中国,春秋時代の5人の覇者。5人のうち,斉の桓公と晋の文公を除いた他の3人については,たとえば楚の荘王,呉王の闔閭(こうりよ),越王の句践(こうせん)とする説,秦の穆公(ぼくこう),楚の荘王,呉王の闔閭とする説,秦の穆公,宋の襄公,楚の荘王とする説などがあって,必ずしも一定していない。ただ5人という数は,のちの戦国時代の五行説にもとづいてつくられたものであり,実際には5人に限定する必要はない。斉の桓公や晋の文公ら春秋前半期の覇者をみると,彼らは諸侯を連合してその盟主となり,勢力の衰えた東周王朝をたすけて蛮夷の侵入を退け,周の封建制度の秩序維持にあたった。このような尊王攘夷を旗じるしとした覇者の性格は,前7世紀の末に南方の蛮族とみなされていた楚が覇権を握るにいたって変化した。このころになると周の権威は無視され,覇者は武力で他国を制するものとなり,会盟はその武力支配を合法化する手段と化し,やがて戦国の激烈な抗争期に突入していく。
執筆者:永田 英正
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春秋時代に諸侯の覇者となった5人の代表的有力諸侯をいう。ふつう晋の文公,斉の桓公(かんこう),楚(そ)の荘王(そうおう),呉王闔閭(こうりょ),越(えつ)王勾践(こうせん)をいう。呉,越を除いて宋の襄公(じょうこう),秦の穆公(ぼくこう)をあげることもある。
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