生家に材を得た長編小説『のぼり窯(がま)』(第1部・1951)執筆にすべてをかけるが、うつ病が悪化し完成をみずに入院加療中の昭和33年3月15日縊死(いし)した。死後『久保栄研究』1~10号(1959~69)が刊行され、札幌市資料館に原稿その他が展示されている。[井上理恵]
『『久保栄全集』全12巻(1961~63・三一書房) ▽村上一郎著『久保栄論』(1959・弘文堂) ▽沢田誠一著『白い土地の人々』(1979・構想社)』

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世界大百科事典内の久保栄の言及

【音更[町]】より

…東部の十勝川河畔には日本で唯一というモール泉(植物性)の十勝川温泉が,北部の駒場には広大な敷地の農水省十勝種畜牧場(1910開設)があり,観光客も多い。久保栄の戯曲《火山灰地》の舞台となった地で,文学碑もある。【奥平 忠志】。…

【火山灰地】より

久保栄の戯曲。2部7幕。…

【新協劇団】より

…1934年左翼劇場の解散など,弾圧を受けるプロレタリア演劇運動の危機のなかで,新劇団の大同団結を提唱する村山知義(ともよし)の呼びかけに応じ,旧左翼劇場のメンバーを中核に新築地劇団からの参加者も加えて組織された。文芸・演出部の村山,久保栄(さかえ)を中心に,滝沢修,小沢栄太郎,細川ちか子(1905‐76),三島雅夫(1906‐73)らの演技陣によって,島崎藤村原作《夜明け前》,久保栄作《火山灰地》,久板(ひさいた)栄二郎作《北東の風》,真船(まふね)豊作《遁走譜(とんそうふ)》など社会主義リアリズムの力作を次々に上演し,第2次世界大戦前の新劇活動において一時期を画したが,40年8月19日,関係者の一斉検挙にあい,国家権力により強制的に解散させられた。 第2次大戦後,村山が再建にのりだし,46年2月には再建第1回公演を持った。…

【ドイツ演劇】より

…またカイザーなどの表現主義劇が大正末から昭和の初めにかけてひどく流行した(築地小劇場はその紹介に特に熱心であった)のも,論理構造を否定する方向が好まれたからであろう。リアリズムの受容は,昭和の初め以降の久保栄などによる〈反資本主義的リアリズム〉の提唱と運動のなかで,間接に行われたにすぎない。戦後入ってきたB.ブレヒトの演劇は,K.S.スタニスラフスキーの演技論と対立するものとして昭和20年代の終りころから大いに注目され,日本の新劇に大きな影響を与えたが,劇作そのものは感性的に受け入れられる場合が多く,矛盾像としての的確な把握は十分ではなかった。…

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