事無し(読み)コトナシ

デジタル大辞泉 「事無し」の意味・読み・例文・類語

こと‐な・し【事無し】

[形ク]
何事もない。平穏無事だ。
手抱たむだきて―・き御代天地あめつち日月と共に万代よろづよに」〈・四二五四〉
変わったことがなく退屈だ。大した用事もない。
公私おほやけわたくしに―・しや何業してかは暮らすべき」〈・若菜上〉
面倒なことがない。容易である。
「わづらはしかりつる事は―・くて、やすかるべき事はいと心ぐるし」〈徒然・一八九〉
[類語]安全無事安泰平安安寧あんねい安穏あんのん小康セーフティー安心確実無難無害無毒大丈夫穏やか平穏平らか温和

こと‐なし【事無し】

[名・形動]
何もすることがないこと。また、そのさま。
常夏の花をだに見ば―にすぐす月日も短かかりなむ」〈後撰・夏〉
男女の間に特別のことが起こらないこと。また、そのさま。
「―にて過ぐしつる年ごろも悔しう」〈須磨

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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